<   2006年 05月 ( 6 )   > この月の画像一覧

Post Oil Strategy in Japan

<2006年7月、イタリア・ピサで開催のASPO-5、日本のカウントリー・レポートです>

Yasukuni Okubo(1), Hitoshi Mikada(2), Shinichirou Morimoto(1) and Yoshinori Ishii(3)
(1) National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Tsukuba 305-8567, Japan(2) Grad. Schoolof Eng., Kyoto University, Kyoto 606-8501, Japan(3) Professor Emeritus of University of Tokyo

PERSPECTIVE ON ENERGY SUPPLY IN JAPAN
In Japan, the fraction of oil to be consumed in the whole energy supply is 50 percent. The dependency of imported oil on the Middle East is estimated about 90 percent (Figure). We, in Japan, have been aware of a peak-oil approaching rapidly and risking stable oil supply to the country. In this context, the Japanese government started advocating a special strategic motion towards this inevitable issue. Last year, the Prime Minister Koizumi mentioned “post oil strategy” through the web site of the Cabinet Office, for demonstrating implications of the energy issue.

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by tikyuu_2006 | 2006-05-29 10:07 | エネルギー、環境

「資源とは何か」、日本で最も理解されないこと

一匹のミツバチは、沢山の花から蜜を集めます。無数の蜂が、それぞれ巣に持ち帰ります。巣に集まった蜜は濃縮されています。人間が使えます。元の分散した花の蜜も、集められた巣の蜜も「量」は同じです。 自然の恵み、資源とは「濃縮が本質」なのです。ミツバチが、分散した花の高エントロピー状態の蜜を、巣に集め低エントロピー状態にします。ミツバチは、その仕事のためエネルギーを使いますが、その元は太陽エネルギーです エントロピーを理解しますと、エネルギー、環境、経済から文明まで、全てが見通せます。宇宙の誕生に始まり、自然現象において、エントロピーは常に増大します。人間社会もそうです。一方、生命現象とは、エントロピーを低く保つことです

資源とは
 1)濃縮している:熱力学の第2法則での低エントロピー状態
 2)大量にある:1本の木を森林資源とは言わない
 3)経済的な位置にある:出来るだけ近くが良い、便利で儲かる
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質が全てのエネルギー資源
 EPR(Energy Profit Ratio)=出力エネルギー/入力エネルギー(EROI:Energy Return on Investment とも言います)

様々なエネルギーの話:EPRで整理して考えるのが良い
 ●天然ガス:これも有限資源である、「天然ガスピーク」も念頭におく必要がある
 ●原子力:ウラン資源量と核分裂(一回、再処理、増殖)、核融合(遠い先の話)
 ●石炭:石炭資源量とインフラの復活、運輸が問題
 ●オイルサンド、オリノコタール、オイルシェール:どれもEPRは低い、自然環境保全にも注意(下図)
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<カナダ、アサバスカのオイルサンド開発、50万バーレル/日だが環境破壊も巨大、ランドサット衛星画像:ERSDAC>
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 ●自然エネルギー:EPRは、太陽、風力、地熱、バイオマス、海洋、水力(小型、分散が基本)
 ●メタンハイドレート:資源でない、海底下の地層中に分散する固体、宇宙太陽発電:非現実的
 ●水素、燃料電池、水素社会:水素はエネルギー源ではない、水素の性質をよく理解する
 ●石油無機起源説:荒唐無稽なお話、海洋温度差:エネルギー密度が低い、高エントロピー状態

そしてメタンハイドレートはもう公共事業化、海水ウランには今も税が投じられ、宇宙太陽発電、宇宙開発などはハイテク型の税の浪費。
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by tikyuu_2006 | 2006-05-13 11:57 | 資源は質がすべて

世界の「石油、天然ガス生産ピーク」:ASPOの非在来型も含めた予測

ASPO(The Association for the Study of Peak Oil and Gas)によると、世界の石油、天然ガスの生産ピークは、次図のように非在来型を入れても、そう遠いことでは無さそうです。(2006年5月 ASPO Newsletter)

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by tikyuu_2006 | 2006-05-13 01:00 | 石油ピークとは

「プランB」と「脱石油戦略」

<石油の埋蔵量は究極的に2兆バーレル、その半分をもう使った、が「石油ピーク論」です。一方、楽観的に、3兆バーレル、9兆バーレルとも言います。そして石油連盟は「280年は大丈夫」、となるのです。 これでは、国民は何を信じてよいか分からない、当然、楽観論が好まれます。専門家も「狼と少年」と、石油ピーク論を排斥し、マネーが全てのエコノミストは基本的に成長至上主義、これに同調します。 これをどう見るかですが、9兆バーレル、2兆バーレル論には、本質的な違いは無い、「資源の質」を考えるかどうかです。日本では資源を「量」のみで考え、「分かったつもりの専門家」が幅を利かせます。今必要なの「地球学」です>

