カテゴリ:エネルギー、環境( 57 )

中東に石炭火力発電の計画が

中東の石油埋蔵量にも限界が見える。そこで原子力や風力利用の動きがあること、今ではかなり知られている。が、石炭火力発電計画まではご存じなかろう。もちろん中東には石炭資源などない、輸入するしかない。
電力需要の伸びはそれほど大きいのである。現在のガス発電だけでは近い将来供給不足になるとみられ、事実クウェートでは過去数年、夏には停電が起きている。

発展の著しいドバイ。このUAEには200TCF以上のガス埋蔵量があるとされる、だが硫化水素含有率が数十%と高く使えない。そして比較的硫化水素含有率が低いカタールから海底パイプラインで日量2.0 BCFのガスを輸入するDolphin Projectが昨年8月に完成、ガスが流れてきた。だが、これも数年後は足りなくなるとのこと、そこでAbu Dhabiは高硫化水素のサワーガス開発に乗り出すという、コストを無視して。

彼の砂漠の地に「祖父はラクダに乗った、父は車に、今私は自家用ジェットに、そして私の子は再びラクダに」という言葉があるとか。エネルギーも食料も自給出来ないのに、石油ピークを忌避、無視、黙視する日本では、この言葉はどうなる・・・?
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by tikyuu_2006 | 2008-05-22 15:00 | エネルギー、環境

温暖化より怖い「石油ピーク」をわからない人々、理解できない専門家

「石油ピーク」をご存知じか。石油の価格がバレル100ドルを越した。食料品もそれに応じて急騰している。アメリカのドルも世界的に信用を失いつつある。
世界の今までの仕組み、構造が基本的に崩れだしている、庶民はそう思い初めているのではないか。現代文明は石油が支える、誰もが知っているが、それでもなんとかなる、と思うのが日本の識者たち、政治家、官僚なのであろうか。残念ながら自分で考えたことの無い、今も欧米追従する日本の大学も、あまり当てにはならない。IPCCのことを語るが、その意味を理解しない。

世界の原油の生産は、2005年5月にピークだったようだ。ブッシュ大統領のエネルギーアドバイザーである、M.Simmons、エネルギー投資銀行会長の主張である。
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アメリカのエネルギー省、EIA(エネルギー情報局)からの公的な月別生産統計がそう語っている、のである。
またASPO(The Association for the Peak Oil and Gas)の最新資料によると、世界の石油、天然ガスの生産は次のようになる。
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「石油ピーク:Oil peak」は地球温暖化より遥かに恐ろしい。「石油減耗:Oil depletion」は人類生存の難問、社会のあらゆる面に影響するが、それは待ったなしと見られる。食料すら自給できない日本は特に危ないが、一番暢気である。本当に困ったこと、一般の市民、国民がボトムアップで動くしかないのであろう。
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by tikyuu_2006 | 2008-03-27 06:49 | エネルギー、環境

IPCCの地球温暖化シナリオを、「化石燃料」ピーク論から見ると

石油ピークが来た。これは予測ではない、公的なデータがそう語っている。脱石油の時代が来たのである。
そして最近の「化石燃料」ピーク論によると、今後の二酸化炭素の排出量はIPCCシナリオの最低線を下回る、となる。
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これは重大である。それは今の地球温暖化論の常識を覆すことであり、その対策は現代文明の否定、変革のレベルで、これには原理的に脱浪費しかありえない。この図はフランスASPOのJ.Laherrereによる石炭も含めた全化石燃料についてのもの。
下図はASPOの創始者C.Campbellよる最新の「石油、天然ガス」に関するHubbertカーブである。対比してご覧頂きたい。
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by tikyuu_2006 | 2008-03-21 00:57 | エネルギー、環境

京都議定書はヨーロッパに騙された:テレビ朝日の田原総一郎氏

1月20日、テレビ朝日のサンデープロジェクトでキャスターの田原総一郎氏が、日本は京都議定書でヨーロッパに騙されたと述べた。その意味は、かって東ドイツなどの旧ソ連圏、二酸化炭素を大量に排出する高エネルギー産業社会を取り込んだ西ドイツ、西側のヨーロッパ勢に対して、世界でもっとも省エネが進んだ日本は基準年1990年は大変に不利である、ということである。

