劣化する日本、エントロピーの法則を理解せねば

ある知人の慨嘆、Facebookに小澤英一さん
昨日、ビッグサイトで開催されているスマートエネルギーweek2018に行ってきた。この展示会はビッグサイトの東西展示棟すべてを使って開催されているもので、日本のエネルギー関連技術のほとんどすべてを統合したものだった。太陽電池、太陽光発電システム、スマートグリット、風力発電、水素・燃料電池、二次電池等々すごいボリュウムだ。私は、西展示棟で開催されていた二次電池展と水素・燃料電池展を見て回った。お目当ては二次電池における材料問題だ。ところが行ってみると、材料は電極用の黒鉛だけで、展示の主流はリチウムイオン電池等の各種評価、分析それに各種部材ばかりだった。にぎやかだったのは、水素・燃料電池の方で、こちらは燃料電池車をテスラ、トヨタ、ホンダが展示しており、多くの人々が群がっていた。ガス関連会社は、太陽電池を利用した電気分解による水素の生成と高圧化による水素ステーションに関する展示を行っており、どう見ても採算が合わないと思われるので、聞いてみると、数千万円出資すると国から2,3億円の補助があり、採算は全く取れないが「フラッグシップ」としてステーションを設置しているという。高圧水素を利用する関係でカーボン繊維を用いた複合材料によるタンクの出展をしている所もあり、関連企業は結構華やかな展示をしていた。燃料電池は無尽蔵の水素を利用した有望技術などといううたい文句で多くの企業が参入しているのだが、もともと水素は資源として採掘されるものでなく、エネルギーを使って無理やり生成するものだから、資源とは言えない。案の定、仮に水素を精製しても高圧水素を生成する段階で莫大な電気を消費する。せっかく再生エネルギーとして太陽電池から電気を取り出しても、その電気を水素圧縮に使ってしまい、最終的に1,2%残る程度という。このことはこの技術に携わっている人々はみな知っていた。国の政策とは言え何ともむなしい。装置の設置費用やメンテナンス費用それに運営にかかわる人々の給料などを考えると赤字どころの騒ぎではないだろう。水素の利用は鉄鋼会社など余剰水素がある企業が、自社のフォークリフトなどで利用するというのがベストである。これについてはすでによく利用されている。とはいうものの、この大展示会に集合している人々はまさに現役のビジネスマンたちで、ナノテク展などに集まってくる人々よりもはるかに生き生きとしており、かつよく勉強している。私自身いくつかのブースを訪問し質問したり他の人が応答するのを見ての実感である。情報集めに立ち寄ったようなタイプの人が極めて少ない。かって工業ガス会社に10年勤務したものとしては、燃料電池を中心にした水素の状況について明るい希望が持てそうもないという感じは、まことに残念ではあった。 
(3月2日Facebook)
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by tikyuu_2006 | 2018-03-03 11:16 | 新しい文明の構想
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