海洋資源大国は「幻

”海洋資源大国は「幻」-質を見ねば国を誤る”
月刊誌FACTAの8月号に、私のインタビュー記事が掲載されました。このタイトルで、見開きの2パージです。資源は質が全て、に共感されたジャーナリストが、逗子の自宅でインタビュー。
ようやく少しずつ理解が進みつつある、正論を繰返す、それが力、と愚直に思っています。
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http://www.facta.co.jp/article/201308030002.html
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# by tikyuu_2006 | 2013-07-21 10:36 | 資源は質がすべて

エネルギー収支比、EPR=EROIとラビット・リミット

エネルギーは質が全て

Consider you are living only off rabbits.
You need to invest energy in hunting.
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http://www.holon.se/folke/kurs/logexp/rabbit.shtml

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# by tikyuu_2006 | 2013-04-25 09:18 | エネルギー、環境

「メタンハイドレートにダマされるな」(その2) 週刊文春

「メタンハイドレートにダマされるな」
初代調査委員長:緊急警告 石井吉徳東大名誉教授週刊文春2013年4月4日

「メタンハイドレートは資源ではありません」
 こう断言するのは、資源開発工学が専門の石井吉徳東京大学名誉教授だ。
 安倍晋三首相は成長戦略の一つにメタンハイドレートを位置づけ、二月の施政方針演説でも触れているが、かつて開発の基礎研究に中心的に携わっていた石井氏は、この安倍政権の方針に真っ向から異を唱える。

 三月十二日、経産省は愛知県沖の深海で実施していた次世代エネルギー資源「メタ
ンハイドレート」の産出試験で、約十二万立方メートルのメタン産出に成功したと発表しました。茂木敏光経産大臣が「思ったより出るね」と会見で発言し、新聞やテレビも「世界初の成功」と大きく報じていますが、ダマされてはいけません。
 アベノミクスの成長戦略を実現するためには大量のエネルギーが必要になります。二年前の原発事故で原子力への不安が高じたこともあり、メタンハイドレートへの期待が高まっているわけですが、メタンハイドレートは決して石油や原子力の替わりにはなりません。二十年程前に資源開発の当事者としてメタンハイドレートに携わった私は、残念ながらそう判断せざるを得ないのです。

 メタンハイドレートとは、メタンガスと水が低温高圧の状態で結びついてメタンの水和物、結晶化し、シャーベット状になった固体です。地表で点火すると燃えるため、「燃える氷」とも呼ばれています。低温高圧の条件を備えた永久凍土地帯や深海の海底面下にあり、日本近海にも大量に存在するとされています。存在自体は古くから海洋地質学者の間で広く知られていましたが、国際的にエネルギー資源としては捉えられてはいませんでした。

 日本で本格的にメタンハイドレートの調査研究が始まったのは九〇年代前半です。当時、通産省の外郭団体のエネルギー総合工学研究所で、メタンハイドレートが資源かどうかを整理するための調査委員会が立ち上がりました。東京ガスや大阪ガス、通産省の地質調査所(当時)、大学教授など、総勢四十人ほどの大きな委員会です。当時の私は、東大工学部資源開発工学科教授としてその調査委員会で委員長を務めました。委員会では「欧米に追従するだけではなく日本独自の調査研究をやろう」という見解でした。その頃、メタンハイドレートの海洋地質学的な研究が最も進んでいたアメリカのウッズホール海洋研究所にも調査団として足を運びました。

年間予算百億円の公共事業

 アメリカの研究者はそれをエネルギー資源とは見ていませんでしたが、メタンの量としては、普通のガス田と比べて地球上にはるかに大量にあることもわかりました。そうした調査を踏まえ、私は通産省に「百億円くらいのお金を使って、実用可能かどうか白黒をつけてもいいのではないか」と考え、調査レポートも提出しました。
 アメリカの研究者が否定的だったのに、私が「ひょっとして」と思ったのは、メタンハイドレートの下部では地温が高くなるため、フリーガスの可能性があると思ったからです。そうであればボーリングして普通のガス田と同じように生産できるかもしれない、その掘削調査などに、100億円程度のかけてもよいと思いました。でも結局そのようなゾーンはなかったようです。固体のままでは、そこからメタンを分離するのに相当のエネルギーが必要になります。「これはダメだな」と思ったのものです。私の中では初期の掘削で白黒はついたのです。
 
ところが、その後もメタンハイドレートの研究は毎年百億円も予算が使われる公共事業と化してしまった。政府機関や関連企業に旨味があったからでしょう。当時は全国で鉱山の閉鎖が相次ぎ、関連会社は不況に喘いでいた。そういう会社、研究者がこれに群がった。残念ながら私の教え子、東大の教員クラスもこれに加わりました。私が反対意見を述べても多勢に無勢でした。
 結局、年間予算百億円程が二十年も続き総額で二千億円規模の税金が使われたようです。日本の公共事業にはブレーキもバックギアが付いていないんですね。これが民間のプロジェクトなら、五年続けて成果がなければ中止するでしょう。
 
そもそもメタンハイドレートは通常の油田やガス田から産出される「在来型」のエネルギー源ではありません。しかもアメリカで話題になっている「非在来型」の「シェールガス」とは違い、これまでに商業生産されたためしがない。メタンハイドレートの商業生産を信じている人たちは、資源やエネルギーの「質」を理解していないのです。資源とは、効率よく採取するために濃縮されていなければならないのです。つまり、資源は「量」ではなくて「質」がすべてなのです。
 
資源かどうかの見極めは、エネルギー収支比を見ればわかります。通常のガス田ならば掘削すればガスが自噴しますが、メタンハイドレートは固体です。まずは固体からメタンガスを遊離しなければならず、そのためには相当のエネルギーが必要になる。入力エネルギーを1とした場合、油田の初期なら100の出力エネルギーがあるのに対し、メタンハイドレートはガス化にエネルギーが必要ですからエネルギー収支比は1以下、経済性がまったくないでしょう。ちなみにシェールガスの出力エネルギーは5程度とされています。

商業化など夢のまた夢

 私はこれまで大学で学生に「資源は量じゃなくて質がすべて」と繰り返し教えてきました。経産省にも、今回の産出試験の事業主体であるJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)にも教え子がいますが、やはり官僚になると官僚の論理になってしまうのでしょうか。
 
JOGMECは、二〇〇八年にカナダの永久凍土地帯で地下の浅い所のメタンハイドレート層からメタンガスを連続的に産出することに成功したとして、まるで連続生産しているかのような映像を流しました。冬の永久凍土地帯ですから浅い層であっても暖めて圧力を下げればメタンガスは出てくる。それをタンクに溜め、やぐらの上から火をつけた。いつでも実用化ができるような映像が流され、それ以来、メタンハイドレートが大きく注目されたという経緯があります。しかし、忘れてならないのは、投入したエネルギーと出力エネルギーの収支比:EPR(Energy Profit Ratio)で評価することです。
 
経産省は二〇一八年度までに商業化に向けた生産技術を確立すると言っています
が不可能でしょう。それは技術開発の問題ではない、あと五年でエネルギー収支比を飛躍的に高めることは出来ません、商業化など夢のまた夢です。地球は有限、資源は質が全て、人は自然の恵みで生かされているのです。

「メタンハイドレートにダマされるな」(その1) 週刊文春記事
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# by tikyuu_2006 | 2013-04-13 14:45 | これからの日本

「メタンハイドレートにダマされるな」(その1) 週刊文春記事

「メタンハイドレートにダマされるな」 週刊文春2013年4月4日号
「メタンハイドレートは資源ではありません」
 こう断言するのは、資源開発工学が専門の石井吉徳東京大学名誉教授だ。 安倍晋三首相は成長戦略の一つにメタンハイドレートを位置づけ、二月の施政方針演説でも触れているが、かつて開発の基礎研究に中心的に携わっていた石井氏は、この安倍政権の方針に真っ向から異を唱える。
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それぞれのページを拡大、
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資源は質が全て、量ではない
After Oil on "National Geographic" 2005 Aug.
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'The Shale Gale Is a Retirement Party'
"So concludes an expert analyst of the natural gas boom. Brace for bust."

