<   2006年 12月 ( 7 )   > この月の画像一覧

NHKーBS1の大晦日番組「エネルギー獲得最前線」:まだわからない日本の識者

大晦日、NHK-BS1、「エネルギー獲得最前線」という特集があった。寺島実郎、堺谷太一氏など日本のリーダが出演されていた。
前半は石油開発の最前線、私の教え子も出ていた現場の話、苦労が報道された。かって訪問したアラビア石油のカフジ油田も懐かしかった。
事実を伝える現場報道には迫力があった、それが第一部である。だがその後の第二部には失望した、全く駄目なのである
資源、エネルギーの意味、「資源は質が全て」が全く解っていない。エネルギーにおいて「マネーコスト」に殆ど意味がないことが解っておられない。そして最後に、光触媒技術で水を分解して水素をつくる話、太陽エネルギーでとあった。某大学の未来技術が紹介され、水には無限のエネルギーがある、これから水素をと番組を締めくくった。これはカミソリで大木を切る話、技術の本質が全く判っていない。
だが、これが日本の現実、リーダーのレベルなのであろう。合理性、リアリズムの欠如といってもよい。始めに答え、予定稿がある、事実をそれに合わせる、その結果として真実が見えなくなる
このNHKのTV番組は、太陽電池と燃料電池に視聴者を誘導したかったようだが、日本はこのようにして大きな失敗を繰り返した、歴史はまた繰り返されようとしている。
最近読まれている「日本はなぜ敗れるのか:山本七平2004」に
日本人は、ただ一部分の優秀に酔って日本の技術は世界一だと思い上がっているだけなのだ。小利口者は大局を見誤る
とある。まさにその例そのままだ。
そこで今更ながら理科の授業となるが、エネルギーは「ネットエネルギー」が大事、マネーコストは殆ど意味がない。これがエネルギー論の本質であり、先ずそれを理解することである。
表現を変えると、EPR :Energy Profit Ratio となる。繰り返してこれを述べてきた一年であったが、番組で懸命に石油開発最前線で働く教え子、国家の支持も期待できずに苦悩する仲間が哀れに思えた。
20代、私のインドネシアでの石油メジャー相手の孤独な戦いが思い出された。当時カリマンタンで海賊の銃撃にあって、仲間が一人殺された。私が東大に移った遠因でもある。
本気で考えないと、日本は本当に崩壊するかもしれない。私が拙著などでいう「自分で考える」とは、このような意味である。
序ながら、マネーコストはMoney Profit Ratioともいう。企業はそれでもある期間は成り立つ、つまり儲かるが、いずれ本質的なエネルギーコストで勝負がつく。エネルギー史はそう教えている。
[PR]
by tikyuu_2006 | 2006-12-31 16:36 | ご存知ですか?

もったいない:出来ることは目の前に―その2

石油ピークは常温で流体燃料の問題です、先ず運輸に影響が来るのです。そこで車に出来るだけ乗らない、相乗りする、短距離は歩くなど、出来ることは目の前にあります。
そしてもう一つ、石油ピークはグローバリゼーションを直撃します、船賃が上がるからです。
日本の地域で作られる生鮮食料をできるだけ買いましょう。それが地域の復活、コミュニティーの再生、人の心の繋がりを促すでしょう。
「もったいない」運動は、成長至上の拝金主義で失われた、日本の心を取り戻すきっかけとなる筈です。
[PR]
by tikyuu_2006 | 2006-12-31 10:12 | 新しい文明の構想

石油ピークは枯渇ではない:脱石油は脱浪費、脱西欧から

未だに石油はいつまでもあるという人が多いが、それは間違っている。エネルギーは質が全てであると理解しないからである。EPRと言っても良い。
人類は石油資源をほぼ半分使った、それも質のよいものから、そして条件の悪い深海、僻地、大深度など、生産に大エネルギーを必要とするものが半分残った。石油ピークは枯渇でない、とはこのような意味である
ところで枯渇段階の資源としては漁業、地下水などがある。今人類の生存基盤が劣化している。
だが日本社会は成長指向、浪費が薦められるが、それには限界がある。そのため「もったいない」を主張している。これは本来東洋の心、感性である。それは「脱浪費は脱西欧」といえよう。
翻って1970年頃の日本だが、今の半分程のエネルギーしか使っていなかった。だが食料自給率は60%と高かった。国民はそれなりに幸せ、人口は一億と今より少なかった。
人口は少ない方がよいのでは、人口の減少傾向を心配するより、60歳の人が働ける場を用意するほうがよい、まだまだ働ける人を捨てる社会こそ、もったいない。
[PR]
by tikyuu_2006 | 2006-12-30 11:01 | 石油ピークとは