1997年、京都議定書策定の当時、私は立場上、一科学者として京都国際会議場にいたが、この会議は国際政治力学、国益のぶつかり合う場と思ったものである。今回のテレビ番組での田原氏の見解は、国際政治力学ではむしろ当たり前なのだが、今までそれは言ってはいけないタブーだった。

だが誤解のないように言っておく、地球温暖化はどうでもよいのではない、国益の視点を忘れないようにと言っている。「エコ」は「エゴ」でもある。最近の再生紙偽装と同じことが、国際政治の渦巻く地球環境問題でもありうる、騙されるなと田原氏はいっているのだろう。
素朴すぎる一元論的な環境論は、もう止めにしたい。かってのダイオキシン騒動を思い起こせば、その意味が理解されよう。多くの環境、省エネ技術にはかなりいい加減なものがあるが、これは国際政治においても同じである。「環境」に騙されないこと、そのためには「本当に科学的に徹底して考え抜く」ことである。

ようやく最近、経済産業省もそれに気づいたのか、公に1995年を基準とすると、日本とヨーロッパの立場か逆転すると述べている。これでは遅いのである、いつもながら。自分で考えない日本だが、もう欧米追従はやめないと、ポスト京都の国際的な戦略が立たない。温暖化はエネルギー問題そのもの、その合理的な対策には「脱浪費」が大前提となる。

拙著、「石油ピークが来たー崩壊を回避する<日本のプランB>」(日刊工業新聞、2007年)に、このことを「石油ピーク」と共に詳しく述べたつもりである、ご参照下されたい。田原さん、石油ピークも勉強してください、これはもっと大事です。 
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by tikyuu_2006 | 2008-01-20 13:48 | エネルギー、環境

「石油ピーク」と「細る氷河」:知るほどに危機感が増す「ピークオイル」

世界的に読まれている「Party’s Over」で有名なR.ハインベルグの見解、The Closer We Get, the Worse It Looksは一読の価値があります。朝日新聞(11月25日)の「細る氷河」を理解するためにも。

これは石油ピークと温暖化運動の対比、分析でもあります。見出しはBridging Peak Oil and Climate Change Activism、そのホームページの文は現在、もっとも総合的な見解といえます。

温暖化は連日報道され、その危機感が増幅されますが、石油ピークは政府も含めて何故か黙殺される傾向にありますが、その緊急性、日常生活への影響は遥かに大きいのです、特に日本においては。すでにガソリン、パンなどの食品は大幅に値上がり、これは石油ピークが直接的な原因です。アメリカのコーンからのバイオ燃料、という間違った動きも大きな原因です。

一色に染まった社会は、モノが見えなくなります。温暖化が全てではない、石油ピークとの戦略、論理の整合を取り、実効のある政策をとることです。日本は個性的な思考を出る釘として排除する。これで日本は繰り返し失敗してきました。太平洋戦争もそうでした。
今からでも遅くはないのです、自分でよく考え、流行に迎合しないこと、それには論理的なハインベルグの見解が参考になります。

朝日新聞、「細る氷河、ヒマラヤ湖拡大」の大きな一面記事、いつもの温暖化論ですが、その対策は「脱浪費、無駄をしない」そして「もったいない」。成すべきことはもう分かっている。

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by tikyuu_2006 | 2007-11-25 04:54 | エネルギー、環境

中越沖地震と刈羽原発の論議:「真の科学」が欠落している

7月16日、柏崎刈羽原子力発電所を、予想もしなかった大きな直下型地震が襲った。発電所当事者のお話、メディアの報道などは断片的で総合的見解は述べられないが、今の時点で感想だけは述べておきたい。今後の建設的な論議のために。

先ず、よく大事に至らなかったと安堵している。報道で見る限り、原発敷地内の波打つ道路、各所の陥没などは大変なものである。しかし7基の原子炉は、とにもかくにも「停止」出来ている。 自動停止かどうか知りたいが、あれほどの大地震である、先ずは日本の技術を評価し、自らも地震の被災者であった現場の方々に、ご苦労さまと申し上げたい。