Suncor’s Voyageur plant expected to join scrap heap
"If Suncor Energy Inc. mothballs its partly-built Voyageur upgrader, it will contribute to a scrap heap of a dozen-or-so upgraders planned for Alberta over the years but cancelled because of poor expected returns."

「文章です」:「メタンハイドレートにダマされるな」その2)http://oilpeak.exblog.jp/20280892



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# by tikyuu_2006 | 2013-03-29 07:27 | エネルギー、環境

英国)原発:稼働26年・廃炉90年

「原発解体先進国」英、稼働26年・廃炉90年 高線量、作業に壁
毎日新聞 2013年08月19日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/news/20130819ddm001030099000c.html

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 1)世界で最も廃炉作業が進む原子力発電所の一つ、英ウェールズ地方のトロースフィニッド発電所(出力 23・5万キロワット、炭酸ガス冷却炉、2基)の作業現場に入った。1993年の作業開始から20年。責任者は「既に99%の放射性物質を除去した」と説 明するが、施設を完全に解体し終えるまでになお70年の歳月を要する。「想像以上に時間とコストのかかる作業」(作業責任者)を目の当たりにし、日本が今 後、直面する道の険しさを思い知らされた。【グウィネズ(英ウェールズ西部)で小倉孝保、坂井隆之】

 青く輝く人工湖沿いに、原子炉を覆う武骨なコンクリート建屋が2棟並んでいる。作業を担当するマグノックス社の指示に従い、ヘルメットをかぶり、目を保護する特製眼鏡をかけた。2011年3月の東京電力福島第1原発事故以降、日本のメディアがこの廃炉現場に立ち入りを許されたのは初めてだ。

 原子炉建屋に入ると目の前に焦げ茶色の巨大な金属筒があった。稼働中、発電タービンを動かす蒸気を発生させるために使われていたボイラーの一部だという。

 エレベーターで建屋の最上階に上がる。原子炉の真上にあたる巨大なホールのような空間の壁に沿って足場 が組まれ、作業員が慎重な手つきで建屋の上部を取り壊すための準備作業を進めていた。建屋全体の高さを約53メートルから約30メートルまで下げ、廃炉完 了まで長期間、コンクリート壁の安定性を保つのが目的だ。

 65年に運転を開始し、91年に停止した。原子炉の使用済み核燃料(燃料棒)は95年に取り出された が、圧力容器周辺や中間貯蔵施設内の低レベル放射性物質の放射線量は依然高い。このため2026年にいったん作業を中断し、放射線量が下がるのを待って 73年に廃棄物の最終処分など廃炉作業の最終段階に着手する。

 「初期に建設された原発は将来の廃炉を想定して設計されていない。初めて経験することが多く、手探りの作業だ」とベルショー計画部長は語る。

 原子炉建屋に隣接する放射性汚染水浄化装置(長さ33メートル、幅5メートル、高さ6メートル)では除 染作業が行われていた。燃料棒冷却や除染作業で発生した汚染水はすでに抜かれている。別室から遠隔操作する工作機(重量5トン)3機が装置内部の汚染され た壁をゆっくりと削り取っていく。


 被ばくの危険があるため作業員が内部で作業できるのは短時間で、多くは遠隔操作になる。回収された放射性物質は密封され、敷地内の中間貯蔵施設に運び込まれていった。

 廃炉作業には稼働時を上回る約800人が携わる。第1段階だけでも30年以上にわたる作業のため、稼働 停止後、敷地内に新たにレクリエーション施設なども設けられた。作業の中断、再開を経て全施設が撤去されるのは2083年。廃炉には稼働期間(26年間) よりもはるかに長い時間がかかるのが現実だ。

 この発電所は小規模で、稼働中に大きな事故もなく停止後速やかに廃炉作業に移ることができた。それでも廃炉に90年を要し、総費用は約6億ポンド(約900億円)になる。

 フィリップス安全担当部長は、事故の処理も終わっていない福島第1原発の廃炉作業について「ここに比べて作業員が動ける範囲が限定されるため、ロボットを多用することになるだろう。想像できないほど困難な作業になるのは間違いない」と話した。
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2)◇原発「出口戦略」 英国の場合 ◇核のゴミ、最終処分場は「2070年代までに」

 順調に進んでいるように見える英国の廃炉作業だが、課題は山積している。最大の問題は、放射性廃棄物の最終処分先が決まっていないことだ。
 英国は2006年10月に、中・高レベルの放射性廃棄物を地下深くに埋めて最終処分する方針を決定。中 西部カンブリア州の2市が受け入れに前向きな姿勢を示した。だが、州議会が今年1月、観光地である湖水地方への影響を懸念して計画案を否決。最終処分場建 設は白紙に戻った。

 政府は「経済効果を考えれば、他にも協力を申し出るところはたくさんある」として、最終処分開始予定の 2070年代半ばまでに最終処分場開設は可能としている。だが現時点では、廃炉作業がどんなに進んでも処分先が無いのが実情だ。トロースフィニッド発電所 は、施設から回収した中レベルの放射性廃棄物を当面、敷地内で中間貯蔵する予定だが、施設を完全撤去できるかは最終処分場次第となる。

 一方で廃炉のコストは国民に重くのしかかっている。英国政府は発電効率が悪い初期の原発は民営化できないため早期に停止させることを決定。こうした旧型原発については政府が保有し、廃炉費用も政府負担と決めている。政府が負担することになる費用の総額は約590億ポンド(約8兆8500億円)と見込まれているが、さらに膨らむ可能性もある。

 トロースフィニッド発電所の場合も、05年度時点で約3億ポンド(約450億円)と見積もられていた廃炉経費は作業過程でコストがかさみ、12年度の見積もりでは約6億ポンド(約900億円)と7年間で2倍に膨らんだ。稼働中に引き当てられていた積立金は新規原発建設などに回されたため十分でなく、廃炉コストは最終的に税金で穴埋めされる予定だ。

 また、作業現場では廃炉後の作業員の雇用問題も課題になっている。トロースフィニッド発電所の下請け作 業員は地元住民を中心に約500人。同施設の作業員は26年にゼロになるが、地元には再雇用を引き受ける産業がない。廃炉作業を担当するマグノックス社は 昨年から作業員に対する職業訓練や職業あっせんの支援プログラムを開始したが、フィンチェット作業部長は、「地元で新たな働き口を見つけるのは簡単ではな い。次の働き口が見つからないまま作業を続けるのは作業員にとってはつらい」と率直に語った。

 こうした困難な廃炉作業を専任で進めるための政府機関として、英政府は05年に「廃炉庁」を設立。政府が責任を負う19の原子力施設を保有し、廃 炉と最終処分を行う。同庁のシンパー戦略・技術部長は、膨大な廃炉の費用について「発電には一定のリスクとコストが伴う。電気を使っておいて費用は払いた くない、という理屈は成り立たない」と国民の負担は避けられないと指摘する。一方、「福島第1原発の廃炉のためには、専任で取り組む公的機関が必要ではないか。必要なノウハウについては協力したい」と話す。【グウィネズ(英ウェールズ西部)で小倉孝保、坂井隆之】

 ◇トロースフィニッド原発の廃炉までの行程

1965年 運転開始

1991年 運転停止

1993年 廃炉作業開始

1995年 燃料棒取り出し

2005年 英政府が廃炉庁設立

2006年 放射性廃棄物最終処分方針決定

2013年 最終処分場計画を地元議会が否決

2026年 廃炉作業中断 放射線量低下を待つ

2073年 廃炉作業再開 放射性廃棄物を最終処分

2083年 全施設撤去、廃炉作業完了

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 ◇日本「廃炉ラッシュ」現実味 国内全基なら推計3兆円

 事故を起こした東京電力福島第1原発1~4号機を除けば、国内の商用原発で廃炉作業が実施されているのは、日本原子力発電東海原発(出力16・6万キロワット、炭酸ガス冷却炉)と中部電力浜岡原発1号機(54万キロワット、沸騰水型)、同原発2号機(84万キロワット、同)の計3基にとどまる。

 日本原電は、東海の廃炉費用を計885億円と見込み、2020年度までに終了させる予定。中部電は浜岡1、2号機の2基で841億円かかると想定し、36年度までに終える計画だ。

