4月30日の
朝日新聞の社説、地球環境「人類の足場が危うい」は、久しぶりの日本メディアの冷静な記事だった。それは、”人類が突然いなくなったら、この地球はどう変わるか”、米国ヒストリー・チャネルの「ポスト人類」の紹介から記事は始まる。曰く、”6ヶ月後には都市近郊に狼、山猫が、5年後には都市がツタ、樹木で覆われ、千年後には近代都市は跡形をとどめず、原始の世界がもどる”、というもの。
人間の営みなどその程度ということか、地球が危ないなどと温暖化一色の日本では稀有の社説といえよう。
経済成長至上主義、技術万能思想に浮かれる現代社会だが、最近ようやく何かおかしいを思い出したようである。ガソリン、食料価格の大幅な値上がり、いずれお金を出しても買えない時代が来るかもしれない、と心配しだした。
これは
「地球は有限、自然にも限りがある」との、私の年来の主張と軌を一にする。すでに原油生産は2005年がピークであった、その代替はないのだが、残念ながら一昨日、政府与党は衆院でガソリン税暫定税率を3分の2の多数で決めた。
石油ピークも理解せずに、まだ道路を作りたいようである、迷走する日本、どこに行くのだろうか。
そして
朝日新聞社説の終わりである。”洞爺湖サミットで温暖化問題は重要だが、ほかの環境問題も刻々と危機が迫る・・領土や資源を奪い合い、生態系を破壊すれば、結局は自分の首を絞めることとなる”、とある。これは私の年来の主張「地球は有限、自然にも限りがある」と同軌条にある。
久しぶりに日本のメディアの良識を見る思いがした。一読をお勧めする。
私事になるが来週
5月7日には、韓国ソウル、大韓商工会議所の国際セミナーで講演する。LG経済研究院、朝鮮日報などの主催で「グローバル資源危機、どう対応するのか?」がテーマ、
私は「石油ピークは農業ピーク、そして文明ピーク」を命題で話す予定、ほかに国際機関のIEA、地元韓国からの2講師が話される。
隣の韓国も真剣に未来を想い出したようである。
以上ご参考まで。