食料自給率40%は低すぎる:内閣府の国民意識調査

食料自給率に関する内閣府の調査結果が、各紙に報道されました。日本経済新聞の例をご覧下さい。

 自給率の低さは国民の大きな関心事ですが、「地球が有限」、「石油ピーク」は「農業ピーク」そして「現代文明ピーク」の視点がない。残念ですが、これが日本の現状であり、問題なのです。

1)食料自給率「低い」、47%に拡大
 内閣府が21日発表した「食料の供給に関する特別世論調査」によると、現在40%の食料自給率を「低い」とした回答が47%とほぼ半分を占め、2000年7月の前回調査時点より14.1ポイント増加した。望ましい自給率は「60―80%」が49%に上り、これを含め全体の回答者の8割近くが現状を上回る水準への引き上げが望ましいとみていることがわかった。
 調査は全国の成人男女3000人に実施、回収率は57.6%。将来の食料供給に「不安がある」としたのは76.7%、不安の理由(複数回答)は「国際情勢の変化で、食料や石油などの輸入が止まる」(61.6%)が最多。「食料増産の限界」(56.5%)、「異常気象、災害による不作の可能性」(56.2%)が続いている。
 自給率向上に必要な施策としては、「国産農産物の消費促進」(37.5%)、「消費者ニーズにあわせた国内生産の拡大」(36.7%)などが挙がった。 (21:43)
2)調査の設問は次の通り
我が国の将来の食料供給について不安と考える理由(複数回答)
平成12年7月 平成18年11月の比較
・国際情勢の変化により,食料や石油等の生産資材の輸入が大きく減ったり,止まったりする可能性があるため
43.7%  61.6%
・長期的に見て,地球環境問題の深刻化や砂漠化の進行などにより,食料の増産には限界があるため
48.6%  56.5%
・異常気象や災害による内外の不作の可能性があるため 46.0%  56.2%
・世界の人口が急激に増加する等により,食料に対する需要が大幅に増加するため
31.1%  29.4%

石油ピーク」は「農業ピーク」そして「現代文明ピーク」
日本工学アカデミー・科学技術戦略フォーラムはそう社会に訴えます。地球は有限、人類は無限成長は出来ない、人類の生存基盤は近年とみに劣化している、問題の本質はここにあります。だがこれが理解されない、市場、技術至上主義のためでしょうかそこで100万人の国民運動、「もったいない学会」を皆さんと創りました。

そして本も出しました、「石油最終争奪戦」、日刊工業新聞です。
[PR]
by tikyuu_2006 | 2006-12-23 10:15 | 石油ピークとは

もったいない:出来ることは目の前に―その1

拙著、「石油最終争奪戦」に色々な意見が寄せられています。関心を持ってくださったことに先ず感謝です。
そこで驚いていることを、一つご披露します。対策が書かれていない、と言ったご意見。
文明が変るレベルの時に、「How to」などないのです。日本はすぐ各論となる、技術でとなる。
私は何年間もペットボトルを買ったことはありません。水道の水しか飲みません。日本の水道は世界一、ペットボトルの水など、もったいない。
これを皆さんがおこなったら、日本は変るのです。お出来になることは、目の前にあります。
[PR]
by tikyuu_2006 | 2006-12-21 04:53 | もったいない学会

人類は無限に成長は出来ない、モノより心の豊かさを

地球が有限である。これは地球物理学者の私には当り前なのだが、エコノミスト、技術者、企業家などには本当にわからないようである。 だがエネルギーは質が全てEPR,資源の3原則、エントロピー法則などを理解すれれば、環境、エネルギー、資源など人類問題の原点が透視できるようになる。
繰り返す地球は有限、人類の生存基盤も無限ではない、だから「もったいない」なのだ。
[PR]
by tikyuu_2006 | 2006-12-17 23:23 | 新しい文明の構想

もったいない学会の講演会と発表スライド、PPTを公開中

06年11月29日の学会最初の講演会―東大工学部―の新聞記事、講演のPPTです。ホームページをご覧下さい。
ASPO会長などは、石油ピーク問題は真偽の議論から、リスク、対策の段階に入った述べています。オーストラリアASPOの会長は、具体的な政府の対策について述べました。
これら講演の全スライド、PPTは今は一般公開しています
[PR]
by tikyuu_2006 | 2006-12-16 00:28 | もったいない学会