 しかし、今年7月、福島事故のような過酷事故への備えを強化するための規制基準と、運転期間を原則40年とする「40年運転制限制」が同時施行され、老朽原発を中心に「廃炉ラッシュ」が現実味を帯びてきた。

 規制基準では、既設原発にも最新の安全対策を義務付ける制度が盛り込まれ、古い原発ほど、大規模な改修が必要になる可能性が高い。国内50基のうち、運転期間が30年超の原発は約3割の17基。電力会社はリニューアルか廃炉かの経営判断を迫られる。

 しかし、廃炉には莫大(ばくだい)なコストがかかる。経済産業省は2007年、安全に冷温停止した原発(110万キロワット級)の廃炉費用について、福島原発と同じ沸騰水型なら1基659億円、西日本に多い加圧水型なら597億円と試算。全原発を廃炉にすれば、3兆円かかると推計した。経産省は現在、規制基準などの施行に伴う「廃炉ラッシュ」を見据え、廃炉費用を電気料金で回収できる制度改正の検討を進めている。

 一方、福島1~4号機の廃炉費用は「青天井」になっている。東電は4基の廃炉処理にこれまでに9579億円を投じたが、放射性汚染水問題については収束のめどが立たないうえ、溶けた燃料の回収・保管には新たな研究開発費用が必要となる。

 このため、政府は東電を含む17の原子力事業者で作る「国際廃炉研究開発機構」を今月発足させ、「最長40年」に及ぶ廃炉期間の短縮を目指している。機構理事長に就任した山名元(はじむ)・京都大原子炉実験所教授は1日の記者会見で、「スリーマイル島原発事故やチェルノブイリ原発事故のほか、廃炉の経験が豊かな英国の技術を学ばずして、我々は福島の廃炉に立ち向かっていけない」と強調。英国など海外の研究組織との連携を強化する考えを示した。【中西拓司】

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 ◇廃炉が決まった原発の基数

(1)米国   32基(1334万キロワット)

(2)英国   29基 (422万キロワット)

(3)ドイツ  27基(1430万キロワット)

(4)フランス 12基 (378万キロワット)

(5)日本    9基 (433万キロワット)

(6)カナダ   6基 (214万キロワット)

(7)ロシア   5基  (78万キロワット)

(8)ウクライナ 4基 (351万キロワット)

(8)ブルガリア 4基 (163万キロワット)

(8)イタリア  4基 (142万キロワット)

 ※国際原子力機関(IAEA)調べ(7月現在)。かっこ内は総出力。日本の9基は、商用原発以外の動力試験炉JPDRと新型転換炉ふげんを含む
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毎日新聞より引用(2017年3月)







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# by tikyuu_2006 | 2013-03-19 11:26 | エネルギー、環境

日本人が日本列島で生きる道

1)エネルギー問題、その本質
先ずエネルギーの質、EPR=EROI=EROEIの理解、

シェール革命などと浮かれないこと、
先ずご覧を、
シェールガス開発と環境汚染、水道の蛇口が燃える
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そして、
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次図は、石油資源量と回収コスト。IEAによる「世界エネルギー見通し2008」から、
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上の2図は共にTullet Prebon:2013, 「perfect storm: energy, finance and the end of growth」

2)外資に食い荒らされる日本の国土
過疎化する地方、周辺の島々、外国人が安く土地を買える、しかも強固な日本の土地所有権、そして森林などの登記、地図はあいまい、世界の国々では外国人は土地は買えない。 外資買収に見る、日本の甘過ぎる土地制度

そこで、東京財団の政策提言など、
失われる国土~グローバル時代にふさわしい 「土地・水・森」の制度改革を~
空洞化・不明化が進む国土にふさわしい強靭化対策を〜失われる国土
外資買収に見る、日本の甘過ぎる土地制度

3)日本人は日本列島でどう生きるか
当たり前ですが、日本人存在の究極的な拠点とは日本列島です。
http://www.mottainaisociety.org/index.html
http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/
社会イノベーション」としての「日本のプランB」

●エネルギーで決まる文明のかたち
●地球は有限、加工貿易立国型の終焉
●もう自分で考えよう日本人、社会、国家
●地震大国で原発大国、安全神話で3.11
●海岸線長100m以上の島が6,852の列島
●日本も森、大地を奪われてはならない
●最後は食料、海外依存より自給率向上
●立体農業で1億4000万人が生存可(賀川豊彦)

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# by tikyuu_2006 | 2013-02-22 13:23 | これからの日本

著名な経済学者から学んだこと

世界システムが崩壊している、経済不況が深刻である、格差が拡大、世界でテロが増大しつつある
と思っている。 その原点で著名な経済、社会学者はどう対応しているのか。 それを学ぶため読んだ書、先ず順不同に列記する。

1)クオリティ国家という戦略 大前研一2013 小学館

2)資本主義以後の世界ー日本は「文明の転機」を主導できるか 中谷巌(2012、徳間書店)

3)フリーフォールーグローバル経済はどこまで落ちるのか ジョゼフ・E・スティグリッツ2010(日本訳 楡井他2010徳間書店)

結論から述べる、どれも資本主義否定だった。人の信頼感、絆が重要、というものだった。
その詳細はそれぞれの本をご覧頂くしかないが、それぞれの「最初と最後の章」のタイトルを、この順で記する、

1)序章 「中途半端な国」になってしまった日本
  第6章 (進むべき道) 日本新生への新たなビジョン、「クオリティ国家」戦略

2)第1章 資本主義はやはり「自壊した」のか
  第8章 日本は「文明の転換」を主導できるか


3)序 大不況の震源となったアメリカ型資本主義
  第10章 新しい社会に向かって


となっている。
ここで感想だが、資源の有限性に触れているスティグリッツは、GDPという経済的な「物差し」の問題、矛盾をかなり突っ込んで論じている。しかし、総じて「地球は有限、資源は質が全て」、エネルギー収支比:EPRの視点を欠いている、残念なことであった。 
私の主張は 「社会イノベーション」としての「日本のプランB」である。
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# by tikyuu_2006 | 2013-02-13 13:10 | これからの日本

虚構の環:第1部・再処理撤退阻む壁/6

虚構の環:第1部・再処理撤退阻む壁/6 上層部「維持」で意思統一
毎日新聞 2013年02月08日 東京朝刊

経産省「撤退派」を次々更迭
 04年6月、原子力政策決定の鍵を握る経済産業省資源エネルギー庁の電力・ガス事業部長と原子力政策課長が交代した。新任の安達健祐(けんゆう)部長(現経産事務次官)と柳瀬唯夫課長(現首相秘書官)らはすぐに青森県に飛んだ。柳瀬課長が回想する。

 「三村申吾(しんご)知事、古川健治六ケ所村長と会った。2人とも『あなたたち(国)、何をやっているんですか。東京の人が無責任に振り回さないでほしい』と言った。怒っているというより困っている感じだった」
 六ケ所村は全国の原発から使用済み核燃料を受け入れている。なぜか。それは、再処理工場でウランとプルトニウムを取り出して再利用する核燃サイクル事業のためだ。ところが当時、さまざまなマスコミが「国が核燃サイクル見直しへ」と報じ、地元は不信感を募らせていた。柳瀬氏は「会談後、撤退するにせよ、維持するにせよ、はっきり決めなければならないと感じた」という。