●「
石油ピーク」:国家のリスク管理、安全保障問題として考える、信じる信じないでない
●エネルギー戦略:EPR、時間軸の視点を忘れずに、日本のためのplanBを戦略的に構築する
●改革すべき現代農業:自然と共存、地産地消がキーワード、自然の有機農業が大切である
●化学原材料:脱石油、脱天然ガスを計る必要がある。間伐材、古紙などを分子レベルで活用
●自然と共存:都市集中から地方分散、Relocalizationが世界の標語となりつつある
●日本は大陸でない:75%が山岳の島国であることを認識する、先ず日本の自然、大地を知る
●運輸が緊急課題:再評価すべき日本の鉄路、ヨーロッパではLRTが、富山市でライトレールが4月に


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by tikyuu_2006 | 2006-05-11 10:14 | 日本のPLAN-B

ピークオイル論とイースター島の教訓

(石油技術専門誌「ペトロテック」:巻頭の時評、2005年4月13日、とても分かりやすく良い内容なので、東京大学工学系 六川修一教授のご了解を得てご紹介します)

わが国の最も大きなアキレス腱であるにもかかわらず、最も理解されていないものの1つがエネルギー供給の問題である。
国際的な石油地質学者であるCampbellらが主宰 するASPO(ピークオイル・ガス研究協会)は、米国における石油生産のピーク(ピークオイル)予測を的中させたHubbert 曲線を世界の在来型石油資源に拡張し、2010年以前のピークオイル到達を予想している。
しかしながらこの石油ピーク論は少数派の理論として必ずしも社会に受け入れられてはいない。それは、これが優れた石油文明論、しかも人類には受け入れがたい現代文明論になっているからである。

すなわち、20世紀半ばに始まったばかりの石油文明が、わずか50年余にしてその生産のピークを迎えるということは、残りあと50年、すなわち、わずか1世紀あまりで現代文明の繁栄が消滅することを示唆するからである。

実はこれに類する歴史的事実が既に存在する。モアイ像で知られる南海の孤島イースター島は、豊かな森林資源を使って16世紀当時としては世界的にも優れた文明を築き上げた。しかし、その文明を支えた森林の 急激な伐採によって、17世紀初頭には、とうとう島のすべての森が丸裸になってしまい、その結果、島の生活基盤そのものが崩壊してしまったのである。

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by tikyuu_2006 | 2006-05-08 16:13 | 新しい文明の構想

脱石油戦略、脱石油依存を考える: 日本工学アカデミー・科学技術戦略フォーラムからのメッセージ

世界経済最大の不安要因「石油」に発するエネルギー・資源、食料供給不安は「石油文明の終焉」を予感させる。多発する紛争は人類最後の石油争奪戦かもしれない。国内外の公的見解にも拘らず、石油産出国の供給余力は急速に減退しつつあり、石油の供給が需要に追いつかない「石油減耗時代」が到来しつつある。小泉総理は「脱石油戦略」、そして「もったいない」という無駄な資源、エネルギーを使わない社会をと述べている。ブッシュ大統領は一般教書において、アメリカは「石油依存症」から脱却しなければならないと強調したが、これは全人類の最大課題というべきである。だが、現実には、石油消費は増大の一途である。地球温暖化対策も一向に進まないが、深刻化する異常気象多発の中で、既にポスト京都議定書も課題となった。これには石油減耗も視座に入れる必要があるが、未だ人類は石油に代わるエネルギー源、常温で流体の燃料を持ち合わせない。本年2月G8財務相サミットも対応具体策に欠け、市場経済依存の限界を垣間見させたが、来る7月G8サミットでの中心議題とされる原油高騰・安定供給不安に、日本はどう戦略的に対応するのか。根本的には、文明史的転換期に対応可能な、真に役立つ科学技術戦略、技術革新が求められる。米国、EUも脱石油依存を軸に政策転換を模索している。中心課題は、先ず在来型エネルギーインフラによる社会の論理再構築である。そして自然・再生エネルギーの促進、国民に理解される原子力エネルギー政策などである。しかし、その基本は「脱浪費社会」である。エネルギーの殆ど全て、食料の大半を海外に依存する日本だが、最後の石油争奪戦、激動世界に如何に生きるか、海に囲まれた日本列島に住む知恵、自然との共存が問われている。欧米を中心とした産業文明の近代世界システムが崩れつつある今、我が国の伝統的自然尊重思想のもとに、新しい世界システムの構築が求められている。(2006年5月26日、日本学術会議シンポジウムの趣旨)
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by tikyuu_2006 | 2006-05-01 10:05 | 自然と共存、分散型社会