カテゴリ:エネルギー、環境( 57 )

コメからエタノール燃料:賢愚の狭間で揺れる日本

5月15日夜のクローズアップ現代、疲弊した稲作農業を助けるため、米を家畜飼料、車の燃料にいう話であった。
一見良さそうである、日本の米を収量の多い品種に変え、豚などに食べさせる米作を振興する、豚は旨い不味いといわない、とあった。
その根底はエタノール向けのトウモロコシなど、穀物価格高騰がある。車に食料を食べさせる奇妙な動きを、米を作れない農家の救済策に導入しようというのが今回のクローズアップ現代の主題であった。

だが、これは根本で間違っている。まず石油ピークの認識がない、現代農業が石油漬けであることに一言も触れなかった。おそらくご存じないのであろう。これでは駄目である。短期的な対症療法に過ぎない。国家百年の計とはならない。食料は人間生存の根幹である、時々の流行に振り回されてはならないのであって、短期的便法と、基本理念そして戦略とを峻別すべき。NHKのクローズアップ現代は、まじめな良い番組だが、定番の家庭教師に安住しすぎるのでは。問題の本質は車社会にある、もうアメリカを見習ってならない、お分かりか?

私事になるが、このようなことが気になるのは、今は亡き義父、久宗壮の薫陶による。長年、岡山県津山の片田舎で立体農業、今の言葉でいう里山農業を推進し、戦後の全国愛農会の創設にも尽くした義父は、常に日本には真の農業政策も国策もないと嘆いていた。賀川豊彦に師事し、立体農業の実践を通じキリスト教的な農業伝道に一生を捧げた。
序ながら、いま皆さんが食するシイタケなどの人工栽培キノコ類は、義父の発明、発案による。だが特許などは一切申請もせずに、キリスト教伝道の一環として日本のみならずアジア、南米にまで只で指導行脚をした。損得で考えない、そんな馬鹿な人もいるのである。私もそれに近いが。
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by tikyuu_2006 | 2007-05-16 10:50 | エネルギー、環境

世界の「石炭ピーク」は2025年か: ドイツの最新報告

「石炭ピーク」についてのレポートが、ドイツのEnergy Watch Group から公開された。それによると世界の石炭ピークは2025年頃で、その量は最も良い場合でも現在の30%増という。大変なことと言わねばならない。要点は、
A report just released by the Energy Watch Group concludes that global coal production will peak about 2025. From the report's Executive Summary, Conclusion and recommendation: Global coal reserve data are of poor quality, but seem to be biased towards the high side. Production profile projections suggest the global peak of coal production to occur around 2025 at 30 percent above current production in the best case.
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by tikyuu_2006 | 2007-04-11 22:13 | エネルギー、環境

懸念される世界の「石炭ピーク」:それは中国の生産ピークからか

Party's Over の著者として知られるR.Heinberg最近のMuseletterで石炭資源量が今まで思っていたほど多くはないとする、ドイツのEnergy Watch Group の分析結果を紹介している。
そして石油、天然ガス、そして石炭をも含めた「化石エネルギーピーク」が来ると述べ、世界はこの重大な事態に備えるべきと警告する。
特に中国では今後5~15年以内に石炭の生産が頭を打ち、その後急な減退期に入る、それは世界の石炭ピークを意味するというのである。
人類はそんなに早く、前門の虎:石油ピーク、後門の狼:石炭ピークを迎えるのだろうか、日本はそれにどう備えるのか。残念ながら、そのような姿勢は全く見えない。
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by tikyuu_2006 | 2007-04-01 21:24 | エネルギー、環境

平均地殻熱流量から見た日本の地熱資源総量

元地質調査所系の方々のご意見を総合すると、

日本の平均地殻熱流量を100 mW/m2とした場合、37万km2から放出されるエネルギー量は3700万kW

となる。原発69基の話の根拠となった、エネ庁、NEDOなどの6930万kWとは一体何なのだろうか。リアリズムと科学性に欠け、徹底して考え抜くことをしない日本、大丈夫なのか。理念、合理性が大事と私が繰り返すのは、このような意味においてである。
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by tikyuu_2006 | 2007-03-30 00:17 | エネルギー、環境