 同月、電力側に再処理からの撤退を持ちかけていた村田成二・経産事務次官が退任。すると翌月以降、水面下で動いていた経産省職員数人が次々異動した。エネ庁職員が解説する。「当時、新体制になり上層部は『サイクル維持』で意思統一した。そして撤退派を更迭した」。粛清の嵐が吹いた。
 同11月、内閣府原子力委員会の「策定会議」が核燃サイクル維持を基本方針とする中間報告をまとめた。翌月には再処理工場で、初めて放射性物質(ウラン)を使った試験が始まる。「ついに施設が汚れた。廃炉費用が約1・2兆円増え、撤退はさらに難しくなった」。更迭された職員は無力感に包まれた。
     ◇
 「再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合、(工場を経営する)日本原燃は使用済み核燃料の施設外への搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずる」。98年、日本原燃、青森県、六ケ所村が締結した覚書だ。国も電力もこの文書に基づき「再処理から撤退→工場に貯蔵中の使用済み核燃料が各原発に送り返される→収容しきれなくなり全原発が即時停止」というシナリオを最も恐れる。
 現職のエネ庁課長級職員が取材に答えた。「核燃サイクルは恐らく完成しない。早く撤退した方がいいと思う。でも実際の政策となると無理」。電力会社首脳も「『サイクルをやるべきだ』とは思わない。しかし仕方がない」と言う。
 04年、核燃サイクルの問題点と撤退に向けた方策をまとめた経産省職員のメモが残っている。「国民的コストが大で安全性に関する懸念が強い。反原発派のみならず原子力推進論者の中にも批判がある」としたうえで「民間任せの使用済み核燃料の取り扱いについて国の責任を明確にし、立地自治体に対し血みどろになって説明、撤退への了解を獲得する」と書かれている。


 問題点は今も重なる。だが今、撤退に向け奔走する人物はいない。=おわり(肩書は当時)
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# by tikyuu_2006 | 2013-02-08 08:36 | エネルギー、環境

虚構の環(サイクル) 第1部-5

虚構の環:第1部・再処理撤退阻む壁/5 「撤退」唱える共同研究
毎日新聞 2013年02月07日 東京朝刊

電力業界異論で連載中止

 使用済み核燃料を再処理し、ウランとプルトニウムを取り出して再利用する核燃サイクルを維持するのか、見直すべきか。03〜04年、研究者の世界でもせめぎ合いがあった。
 「どうする日本の原子力」と題した連載が03年8月、業界誌「原子力eye」9月号に載った。書いたのは山地憲治東大教授(現名誉教授)や電力各社の寄付で作る「電力中央研究所」に所属する鈴木達治郎上席研究員ら「原子力未来研究会」のメンバー。記事は「巨額のコスト」を理由に「青森県六ケ所村の再処理工場は経営的に破綻している。核燃サイクル確立という国策の堅持は閉塞(へいそく)感を強め、原子力の未来を危機に陥れる。国策を変えるべきだ」と主張していた。
 10月号では「出口なき前進ではなく撤退を」と訴える予定で、既に原稿もできあがっていた。ところが8月15日、山地教授は出版元の編集主幹から「どうにもなりません」と連載中止の連絡を受けた。編集主幹の上司が取材に答えた。「電力業界から『(購読や広告出稿によって)この雑誌に金を出しているのに何だ。この記事はおかしいじゃないか』と批判が出た。頭にきたが仕方がなかった」
 同じころ、経済産業省OBの一人はある電力会社の首脳が「あいつら(山地、鈴木両氏)はもう原子力の、電力の世界から全部消す」と話しているのを聞いた。OBは「研究をやめさせるから『消す』のはやめてくれ、と裏で走り回った」と言う。
     ◇
 しかし、水面下で研究は続いた。山地、鈴木の両氏に、佐藤太英(もとひで)電中研理事長、電力各社の役員が理事に名前を連ねるシンクタンク「日本エネルギー経済研究所」の内藤正久理事長(現顧問)、田中知(さとる)(前日本原子力学会会長)、八田達夫(現学習院大特別客員教授)の両東大教授らが加わり、03年12月に極秘の研究会が発足した。04年1月に合宿をした後に各自研究を進め、同5月には報告書をまとめた。
 「核燃サイクルを維持すると、コスト高で電気料金が上がり産業界が反発」「再処理工場を一定期間動かした後にストップすると(六ケ所村など)自治体が反発」「工場を稼働させず直接処分を可能にすると、青森県が使用済み核燃料の受け入れを拒否し、電力が原発から撤退する」など、大別して3パターンの予想をした。どの政策にも一長一短があるという当たり前とも言える分析だった。
 ところが報告書の内容を知った東京電力幹部は「『六ケ所をやめる』というパターンが含まれているのはまずい」と公表しないよう求めた。経緯を知る関係者は「電中研もエネ研も電力の金なしでは成り立たない。だからあきらめた」と語る。研究会は解散し、報告書は闇に葬られた。
 佐藤、内藤の両理事長と山地教授は取材に対し圧力を否定。田中、八田の両教授は「経緯は知らない」と答えた。現在、原子力委員長代理を務める鈴木氏は「コメントする立場にない」と話した。=つづく(肩書は当時)
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# by tikyuu_2006 | 2013-02-07 11:37 | エネルギー、環境

IEAの石油供給楽観論と、EPRで見た世界のNet energy

エネルギー国際機関、IEAは楽観論で知られていますが、それに関する警告、そして世界のエネルギー供給可能性をEPRで整理した正味エネルギー、Net energy分析です。
The IEA forecast for the future of petroleum are not only too optimistic, but also wrong because they are based on summing volumes of fuels which have different output and energy costs of extraction.
Here you find the correct analysis, much less reassuring
http://cassandralegacy.blogspot.co.uk/2013/01/what-future-for-petroleum.html
http://www.resilience.org/stories/2013-01-03/what-future-for-petroleum
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そして、より現実的な分析
A more realistic future scenario is the following: Marco Pagani 2013
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# by tikyuu_2006 | 2013-01-05 23:32 | 石油ピークとは

「地産地消は古くて新しい経済の大原則」

滋賀県、新江州(株)取締役会長、滋賀経済同友会特別幹事、森健司さん、MOH通信37号・巻頭言
 
 「私はグローバル化に反対論である。 常に世界中でもっとも廉価な商品を求めて、それを国内産と競争させ輸入することが、わが国にとって(国民にとって)よいことだろうか。商品が生産されるためには、原料段階から、商品の製造、完成品化、流通と幾つかの工程があるが、不可避の事情はあるとにしても、少なくとも食品、衣類、住居等、生活必需品は昔から言われているように、最寄品である。決して買回り品ではない。
 最寄品ということは今の言葉でいえば「地産地消」ということだ。生活をする以上無くてはならない、無くては生きていけないモノが生活必需品なのだから、それを輸入に頼ってはいけない。国際紛争や、自然災害の様なことで輸入が滞ったとき、どうすれば良いのか。少なくとも行政も生産者も消費者も、挙げて「地産地消」を守り育てていく努力が必要なのだ。
 消費者は価格が安いからといって外国産に飛びついてはいけない。家族が繊維関係に携わっているにも拘らず、消費する衣類は安い中国産を買っているということはないだろうか。家族の就労の機会を妨げないためにも、消費者はわが国の産業を空洞化させる原因をつくってはいけない。その生命線は自分が握っていることを、消費者は常に自覚して行動すべきなのだ。 
 大企業はグローバルに生きる以外に生き残りの道は無いのかもしれないが、地元の中小企業まで海外に移転しなければならないような経済環境にしてしまうことは、取り返しのつかない重大なミスティクである。
 特に問題は農産物である。農業は自然の中でしか生産出来ないから、地形、気象、土壌、水利等自然環境によって、生産品に価格、品質ともに大きな差がでることは避けられない。
 わが国の農産物が地形からして大型機械による大量生産には不向きで、コスト的には不利である。しかし、その他の自然環境や人的努力によって品質の良さにおいては、諸外国のレベルを超えていることは間違いない。
 現代は経済思考に発する価値観で、遠隔地からの輸送に関わるエネルギー等を無視しても、店頭の価格のみを対象にして動いているようである。
 供給者(造り手)の顔が見えて、消費者と一体になった経済が生まれて、地域の繁栄が約束される。消費者は生産者が製造に心をこめた思いを大切にし、満足すればご近所に口コミで宣伝活動に一役かって出る。双方が感謝しつつ商いが出来てこそ、長い取引が続くのだ。」 

「ポスト3・11時代」、素晴らしいです、もったいない学会の思想にも通じます
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# by tikyuu_2006 | 2012-11-22 04:51 | これからの日本

地球温暖化と地球の科学

地球物理学者、小川克郎博士による図です。先ずは、先入観なしにご覧を、そしてじっくり、お考えください。 
尚、本研究成果は2012年、日本地球惑星科学連合学会(大気海洋・環境科学領域)で発表された由。
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二酸化炭素(C)は単調増加していますが、気温(T)は大きく増減します、これは太陽活動(S)と相関が大きいようです。