これは原発の今後にとって、大きな教訓、反省材料を提供している。進んだ技術を持つという日本での体験、世界にも参考となるはずである。冷静な科学が展開されることを願っている
いま世界中で原発ブームだが、安全の確保、環境保全、そしてウラン資源の有限性などの「当たり前」に改めて注意したい。

以上は一般論だが、地球物理学者としてもう少しコメントする。人は大地に住む、その上にある建造物は自然の影響下にある。一方技術で出来ることは限界がある、人の知恵は絶対でないからである。謙虚に「自然から教わる」のが科学である。
刈羽原発サイトは地質的に比較的若い地層、新第三紀の堆積岩、泥岩層の上にある。そして当然ながら日本列島には活断層はどこにもある、今後鋭意探査すべきである。物理探査技術は今では非常に進歩している
メディアなどで建設当時の地震学のレベルを云々し、互いに責任のなすりあいをしているが、このような論議は止めるべき、何も前に進まない。メディアの冷静さに期待するが、原子力関係者も絶対安全神話をもう終りにして貰いたい。人間のすることに絶対などないからである。

この際である、原子力資料情報室地質学的な見解を以下に引用しておく。投稿日時 2006/12/5、地震前のものである。
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東京電力の柏崎刈羽原発は、活発な構造運動の続く地盤上に計画・建設されました。西山層の泥岩を基盤として建設された半地下式原発です。多くの原発は地表面に設置されていますが、柏崎は基礎地盤の標高がマイナス40mです。基礎を深くして根入効果を期待し、半地下式にしたのです。西山層は計画当初には新第三紀・鮮新世前期の泥岩だとされていましたが、1980年代の火山灰調査の結果、新第三紀から第四紀にかけての堆積層だと“若返り”ました(第四紀は、160万年以降から現在まで。鮮新世は500万年前から180万年前までです)。地震波の伝わる速さ(せん断波速度Vs)は、地盤の固さを示す指標になります。地震動の基準となる解放基盤面はVsが700m/秒以上ですが、西山層はそれを大幅に下まわり、構造物の基礎にできる固さに達するには、地下数百メートルまで掘り下げねばなりません。柏崎刈羽原発6・7号炉では人工地盤を造成して“岩盤”と称しています。旧指針を厳密に適用すれば柏崎刈羽原発は不合格となる劣悪地盤です(以下略)。
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波打った敷地内の地盤、落盤などをみるにつけ、この文は読む価値がある。科学とは冷静に科学的に考えるものである、原点は「自然に聞く」、先入観を持たないで人の話に耳を傾ける、である。中越沖地震はこの「当たり前」を、「全ての立場の人」に教えている

東大理学部地球物理の大先輩、寺田寅彦は言っている、「災害は忘れた頃にやってくる」。高層ビルラッシュの東京、そして日本のあちこち、このような直下型地震に襲われたらどうなるのか。建築基準すらごまかす拝金主義の技術大国日本である、心配なのは、原発だけではない。
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by tikyuu_2006 | 2007-07-22 10:48 | エネルギー、環境

地球温暖化IPCCのエネルギー予測は見直す必要がある、勿論温暖化予測も

IPCCの温暖化予測は、原点でこれからのエネルギー消費構造が基礎となっている。だがこれは石油ピークなど、科学的なエネルギー需給についての学識を十分反映していない

ASPOなどの科学者は、IPCCの予測の最低ラインをも下回るエネルギー供給が精一杯と考えている。それが下図の赤線である。当然、今後の温暖化のレベル、海水準の上昇予測に大きく影響する。
2100年の温度上昇はIPCCの最低とされる0.8゜C程度となる。今更ながら温暖化問題にも、真の科学が必要のようである。欧米の情報をいつまでも鵜呑にしていては、ポスト京都など、国際的な場で判断を誤る怖れがある
次の図はIPCCとASPOなど、エネルギー供給可能性について見解に相違があること示す。詳細は下記「more」ご参照。
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More 図面の解説
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by tikyuu_2006 | 2007-07-14 10:42 | エネルギー、環境

