カテゴリ:エネルギー、環境( 57 )

alterna【オルタナ・インタビュー記事】

「低エネルギー社会」はEPRが決め手
”石井吉徳氏(東京大学名誉教授)インタビュー”
http://www.alterna.co.jp/6087

「3・11」を通じて、原子力発電の危険性をまざまざと思い知らされた日本。だからといって原油への回帰は、世界がすでに「石油ピーク」を迎えた中では限界がある。資源価格も高騰している。自然エネルギーの普及はどう進めればよいのか。石井氏はEPR(エネルギー収支比)を踏まえた「低エネルギー社会」の実現にこそ展望があると説く(以下略)

石井吉徳氏 東大理学部(地球物理学)卒、同工学部教授、国立環境研究所長を経て、石油ピークを踏まえた低エネルギー社会を提唱。東京大学名誉教授、NPOもったいない学会会長。


2)本記事はヤフーニュースでは上中下にわけて掲載されています。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110706-00000303-alterna-bus_all
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110706-00000306-alterna-bus_all
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110706-00000307-alterna-bus_all

3)alterna本誌、July2011,25号、p15にはコラムが。

以上
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by tikyuu_2006 | 2011-08-17 07:51 | エネルギー、環境

福島原発事故についての緊急建言

福島原発事故についての緊急建言 2011/4/1 専門家が、文科省記者クラブで公表

はじめに、原子力の平和利用を先頭だって進めて来た者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたします。

私達は、事故の発生から速やかな事故の終息を願いつつ、事故の推移を固唾を呑んで見守ってきた。しかし、事態は次々と悪化し、今日に至るも事故を終息させる見通しが得られていない状況である。既に、各原子炉や使用済燃料プールの燃料の多くは、破損あるいは溶融し、燃料内の膨大な放射性物質は、圧力容器や格納容器内に拡散・分布し、その一部は環境に放出され、現在も放出され続けている。
特に懸念されることは、溶融炉心が時間とともに、圧力容器を溶かし、格納容器に移り、さらに格納容器の放射能の閉じ込め機能を破壊することや、圧力容器内で生成された大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことである。

こうした深刻な事態を回避するためには、一刻も早く電源と冷却システムを回復させ、原子炉や使用済燃料プールを継続して冷却する機能を回復させることが唯一の方法である。現場は、このために必死の努力を継続しているものと承知しているが、極めて高い放射線量による過酷な環境が障害になって、復旧作業が遅れ、現場作業者の被ばく線量の増加をもたらしている。
こうした中で、度重なる水素爆発、使用済燃料プールの水位低下、相次ぐ火災、作業者の被ばく事故、極めて高い放射能レベルのもつ冷却水の環境への大量の漏洩、放射能分析データの誤りなど、次々と様々な障害が起り、本格的な冷却システムの回復の見通しが立たない状況にある。
 一方、環境に広く放出された放射能は、現時点で一般住民の健康に影響が及ぶレベルではないとは云え、既に国民生活や社会活動に大きな不安と影響を与えている。さらに、事故の終息については全く見通しがないとはいえ、住民避難に対する対策は極めて重要な課題であり、復帰も含めた放射線・放射能対策の検討も急ぐ必要がある。

 福島原発事故は極めて深刻な状況にある。更なる大量の放射能放出があれば避難地域にとどまらず、さらに広範な地域での生活が困難になることも予測され、一東京電力だけの事故でなく、既に国家的な事件というべき事態に直面している。
 当面なすべきことは、原子炉及び使用済核燃料プールの状況を安定させ、内部に蓄積されている大量の放射能を閉じ込めることであり、また、サイト内に漏出した放射能塵や高レベルの放射能水が環境に放散することを極力抑えることである。これを達成することは極めて困難な仕事であるが、これを達成できなければ事故の終息は覚束ない。
 さらに、原子炉内の核燃料、放射能の後始末は、極めて困難で、かつ極めて長期の取組みとなることから、当面の危機を乗り越えた後は、継続的な放射能の漏洩を防ぐための密閉管理が必要となる。ただし、この場合でも、原子炉内からは放射線分解によって水素ガスが出続けるので、万が一にも水素ガス爆発を起こさない手立てが必要である。 

事態をこれ以上悪化させずに、当面の難局を乗り切り、長期的に危機を再発させないためには、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、関係省庁に加えて、日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所等、我が国がもつ専門的英知と経験を組織的、機動的に活用しつつ、総合的かつ戦略的な取組みが必須である。
私達は、国を挙げて福島原発事故に対処する強力な体制を緊急に構築することを強く政府に求めるものである。