そしてご参考に、
1)http://oilpeak.exblog.jp/18328015/
そしてアラスカ大学、赤祖父俊一名誉教授による見解です、
2)http://oilpeak.exblog.jp/8177019/
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# by tikyuu_2006 | 2012-10-08 16:31 | エネルギー、環境

立体農業  “人間の後には沙漠あり” 

立体農業 庭しんぶん・庭プレス社2009年10月号社説

“人間の後には沙漠あり”  『Tree Crops: A Permanent  Agriculture』という本がある。
アメリカ合衆国の農学者ジョン・ラッセル・スミス(John Russell Smith)が1929年に書い たものだ。この中で彼は、山間部や丘陵地帯などの傾斜地での鋤耕(じょこう)農業を鋭く批判する。

森林を伐採し農地を拓く。鋤で耕し、穀物を作る。しかし こうして裸にされ、耕された土は徐々に雨に流され、風で吹き飛ばされる。“土壌流失”と呼ばれる現象である。その結果やがてそこは表土を失い不毛の地と化 す。中国で、シリアやギリシャで、そしてグアテマラで、人類の農耕による土壌破壊は世界中で引き起こされてきた、と著者は述べる。
 この本が出版された当時、合衆国でも土壌流失は深刻だっ た。ヨーロッパで栽培される穀物(コムギ、オオムギ、エンバク、ライムギなど)は地面を覆って、その根は土壌をしっかり抑える。しかし合衆国で栽培される トウモロコシ、ワタ、タバコなどの作物の根は、土を捕捉する力が弱く、起伏のある農地で栽培すると、土壌流失が起こる。
 「最近インデアンの手からー彼等は地力を破壊しなかったー無理矢理に奪取したあの新開拓地中の新開拓地なるオクラホマ州ですら百萬哩の峡谷を持ち(引用者・注1)、茫漠たる沃野が、荒廃に帰して放棄せられた」。
 1930年代、合衆国中西部の農業地帯は“ダストボウル (dust bowl)”の時代を迎える。日照りにより乾燥しきった土は強風に舞い上がり、巨大な土煙となってはるか大西洋まで吹き飛ばされていった。表 土を失い痩せ地と化す農地。農民たちはそこを棄て、遠隔の地への移住を強いられる。カリフォルニアを目指すオクラホマの移住者たちの苦難の旅は、ジョン・ スタインベックの小説「怒りの葡萄」(1939年)でリアルに描かれている。
 スミスは言う。「田園流失、殊にアメリカに於いては、そ れが凡ゆる荒廃の原因の中で最大のものである。それは文明の根底を揺るがし、生命そのものの基礎を危くする。・・・流失してしまった田園は永久に帰ってこ ない。さればこそ旧大陸では“人間の後には沙漠あり(引用者・注2)”という諺がある。然らば之に対して何等かの講ずべき手段があるのであろうか?」。
 こうして著者が提案するのが、傾斜地における鋤耕農業の廃止と、tree crops(樹木作物)、特に穀樹を栽培する“樹木農業”の振興である。穀樹とは、クリ、カシ、クルミ、ペカンなど堅果を着ける樹木をいう。
 「丘陵地帯で食糧生産の自然的機関となるものは、小麦そ の他の草類ではなくて、実は樹木であることがわかるであろう。一本の樫の木はよく百ポンド乃至一トンの団栗(立派な炭水化物食品である)を生産する。或る 種の胡桃(Hyckory)やペカン(Pecan)は樽で量るほどの堅果を供給する。胡桃は二石からの果を産出する。又家畜の飼料としてもっとも適当な豆 を実らす樹(引用者・注3)がある。この豆を飼料として用ふれば、今日のまぐさを使用するよりも遥かに、一エーカー当たりの肉若しくはミルクの産出量が増 収されるであろう」。
 彼によると、樹木農業の優れた点は以下のようである。

 ① 穀樹の産する堅果は穀物と比較して、食糧あるいは飼料として栄養的に遜色なく、またはそれを凌ぐ
 ② 堅果の収穫量は高い
 ③ 鋤耕の必要がなく、土壌流失の心配がない
 ④ 急な勾配、岩石が多いなど穀類などの耕作に不適当な場所に適合している
 ⑤ 穀物、牧草、馬鈴薯などを台無しにしてしまう程の旱魃でも、さして害がでない
 ⑥ 接木や芽接の方法で、優良な性質を持った個体を簡単に増殖させうる

 著者はさらに“二階農業”を提案する。二階農業とは、樹 木の下に一年生作物を植え付けることである。このことで一階農業から得られるよりもはるかに大きな収穫が得られる。この種の農業は既に地中海方面では実際 に行われていると、著者はスペイン・マジョルカ島の例を紹介している。
 この島の耕地の90%は樹木の下に一年生作物を植え付け ている。例えば、イチジクの樹の下で、コムギ、クローバー、ヒヨコマメなどが規則正しく輪作されている。クローバーは二年間作付けられ、二年目にヒツジが 放牧される。コムギもイチジクも最大限の収穫は得られないが、双方とも75%程の収穫があり、併せて百五十%の成績が挙げられる。
 さらにスペインやポルトガルのある地方の様子を以下のように描写する。
 「畑の中に何処でも冬青樹(引用者・注4)が芽を出す と、大切にしてそのまま其処に成長させる。その木の周囲や下には、小麦と豆、大麦と牧草等が、之も機械の力を借りずに、自然のまま播付けてある。此の木と 草との合作は実に美しい公園のやうな光景を現出している。穀物を作ることが樫樹をして団栗を多量に実らせる結果を生じ、また穀物を収穫した跡へは豚が代り に入れられて団栗を拾ひ集める」。

“乳と蜜の流れる郷”