地球温暖化は「結果」である: 「石油ピーク」からその理念を見直そう

地球温暖化の論議は盛んである。バンコクでのIPCCの会議で、今後GDPの3%の費用を、という話などもある。だが、ここで改めて視点を変えてみる。地球温暖化が大変だから、化石燃料を使ってはいけない、のではなく、化石燃料を使いすぎるから地球温暖化がおこる、と考えるべきである。 しかも石油は有限、論理が逆なのである

論理が逆転しているから、二酸化炭素排出量が減らない、対策の成果が上がらない。 事実、エネルギー消費は今も増え続け、二酸化炭素排出量は増加の一途。 環境技術、省エネ技術は百花繚乱だが、一向に成果が上がらない、どうしてか?
アジアに省エネ技術を売り込もう、環境技術もとなるが、環境対策の原理原則とは、その源にメスを入れること、日本の技術至上主義が本来の理念をあいまいにしている。

言うまでもないが、温暖化問題はエネルギー問題そのものである。「石油ピーク、エネルギーピーク」も知らずに、合理的な温暖化対策も国際的説得力もありえない。為すべきことはわかっている、脱石油戦略は先ず脱浪費、そうすれば最も効果的な温暖化対策となる。 自分で本気に考えさえすれば、その意味がわかる。
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by tikyuu_2006 | 2007-07-06 07:05 | エネルギー、環境

高EPRから低EPR時代へ: 「石油ピーク」の備えは「集中から分散」

石油の価格がまた、バレル当り70ドルを超えました。これは構造的なのです。生産が需要に追いつかなくなっています。世界はすでに石油ピークを2005年に迎えていたのです
当局は認めませんが、世界最大の産油国、サウジですら2005年が生産ピークであった、2006年には8%も減ったようです。世界的にEPR(Energy Profit Ratio)の高いエネルギー源が減退し始めたのです。

自然エネルギーは拡散しており、EPRが低いのです。ほとんどの新エネルギーもそうです。これは、文明が高EPR時代から低EPR時代に入ったことを意味します。高度成長はもう望めない、指数的な経済成長は過去のこととなるでしょう。

自然の恵みである質のよい「濃集された資源」があってこその繁栄です。それが地球規模で限界に来ているのです。
人類は高EPRエネルギーなど作り出せない、メディアなどで話題の、先端的なエネルギー技術などに惑わされないことです。技術は万能ではないからです。 「脱浪費」こそが、最大のクリーンエネルギー源なのです。「もったいない」をその行動原理としたいものです
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by tikyuu_2006 | 2007-06-30 06:45 | エネルギー、環境

2005年、サウジと世界が同時に原油生産ピークだったのか

2004年~5年、サウジアラビアの原油生産量が天井を打っていた、2006年には8%も減少したという。
実は2004年頃から原油生産は天井を打っており、掘削リグを3倍に増やしても、減少傾向は止められなかったようである。そして2006年は8%減となった。これが2004年までの、従来の変動パターンと明らかに違うのも気になる。世界の原油生産も伸びない。2005年の5月が最大、その後は減り2007年は日産で百万バーレル下回った。何かが構造的に変わりつつあるのか

今後、日本としても様々な公式、非公式を問わずにデータ、情報を注意深く観察、分析する必要がある。
最近原油価格がバーレル60ドル台で推移するが、ひところ100ドルも、と懸念されたがそうなっていない。これは生産量が増えているから、と楽観する向きがあるが、そうではないという。発展途上国など、もう高すぎて買えないという。国際的な投機資金も、大きな価格変動要素である。

21世紀、もう自分で、「徹底して考える」ことである。そうしないとノー天気な日本、楽観的なことにしか耳を貸さない日本、欧米にいつまでも「してやられる」。メディアに氾濫する地球温暖化論議も例外ではない。繰り返す、自分で徹底して考えよう、「もう明治ではない」のだから。
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by tikyuu_2006 | 2007-06-05 09:01 | エネルギー、環境