もう一つのエネルギーの話、日本の地熱資源は原発69基分:「ハゲタカ」に思うーその4

日本の地熱資源は原子力発電所69基分、という話がある。
先にNHKで放映されたハゲタカの原作者、真山仁氏の別著「マグマ」に原子力廃止論の根拠となっていた。気になって調べた。そしてれっきとした政府の公的資料に記載されているのを知った。正確には6930万kWという数字だが、それが原発一基100万kWで換算して69基ということのようである。そして、世の中にそう思っている人が多いことを知って驚いた。

実はこれは30年前の、我田引水的な数字と思うべきだが、現在、公的な資料としてHPに掲載されている、国民は信じるしかない。真山氏もそうなのだろうが、彼の本はフィクション、非難する気など全くない。むしろ問題提起してくれたと感謝している。

これも日本のエネルギー論のあいまいさ、論理の甘さが改めて露呈したといえる。いずれまともに取り上げたいが、取り合えずここではエネルギーとは、資源とは「質が全てである」と繰り返しておく。
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by tikyuu_2006 | 2007-03-28 23:27 | エネルギー、環境

「資源とは」をわかっていない人々:NHKラジオ放送に思う

1月14日のNHKラジオの「あさいちばん、もったいない学会」番組は好評でした。お褒めの言葉を沢山頂ました。その関連での最近の思いをつづります。
いま日本で「資源」についての理解が大いに不足している、「わかったつもり」の方々も「わかっていない」ようです。
広辞苑によると「資源」とは、生活活動の元になる物質、水力、労働力などの総称となっている。また「天然資源」とは、天然に存在する有用物で、採取加工して生産や生活に利用しうるもの、とある。
「有用なもの」ということだが、それを資源論でいうと、1)濃縮している、2)大量にある、3)経済的な位置にある、となる。これが「資源の3要素」であり、私は長年これを繰り返し啓蒙してきました。最近は「もったいない学会」のメインテーマとして、EPRと共に説明しています。
それは石油が無くても、オイルサンドなどの重質油は大量にある、太陽エネルギーも無限であるから大丈夫と、さらなる消費拡大、つまり浪費をあおるリーダーが殆ど、それが「わかったつもり」なのです。このような半知半解論に踊ると、大変なことになります。

支那事変から太平洋戦争、そして敗戦まで日本のエリート、秀才達は国民を破滅へと導いた。一般国民がもう少し自分で本気に考えていたら、300万人の同胞を殺さず、国も焦土化せずにすんだかもしれません。
私は終戦当時、開成中学(今の開成学園)の一年生でした。JR田端駅から歩いて校舎にたどり着く途中、山の手台地は焼夷弾で焼け野原、途中に焼夷弾の燃えた後の空筒があちこちに突き刺さっていました。頭蓋骨すら転がっていたのです。今でもそれを鮮明に覚えています。
そして英語の教師を筆頭に、先生方が終戦と共に君子豹変したのです。鬼畜米英から、民主主義の伝達人へと。

今地球の有限性が顕在化しつつあるのです。人類の生存基盤が崩壊しつつあるのです。だが一番脆弱な日本が一番暢気、そして「わかったつもりの識者」が再び日本を妙な方向に導こうとしている。彼らに歴史を繰り返えさせてはならない、歯止めを掛けるのは国民の意識です、それには先ず皆さんが自分で考えるのです。
最後になりますが、その後再放送は出来ないとのお返事でした、残念なことです。
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by tikyuu_2006 | 2007-01-18 08:47 | エネルギー、環境

Post Oil Strategy in Japan

<2006年7月、イタリア・ピサで開催のASPO-5、日本のカウントリー・レポートです>

Yasukuni Okubo(1), Hitoshi Mikada(2), Shinichirou Morimoto(1) and Yoshinori Ishii(3)
(1) National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Tsukuba 305-8567, Japan(2) Grad. Schoolof Eng., Kyoto University, Kyoto 606-8501, Japan(3) Professor Emeritus of University of Tokyo

PERSPECTIVE ON ENERGY SUPPLY IN JAPAN
In Japan, the fraction of oil to be consumed in the whole energy supply is 50 percent. The dependency of imported oil on the Middle East is estimated about 90 percent (Figure). We, in Japan, have been aware of a peak-oil approaching rapidly and risking stable oil supply to the country. In this context, the Japanese government started advocating a special strategic motion towards this inevitable issue. Last year, the Prime Minister Koizumi mentioned “post oil strategy” through the web site of the Cabinet Office, for demonstrating implications of the energy issue.

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by tikyuu_2006 | 2006-05-29 10:07 | エネルギー、環境