 この著作は1933年、『立体農業の研究』として翻訳出版された(恒星社発行)。翻訳者は賀川豊彦・内山俊雄である(上記の引用はこの翻訳書から)。賀川(注5)はこの本の冒頭に「序論 日本における立体農業」を寄せている。
 「高層建築は上に上に伸び上り、街路はコンクリートによ つて舗装せられ、車の轍にはゴムが捲かれ、凡ての食物は、その原形を損ねて食膳に供せられ、自然が与えてくれる凡ての美観と、土が保障してくれる安住の聖 地は、文明生活から奪ひ去られんとしている。都会には失業者が満ち溢れ、土を見捨てた者に刑罰が酬いて来ている。山林は荒れ、荒野は放擲され、徒らに盛場 に浮浪者が群がる。私が文明に対して攻撃したいのは全くこの点にある」。
 賀川は都市の巨大化に反対し、「私は森林と、畑と、果樹 園を小都市の傍らに並べておきたい。出来ることなら、小都会をも田園都市の形において設計したい」と述べる。そしてさらに疲弊した山間の農村部では、ラッ セル・スミスが提案する“立体農業”こそ実践されなければならないと主張する。彼は日本の林野面積が2289万町歩(昭和2年)にも上ることを指摘し、 「日本の面積はけして狭くはない。ただ山を有用に食糧資源にしようとしていないことが我々の誤謬である。我々の理想は木材と食糧と、衣服の原料が、三つと も山からとれるようにすることである」と述べる。
 聖書の「創世記」。エデンの園。蛇に誘惑されたイヴはそ こに生える禁断の“知恵の樹”の実を食べてしまう。神の怒りに触れたアダムとイヴは楽園を追われ、永遠に“生命の樹”から隔離される。こうして平面を這う ばかりの蛇が教えた“平面農業”が、追放された人類の文明を支えるものとなる。それ以降人間は樹を次々と切り倒し農地とし、やがてそこは砂漠化した。
 「今日バビロンの平野は、一面の大沙漠である。然し何千年か昔、そこが蜜と乳の流るる大森林で蔽われていたことは、世界の学者の意見が一致している。そしてこの大森林を沙漠に換えてしまつたのは、蛇が女に教えた農業の結果である」。
 キリスト者であった賀川の主張は、“生命の樹”の再生、すなわち“立体農業”の確立だった。
 賀川は全国を歩くうちに、日本列島の先住民族(縄文人)がドングリやトチの実を主要食物としていたこと、そして今もなおその風習がよく保存されている地方があることを知る。
 「ところが、この貴い栃の木を、最近はどしどし伐り払っ て、百年から二百年の木を一本八円位に売り払つていることを聞いて、私は全く悲しくなつてしまつたのである。・・・然し、どうせ山奥の他の木をあまり育て ることが出来ない所であれば、さういう大きな木を四五本持つて居れば、一年中それだけで食へる訳である。・・・山はそれで人間の食糧資源となり、洪水は少 なくなり、美観は増し、人間の安息所がそこに得られる訳である」。
 賀川のいう“立体農業”は単なる樹木農業ではない。より総合的、複合的な農業経営を意味する。
 「然し立体農業は、立体的作物だけを意味しない。地面を 立体的に使はうという野心が含まれている。我々は、樹木作物の間に蜂を飼ひ、豚を飼ひ、山羊を飼ふことは容易であり、その傍らを流れる小川に鯉を飼ふこと はさう困難ではないと思つている。その他、土地を有効に、多角的にまた立体的に組合わせて日本の土地を利用すれば、今まで棄ててあつた日本の原野が充分に 生き返ると私は思つている」。
 この本が翻訳されたのは1930年(昭和5年)に始まる 農村恐慌の只中だった。この時、日本農業の二大商品だった米と繭の価格は急落、一方現金収入を求めて都市に出稼ぎしていた多くの農民は失業し帰農せざるを えなくなった。さらに31年、34年の二度にわたる東北の冷害が追い討ちをかけた。農村は貧窮の淵に喘いでいたのである。賀川は『立体農業の研究』と同時 期に(1935年)出版した小説『乳と蜜の流れる郷』(復刻版・家の光協会・2009年)の中で、稲作と養蚕へのこだわりが強い当時の山村農業を克服し、 より“立体的な”農業経営をめざす農民たちの姿を描いている。
 東京の「武蔵野農民福音学校」(注6)をクルミの苗を求めて訪ねた主人公の農村青年に、そこの教師(賀川の分身であろう)は次のように語りかける。
 「ぜひあなたが、疲弊した農村を救おうと思っていらっ しゃるなら、ヤギをお飼いなさいよ。接ぎ木したクルミでも、まだ四、五年は待たなくちゃならんですからね。それまで食いつなぐにはヤギを飼うのがいちばん いいですよ。どんなに大きな飢饉があっても、野山には雑草が無いっていうことは、めったにありませんし、山の木の葉がついていないということは、まあ ちょっとないですからね。困っている農村にヤギがたくさんおれば、飢饉がきても絶対に大丈夫ですよ」。
 やがて主人公の青年たちは、桑畑にクルミを植え、山で拾ったドングリをニワトリやブタの餌にし、川でコイを飼い、林の中でヤギやミツバチを飼い、シイタケを養殖し始める。

“鶏で日給、豚で月給、椎茸と栗で年俸、山林で養老年金” 
           
 賀川の提案する立体農業を実践し、その体系化を試みた農 民の一人に久宗 壮がいる(私の義父)。久宗は1907年、岡山県久米町に生まれた(注7)。地元の農学校を卒業後、(財)大原奨農会農業研究所(岡山大学資源生物科学研究所の前身) 所長の近藤万太郎(種子学)の助手を5年間務める。そんな久宗が岡山県津山での賀川の伝道説教を聞いたのは、1930年5月のことだった。貧しい山村に生 まれ、若くして弟が肺結核を患い、貧乏のドン底につきおとされていた久宗は、「不幸に打ち克つことが人生最大の幸福である」と説く賀川に大いに励まされ る。賀川は、久宗の面会に快く応じ、立体農業の研究を勧める。この時以来久宗は故郷で農業に従事しながら、1985年に没するまで立体農業の研究に没頭す る。
 1950年、それまでの実践の成果を踏まえて、久宗は『日本再建と立体農業』(日本文教出版)を出版した。
 終戦直後、農村では「通貨膨張」と「食糧不足」により “百姓成金”が各地に出る程だった。しかし久宗はこの好況は一時的なもので、早晩不況に暗転するだろうと予測する。それは安い外国産農産物の輸入がまもな く本格化するに違いないと考えられるからだ。その備えとして彼は、農家が“拝金主義”から脱却し、自給経済に立脚した農業経営を確立しなければならないと して、こう述べる。
 「そうなればこそ、私は立体農業の確立こそ、明日の農村再建にもつとも大きな使命をもち、やがて農村の安定と高い生産文化をもたらし、日本再建への明るい途に通ずるものであることを確信する」。
 この著作の前半では、日本の農村が窮乏化する原因が分析される。
 彼が挙げる日本の農村が窮乏化する自然的災厄、人間的災厄は以下のようである。

・自然的災厄
  山岳農業の不振/耕地の狭小/人口過剰/周期的天災
・人間的災厄
  無畜農業/米麦一辺倒農業/交換経済中心の経営/若い農民が夢をもてない/農村の封建性/農民の迷信好き/土地の利用度が低い/共同心の欠乏/農民教育の貧困/無知と研究心の欠如/食生活の誤り

 これらの「災厄」を克服するものとして、立体農業が提唱される。
 「立体農業は単なる山岳農業ではない。多角形農業でもも ちろん無い。粗放的な略奪農業では断じてない。またいわゆる樹木農業でもないことは明らかである。立体農業はそれらを一切ひつくるめて、あらゆる山野、傾 斜地、空地、廃地、未開拓地を乳と蜜の流れる理想郷とする理想農業である。愛土農業である。」
 彼は“稼ぐ農業”から“食える農業”の転換を目指す。それは“鶏で日給、豚で月給、椎茸と栗で年俸、山林で養老年金”というように、山村の立地を最大限に活用した「有畜複合立体農業」であった。
 
そして新しい“飢饉”の時代へ 
              
 賀川や久宗は繰り返し、飢饉の恐ろしさを警告した。しか し久宗の著作が出てまもなくの50年代半ば、日本の農業は米の完全自給を達成した。冷害も克服されつつあった。耐冷性品種の開発、保温折衷苗代の普及、水 管理の合理化・・・。これらはあの“百花繚乱”の時代の官民一体となった研究の成果であった。
 そして21世紀初頭の今。まもなく新しい、そして深刻な “飢饉”がやってくる。“輸入食糧ゼロの日”の到来である。それは“百花繚乱”の時代を圧殺した日本の農業がいつか直面しなければならない宿命であろう。 終戦直後、久宗は輸入食糧の出現に強い危機意識をもった。しかし歴史は反転したのだ。まもなく立体農業の真価があらためて明らかになる日がやってくるに違 いない。
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# by tikyuu_2006 | 2012-08-06 21:39 | 日本のPLAN-B

私は戦争・原爆の非人道性を忘れない:弟の死骸を背負い、焼き場で待つ少年

先ずこの写真から、
「日本人が知らないニッポン」 -隠されてきた歴史から読み解く世界の成り立ち-
http://www.thinker-japan.com/thinkwar.html
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長崎原爆、戦慄の写真です。マネーが全ての現代日本人、この少年の思いを想像出来ますか? 以前NHKTV 「解かれた封印」、写真が語る20世紀…目撃者 2007年8月18日亡くなった元米軍カメラマン、J. オダネルによる、長崎原爆の直後を語る、戦慄の文と写真です。
当時私は開成中学(現開成学園)一年生、見渡す限り焼夷弾の突き刺さった焼け野原、空襲に怯える毎日でした。

オダネル:佐世保から長崎に入った私は、小高い丘の上から下を眺めていました。…10才くらいの少年が歩いてくるのが目に留まりました。おんぶ紐をたすきにかけて、幼子を背中に背負っています。…しかし、この少年の様子は、はっきりと違っています。重大な目的を持ってこの焼き場にやって来たという強い意志が感じられました。しかも彼は裸足です。少年は焼き場の渕まで来ると、硬い表情で目を凝らして立ち尽くしています。…少年は焼き場の渕に、5分か10分も立っていたでしょうか。白いマスクをした男達がおもむろに近づき、ゆっくりとおんぶ紐を解き始めました。

