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5月24日「クローズアップ現代」に、著名な環境運動家であり温暖化脅威論のL.ブラウンが出演し、持論の技術万能的な楽観論:PlanBについて熱弁した。意外と思われようが、彼は経済成長主義者、これが絶大な人気の秘密である。
北欧の風車を例に上げ、経済発展と温暖化対策は両立するというが、人口1.3億人、経済が遥かに巨大な、工業国日本にそのまま適応するとは思えない。 PlanBといっても色々である。ブッシュ大統領のエネルギー顧問、M.シモンズは石油ピーク論に基づいて、悲観的なPlanBを主張している。彼はエネルギー投資銀行のCEOであり、その著「Twilight in the Desert」で、サウジアラビアの石油の黄昏を警告する。最近、日本語訳も出たようである、妙な日本語のタイトルだが。中国、ドイツ語版は既に出ている。中国を侮ってはならない、彼らは石油ピークを知っている。 そして私には、日本の自然と共存する「もったいない:PlanB」がある。21世紀の生存に、万国共通の万能薬はない、と理解すべきである。 ブラウンの技術的楽観論には、異論も多いのだが、NHKはブラウン礼賛に終始した。真面目な番組だけに本当に「もったいない」。流行の「地球を救え」も気になる、それは人の思い上がり、今危ないのは人間の方だからである。 ■
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by tikyuu_2006
| 2007-05-25 00:18
| これからの日本
文芸春秋の6月号に、立花隆が「団塊こそ”知の救世主”」というタイトルで、21世紀は20世紀の延長でない、今の若者に比して団塊世代は知的レベルが高い、頑張れ、と檄を飛ばしている。
この四月から、66歳の氏は、立教大学の大学院21世紀社会デザイン研究科の特任教授となったそうで、授業には60歳の団塊の世代など社会人が大勢、真剣に聞きにくるという。その経験からの、いつもの歯切れのよい檄文である。 熱っぽく、21世紀にはまったく新しい視点が必要と語るが、何故そう思うのか、私には全く分からない、そこには「地球は有限、自然にも限りがある」の視点、21世紀の最重要視点が無かったからである。立花さん、もっと勉強してください、「わかったつもり」は駄目ですよ! ■
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by tikyuu_2006
| 2007-05-20 04:22
| これからの日本
5月20日読売新聞、朝刊に「日本、核保有の可能性も」という見出しで、石原東京都知事のニューヨーク講演が紹介された。
その見出しそのものより、私が注目したのは、副見出し「米との防衛体制に疑問」であり、さらに興味を引いた、むしろこれを「トップ見出し」にほしかったが、中国経済の先行き見通しについて「ぎりぎりもって、北京五輪までだろう」と答えたことである。 その通り。その理念、原点は違うようだが、今後、エネルギーが最大の中国経済の制約となる、が私の主張だからである。 「当たり前」とはこの点においてで、核保有については、原爆被爆国である日本、私は賛成できない。 残念ながら、慧眼の石原氏ですら石油ピークをご存じないようである。一方、中国はそれを知っている。ヨーロッパの識者グループ、ASPO(Association for the Study of Peak Oil)会議への出席ぶりから、そう思われる。 ■
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by tikyuu_2006
| 2007-05-19 12:08
| これからの日本
5月15日夜のクローズアップ現代、疲弊した稲作農業を助けるため、米を家畜飼料、車の燃料にいう話であった。
一見良さそうである、日本の米を収量の多い品種に変え、豚などに食べさせる米作を振興する、豚は旨い不味いといわない、とあった。 その根底はエタノール向けのトウモロコシなど、穀物価格高騰がある。車に食料を食べさせる奇妙な動きを、米を作れない農家の救済策に導入しようというのが今回のクローズアップ現代の主題であった。 だが、これは根本で間違っている。まず石油ピークの認識がない、現代農業が石油漬けであることに一言も触れなかった。おそらくご存じないのであろう。これでは駄目である。短期的な対症療法に過ぎない。国家百年の計とはならない。食料は人間生存の根幹である、時々の流行に振り回されてはならないのであって、短期的便法と、基本理念そして戦略とを峻別すべき。NHKのクローズアップ現代は、まじめな良い番組だが、定番の家庭教師に安住しすぎるのでは。問題の本質は車社会にある、もうアメリカを見習ってならない、お分かりか? 私事になるが、このようなことが気になるのは、今は亡き義父、久宗壮の薫陶による。長年、岡山県津山の片田舎で立体農業、今の言葉でいう里山農業を推進し、戦後の全国愛農会の創設にも尽くした義父は、常に日本には真の農業政策も国策もないと嘆いていた。賀川豊彦に師事し、立体農業の実践を通じキリスト教的な農業伝道に一生を捧げた。 序ながら、いま皆さんが食するシイタケなどの人工栽培キノコ類は、義父の発明、発案による。だが特許などは一切申請もせずに、キリスト教伝道の一環として日本のみならずアジア、南米にまで只で指導行脚をした。損得で考えない、そんな馬鹿な人もいるのである。私もそれに近いが。 ■