この時私は、背中の幼子が既に死んでいる事に初めて気づいたのです。男達は幼子の手と足を持つとゆっくりと葬るように、焼き場の熱い灰の上に横たえました。まず幼い肉体が火に溶けるジューという音がしました。それから眩いほどの炎がさっと舞い上がりました。真っ赤な夕日のような炎は、直立不動の少年のまだあどけない頬を赤く照らしました。その時です、炎を食い入るように見つめる少年の唇に血が滲んでいるのに気がついたのは。少年があまりにきつく噛みしめている為、唇の血は流れることなく、ただ少年の下唇に赤くにじんでいました。夕日のような炎が静まると、少年はくるりと踵(きびす)を返し、沈黙のまま焼き場を去っていきました。背筋が凍るような光景でした。
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2007年8月18日亡くなったジョー・オダネル(Joe O'Donnell)<占領軍として原爆投下後の長崎に入り、その破壊力を 記録するため写真を撮影する一方で、軍に隠れ内密に自分のカメラでおよそ300 枚の 写真を記録した。帰国後、被爆者の記憶に悩まされ、悲劇を忘れ去ろうと全てのネガを 自宅屋根裏部屋のトランクの中に閉じこめ、43年間封印してしまう。しかし晩年になって 原爆の悲劇を訴え母国アメリカの告発に踏み切っていく。 だが、原爆投下を信じる周囲から 非難の声を浴びながら、85歳の生涯を閉じた、とのことです。

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そして1945年、広島原爆投下の朝日新聞記事、8月8日付です。この一面を私は今でも記憶しています。
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下記は、長崎原爆投下後の浦上天主堂周辺です。
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(2012年8月12日 石井吉徳記)

この少年の写真は、J. オダネルにより、「トランクの中の日本人-米従軍カメラマンの非公式記録」1955年小学館に含まれています。そのタイトル、「少年は気を付けの姿勢で、じっと前を見つづけた」とあります。(2013年8月7日記)
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# by tikyuu_2006 | 2012-08-02 17:21 | 新しい文明の構想

経済学とは何か

特集:「2030年の日本経済」(中央公論2011年8月号)、
堂目卓生大阪大学教授、「日本の復興と未来:アダム・スミスの総合知に学ぶ」より

・・・・本来、「経済:Economy」とは「生活圏:Eco」に関する「法:Nomos」のことであり、生活圏を守るために無駄なく資源を配分する法則を意味する。生活圏を「人類全体の生活圏」、資源を「自然資源と人間労働」と考えれば、経済とは「人類全体の生活圏を守るための、無駄のない自然資源と人間労働の配分法則」ということになる。

さらに経済成長とは、異時空間における無駄のない資源配分によって、生活圏が、より安全で快適なものになることを意味する。

原発事故によって広大な地域の生活圏が脅かされ、膨大な量の自然資源と人間労働が投入されている現在の状況を見れば、原発事故は、私たちが効率を求めてきたせいで起こったのでなく、むしろそれを真剣に求めてこなかったせいで生じたといえる。

今後は人類の生活圏にとって真の効率とは何かが追求されるべきであり、経済成長の中身が問われるべきである。国内総生産GDPが増大することは、雇用を増大する点で望ましい。 しかし、増大したGDPの中身は何なのか、それは本当に私たちの「心の平静」の基盤である生活圏を守ることに役立っているのか、見えないところで将来高くつく危険を冒していないのか。これらの問題が、社会構成員全員によって、これまでより厳しく問われなければならない。・・・・

地球科学者である私の、腑に落ちる言葉でした。
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# by tikyuu_2006 | 2012-07-21 02:19 | 新しい文明の構想

世界経済恐慌は来るか:「虚から実への回帰」、石油ピーク論の元祖、K.Hubbertの警告

アメリカのマネー工学の世界、労せずして儲ける「虚業の構造」が崩壊しつつある。75兆円という救済策をアメリカ下院は否決、株は777ドルの暴落となった。ヨーロッパでも大変である。
世界恐慌が目前に迫ったのでは、と危惧される昨今、これを「虚から実への回帰」ととらえ、日本は適切な回避策をとる必要があろう。そのためにまず、問題の本質を理解すべきでは。

1970年のアメリカ48州の「石油ピーク」を、1956年に予想した、「石油ピーク論の元祖」、M.King.Hubbert(1903~1989)、当時シェル石油のヒューストン研究所の地球物理学者は、1929年の世界恐慌時代から学んだとして、当時から「実の世界」の大切さ「虚の世界」の危うさについて論じていた。石油ピークはその論旨の一貫であった。そして下記は1989年、86才で没する前年のこと、日本のリーダに是非読んでいただきたい。

Hubbertは、優れた思想家でもあった。「マネー」は無限膨張できるが、反して地球は有限、その資源には限りがある、いずれ減耗すると現代文明のその矛盾、社会問題を、生涯を通して繰り返し警した。晩年、視覚と聴覚の障害に悩まされたが、その論は鋭く本質を突くものだった。

この世界で最も有名な地球物理学者Hubbertはハバートピーク(石油ピークのこと)、曲線の名で知られる。彼は1929年の世界恐慌がマネーシステムの混乱であるに対して、石油ピーク問題は、地球資源ベースの減耗、質の低下にある、より根源的な文明問題であると、生涯を通して訴え続けたのである。この視点が、今の恐慌前夜とも見られる世界経済を理解するのに欠かせない
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"Two Intellectual Systems: Matter-energy and the Monetary Culture"  by M.K. Hubbert
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During a 4-hour interview with Stephen B Andrews, SbAndrews at worldnet.att.net, on March 8, 1988, Dr. Hubbert handed over a copy of the following, which was the subject of a seminar he taught, or participated in, at MIT Energy Laboratory on Sept 30, 1981.
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"The world's present industrial civilization is handicapped by the coexistence of two universal, overlapping, and incompatible intellectual systems: the accumulated knowledge of the last four centuries of the properties and interrelationships of matter and energy; and the associated monetary culture which has evloved from folkways of prehistoric origin.

"The first of these two systems has been responsible for the spectacular rise, principally during the last two centuries, of the present industrial system and is essential for its continuance. The second, an inheritance from the prescientific past, operates by rules of its own having little in common with those of the matter-energy system. Nevertheless, the monetary system, by means of a loose coupling, exercises a general control over the matter-energy system upon which it is super[im]posed. "Despite their inherent incompatibilities, these two systems during the last two centuries have had one fundamental characteristic in common, namely, exponential growth, which has made a reasonably stable coexistence possible. But, for various reasons, it is impossible for the matter-energy system to sustain exponential growth for more than a few tens of doublings, and this phase is by now almost over. The monetary system has no such constraints, and, according to one of its most fundamental rules, it must continue to grow by compound interest. This disparity between a monetary system which continues to grow exponentially and a physical system which is unable to do so leads to an increase with time in the ratio of money to the output of the physical system. This manifests itself as price inflation. A monetary alternative corresponding to a zero physical growth rate would be a zero interest rate. The result in either case would be large-scale financial instability."

"With such relationships in mind, a review will be made of the evolution of the world's matter-energy system culminating in the present industrial society. Questions will then be considered regarding the future:

1)What are the constraints and possibilities imposed by the matter-energy system? human society sustained at near optimum conditions?
2)Will it be possible to so reform the monetary system that it can serve as a control system to achieve these results?
3)If not, can an accounting and control system of a non-monetary nature be devised that would be approptirate for the management of an advanced industrial system?

"It appears that the stage is now set for a critical examination of this problem, and that out of such inquries, if a catastrophic solution can be avoided, there can hardly fail to emerge what the historian of science, Thomas S. Kuhn, has called a major scientific and intellectual revolution."
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おわかりであろうか、1929年と今では資源制約など、文明の条件が全く違うことが。 写真は1929年10月24日、経済大恐慌当時のアメリカ、ウオールストリート街
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# by tikyuu_2006 | 2012-06-30 11:56 | 新しい文明の構想

行き過ぎる「温暖化脅威論」:IPCCを絶対視してはならない、自然は永遠の謎だから

地球温暖化について、IPCCは過去100年間しか見ていない。一方何千年、何万年の地球の自然現象、変動からみると、今問題の温暖化傾向は過去の地球の「小氷河期からの回復過程」である、つまり基本的に自然現象であるとの考えがある、例えばアラスカ大学の赤祖父俊一名誉教授などだが、その自然科学的見解は貴重である。世の中にはこのような、少数だが本物の「科学者」がおられる。
温暖化論議について化石燃料使用量の増大、主に戦後1946年ころから、と長期的な気候変動は調和的ではなく、別の挙動をしている。
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そして氷河の後退については、下図のヒマラヤの氷河のように1800年以前からすでに後退していた、となる。
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このような理由から、温暖化の主な理由は自然現象、地球の小氷期(Little Ice Age)から回復過程である、という科学的な視点が出てくる。
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人工的な二酸化炭素排出の影響は過去100年のほぼ0.6度の6分の一程度という見解となる。基本的に地球の自然現象としての気候変動を理解しなければ、合理的な21世紀の生きる道を探せない。真に怖れるべきは石油ピークのもたらすリスクであり、それについての原理的な対策は先ず「脱浪費」であり、それが最も合理的な温暖化対策となる。

石油の代わりは無いと思う、現代の工業社会、浪費文明は持続出来ない、と悟ることが最優先、そして当たり前だが、IPCCは学会ではない、絶対視してはならない。 言うまでも無いが、ノーベル平和賞は自然科学の賞でもないのである。

そしてさらに追加する。北極白熊が絶滅すると言う危機についても、次のようなデータがある北極熊は減っていないのである。
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いつまでも、情緒的なキャンペーンを繰り返してよいのだろうか?ここでも「科学」が欠落している。  日本では知られていないが、IPCCレポートは、ウイーン郊外のIIASAによる「エネルギーモデル」に基づいている。だが、このIIASAモデルは下記のように、理念、科学合理性を欠いている。いわばバラバラなのである。
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IPCCの気温、海水面の上昇予測が大きく異なるのは、第一に、この「エネルギーモデルのいいかげんさ」にある。IPCCが無視する石油ピーク論(oil peak)から予想される石油減耗(oil depletion)は、この範囲を下回るのである。
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ASPOによる、CNNにより世界に報道された。

そして第二に、自然をシミュレーションモデルで予測することの、原理的な難しさにある。それは自然は人間にとって永遠の謎だから。

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# by tikyuu_2006 | 2012-06-30 11:09 | エネルギー、環境

崩壊過程の現代文明: 「日本のプランB」

東京一極集中の諸相とその脆弱性 (Wikipediaなど)、
 地震などの自然災害、テロや戦争などの大規模な争乱が発生すると、日本の首都機能が破壊される危険。ニューヨークやロンドンなどと比較すると、東京は地震の危険に常時さらされており、ミュンヘン再保険会社によれば、ハザード×エクスポーズド・バリュー×バルネラビリティー(Vulnerability)の災害リスク指数は東京・横浜において格段に大きい。国家機能の潰滅がありうる。
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 しかも東京圏以外の各地の衰退、つまり人・モノ・資金・情報・サービス・機能・娯楽が集中、東京圏以外は経済的に衰え、地域の停滞が深刻化する。

 アメリカでは都市ごとに機能分担、首都ワシントンD.C.を始めとして各州の政府所在地は必ずしも州内最大都市とは限らない。政治がワシントンD.C.、経済がニューヨークだ、ニューヨーク州の州政府はニューヨークではなくオールバニにある。このような「政経分離策」により同時多発テロ事件が発生した際、国家機能の潰滅という最悪の事態を回避できた。

 ドイツは再統一に伴い、連邦政府首都をボンからベルリンにされたが、すべての首都機能をベルリンに集約せず連邦政府の各省庁について母体の配置をベルリンとボンに振り分け、その上で各省庁の内部部局を性格によってベルリン、ボンヘと分ける「混合モデル」を採用。

東京一極集中 - Wikipedia
日本において、政治・経済・文化・人口など、社会における資本・資源・活動が首都圏(特に東京都)に集中している状況を言う。

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崩壊過程の現代文明 ハードランディングを回避する「日本のプランB」
「地球は有限、資源は質が全て」、「石油ピークは食料ピーク、そして文明ピーク」
石井吉徳 2012-6

1)脱石油、脱原発の社会、自然エネルギーもEPRで評価、リアリズム重視
2)有限地球観、自然共存の地方分散、世界6位の海岸線、山岳75%、立体農業
3)脱欧入亜、脱グローバリズム、GDPからGPI,マネー資本主義の終焉
4)低エネルギー社会、少子化ほど有利、年長者も働ける社会の構築
5)石油ピークは流体燃料危機、脱車社会、鉄路、公共運輸の重視、自転車の利用
6)先ず減量、Reduce(減量)Reuse(再利用)Recycle(リサイクル)、最初のR
7)効率優先の見直し、集中から地域分散、自然と共存、地産地消で60倍の雇用も
8)GDP成長より心豊かに、もったいない、ほどほどに、人の絆を重ずる社会の構築

立体農業:300万haの耕地だが、山林500万ha、原野300万ha利用、1億4000万人が生存可(賀川豊彦による)
流体燃料危機:車、航空機、船舶など、運輸システム崩壊
Recycle (リサイクル):エネルギーが必要、都市鉱山
GPI: Genuine Progress Indicatior、真の進歩指標
温暖化対策は止める:地球は寒冷化している

下記の拙ホームページもご参考、
http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/opinions/planb.htm
http://www.shiftm.jp/show_blog_item/131
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# by tikyuu_2006 | 2012-06-20 10:00 | これからの日本

日本のエネルギー戦略(その2) シェールガス・オイルに湧くアメリカだが

日本のエネルギー戦略の続き。今回は、まだまだ石油はある、シェールガス、オイルがどんどん開発されているという楽観論への警告である。
シェールガス・オイルブームのアメリカだが、最も大事なことを忘れている、資源は質が全て、その評価にはEPR=EROIが、そして地球は有限であること。Bakkenとは米ノースダコタ州、カナダ国境のシェールオイル帯。
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そして文明を支えるには、EROIがせめて10は必要なのだ。かっての「安く豊かな石油時代」には、それが100もあった、エネルギー出力/入力比では100/1と大きかった。それが歴史と共に減退した。その代替はないのだ。これが石油ピークの意味であり、石油文明の終焉である。
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David Murphyによる、出典http://www.aspousa.org/2009proceedings/David_Murphy_Oct_11_2009.pdf

そして日本でシェール革命と喧伝されるが、アメリカではガス井の生産性がどんどん低下している、
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(Energy Crunch - the new bulletin from nef and ODAC)
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# by tikyuu_2006 | 2012-05-29 17:49 | 資源は質がすべて

日本のエネルギー戦略(その1)

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世界のエネルギー利用実態から、先ず考える
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これから分かるとおり、石油、天然ガス、石炭などの化石燃料で85%以上、原子力は6%ほどである。そして石油は流体燃料で多目的である。 原発は電気のみ、期待の自然エネルギーは、まだまだ、これからである。

原子力は日本においても10%程度、単純計算でその10倍にならないと現代文明を支えるレベルとならない。しかのウラン資源も有限である。核燃料リサイクルをと日本は推進したが、未だ技術的にも全体の量においても国を支える位置にない。

楽観的なかっての2050年シナリオ、3・11で見直されている、
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最近はシェールオイルなども加わったが、そのネット・エネルギー、EPR(EROI、EROEIと同義)が課題、むしろエネルギー損失とみられる、非在来型の見かけの量、楽観論に騙されないこと。
EPR=Energy Profit Ratio、EROI=Energy Return on Investment、EROEI=Energy Return on Energy Invested
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カナダのオイル、タールサンドはEPRは低い、1,5程度だが、自然環境破壊は凄まじい。今は放置されているが、それを修復するとなるとEPRは1.0以下、つまりエネルギー損失となる。
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再生可能、自然エネルギーに今後期待されるが、その理念、戦略を整理する。
1)先ずその質を、EPRで見積もる、
2)定常的か、間歇的であるか、
3)電力系統に結ぶか、或いは地産地消的に利用するか、
など、逐次追加予定・・・・・・(未完)
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# by tikyuu_2006 | 2012-03-05 10:06 | 資源は質がすべて