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by tikyuu_2006
| 2007-05-16 10:50
| エネルギー、環境
ジェットコースターの事故は痛ましい。 相当区間、異常に気づいていたのであろう、可愛そうに。金属疲労であったとか、15年も心棒を交換しなかった。 ただ儲ければよい、遊びに来てくれた人に喜んで頂く、という心もなかった。
そこで国は、規制を細かく具体的にしようとしている。これは当然だか、本来、これは企業が自から気をつけることでは。 次々と起こる不祥事、バレなければよいという風潮、日本の代表的な企業から末端まで。日本社会は制度疲労を起こしている、日本は情けない国となったようである。 規則はいくらでも細かく作れるが、それには限りがある。拝金主義が日本を崩壊に導いているのであって、倫理教育といったことではない。 競争原理、経済成長至上、市場原理、常に欲望をあおるメディア。昔は拝金主義を軽蔑したものである、武士は食わねど高楊枝が懐かしい。 誇りを失った日本社会、それは産官学、政治などの指導層の心の疲労破壊のためだろうか。自分で徹底して考えることをしない日本、長年のアメリカ追従のためだろうか。 マネー、GDP至上の膨張主義はもう止めよう、地球は有限、自然にも限りがあるのだから。 ■
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by tikyuu_2006
| 2007-05-13 00:30
| 新しい文明の構想
資源の「枯渇」という言葉は、いわゆる寿命、あと何年ということ結びついている。これは、例えば資源エネルギー庁による「総合エネ次ー統計」の「R/P」である。Rとは可採埋蔵量、Pは年間生産量のことである。この比が世に言う寿命なのだろうが、これに問題がある。それはR、Pは「量」だけの数字で、「質」が考慮されないからである。
資源とは自然の恵みである。「濃縮された質」が大切なのであり、特にエネルギーにおいては質がすべてと言ってよい。 例えば高温の熱は価値があるが、環境温度まで下がった熱にはもう価値はない。前者を「低エントロピー」、後者の特徴のなくなった状態を「高エントロピー」という。一般に秩序ある状態を低エントロピーという。 これが熱力学の第二法則でエントロピーの法則ともいう。 かっての「永久機関論」はこれで決着がついた。しかし、今にして脱石油、新エネルギー論の関連で、再びエントロピーの出番となった。海水ウラン、海洋温度差発電、自然エネルギーなど、希薄な濃縮されないものの意味を考えるためである。 「石油ピーク」はこの「質」と深く関係する。それは人は採りやすい、質のよい儲かる資源から使い、後に質の低いのを残すかfらである。資源の生産ピークは、それをぼ半分使ったころにやって来ると言う。この質はEPR(Energy Profit Ratio) で考えると分かりやすい。 このように「石油ピーク」は、通念としての寿命、R/Pとは殆ど無関係なのである。 ■
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by tikyuu_2006
| 2007-05-08 21:34
| 石油ピークとは
読売新聞5月2日朝刊に、石油ピークについての本格的な記事が、日本の大新聞としては初めて載りました。 C.キャンベル(Campbell)、ASPOの創始者で私の知人でもある、へのインタビュー記事です。
![]() これは資源争奪というシリーズの3回目です。ようやくこれで日本も少し石油ピーク、減耗論についての理解が深まるでしょう。読売新聞の卓見というべきでしょう。 とても正確によく書かれています。 だが残念なことに問題、かなり大きな問題がこの「記事の見出し」にはあります。「枯渇」という言葉で、これが本質的に間違っているのです。ピークは枯渇でないのです。 生産が需要を満たせなくなり、生産がもう伸びない、そして資源の有限性が顕在化するという意味です。これが資源ピークなのです。漁業資源はすでにピークをだいぶ前に過ぎて、今は殆ど枯渇状態です。 石油ピーク後、生産は減退期に入る、それは年率で3~4%とも見られています。これが成長を当然視する現代工業社会に大きな打撃を与える、それはまず運輸に来ると見られます。何故なら石油が常温で流体の燃料だからで、間違いなくグローバリゼーションを直撃します。そして農業を化学工業を、となります。 「石油ピーク」はその意味で「農業ピーク」、そして「文明ピーク」なのです。これについては私のHP、著書などをご参照ください。 ■
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by tikyuu_2006
| 2007-05-04 02:19
| 石油ピークとは
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