石野 栞    東京大学名誉教授
柴田 徳思   学術会議連携会員、基礎医学委員会。総合工学委員会合同放射線の利用に伴う課題検討分科会委員長
住田 健二   元原子力安全委員会委員長代理、元日本原子力学会会長
田中 俊一   前原子力委員会委員長代理、元日本原子力学会会長
長瀧 重信   元放射線影響研究所理事長
永宮 正治   学術会議会員、日本物理学会会長
成合 英樹   元日本原子力学会会長、前原子力安全基盤機構理事長
広瀬 崇子   前原子力委員、学術会議会員
松浦祥次郎   元原子力安全委員長
松原 純子   元原子力安全委員委員長代理
諸葛 宗男   東京大学公共政策大学院特任教授
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by tikyuu_2006 | 2011-04-03 19:51 | エネルギー、環境

自然エネルギー100%は可能か (その1)

自然エネルギー100%は可能か (その1)石井吉徳2011年03月02日 12:45

石油ピークはもう来ています。
この石油減耗時代、石油代替エネルギーが必要であること、何人も容認しますが、それから見解は分かれます。

代表的なものを順不動で列記します。
天然ガス、石炭、原子力、太陽、風力、小水力、バイオマス、海洋温度差、波浪などと様々。大別すると、在来型、非在来型となるでしょう。また非在来型の代表が、自然エネルギー、新エネルギーという言葉も盛んに使われます。

そこで問題、どれが本命、望ましいのか、未来世代まで継続可能で、環境にもやさしいのか。議論百出、識者の見解はまちまち、収拾つかない、自画自賛、我田引水で、税金を投入するプロジェクトが、乱立することとなります。

本稿は、それを基本に戻って整理するものです。
焦点は自然エネルギー、それを逐次連載するつもり、今回は(その1)です。

先ず、エネルギー資源、新エネルギーの評価は何らかの基準が要ります。それにはEPR、エネルギー収支比が適しています。エネルギーの出力と入力の比ですが、1以下では意味が無い、文明を支えるにはEPRが大きくなければならない、出来れば10以上と。

「EPRはエネルギーの質」を評価するものです。
より一般に、「資源は質ば全て」ということです。これが日本で忘れられ勝ち、科学技術で、イノベーションでと楽観論が展開されます。しかし資源とは自然の恵み、その要が「質、濃縮されている」、ということです。

以上の基本から、本題の自然エネルギーを考えます。
太陽、風力などはエネルギー密度が低い、濃集されていない、それを集めるにはエネルギーが必要となります。

もう一つの問題、それらは間欠的であること、夜は太陽が照らない、曇りも駄目、風もいつも吹くとは限らない、自然エネルギー100%は原理的に無理なのです。とても、今の大量消費型の工業社会の維持は不可能です。そこで考えるべきこと、先ず、無駄、浪費しない、徹底した「低エネルギー社会」の構築です。

分散する自然エネルギーを、出来るだけ分散した状態で利用する、地産地消を工夫することです。間欠性には、エネルギーの蓄積が必要です。

このように考えてくると、例えば、サハラ砂漠の1%の面積で太陽発電すれば、ヨーロッパ全体のエネルギーが賄える、という「お話」などは科学合理性を欠く、とわかって来ます。これは「当たり前」、自分ですこし考えればわかることなのです。

以上、その1)の終わり。
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by tikyuu_2006 | 2011-03-06 15:33 | エネルギー、環境

シェール革命、その資源としての意味、自然環境問題とは

アメリカのシェール革命 

1)「シェール革命断章取義」-開発サイドから見たその実相、実態
椙岡雅俊、国際石油開発帝石株式会社代表取締役副会長:石油開発時報 No. 178(2013, 08)の論説、
本人のご了解を得てBlogに掲載したもの、現時点で、もっとも優れたシェールオイル・ガスについての解説。
http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/pdf_files/sugioka.pdf

2)シェール開発、革命の実態とは
環境にやさしいとされる天然ガスだが、激甚な環境汚染も 
この非在来型のガスは昔から存在は知られていたが、質が悪くコスト高、いままで手を付けなかっただけ。<通常の多孔質の石油・天然ガス層からのほうが、採掘も容易で儲かった。
それが新エネルギーといして脚光を浴びてきたもの。生産は地下に大量の水、砂、化学物質を圧入する。 この時、汚水とともにメタンも地下に広く浸透する。地下水に混入する、井戸水に、家庭の水道、水源の河川も汚染されている。新たな公害として、今では大きな社会問題となっている。

●新エネルギーとして喧伝される、シェールガス。地下の頁岩層を水平ボーリングで、今まで手を付けなかった天然ガス、環境にやさしいとされた天然ガスも、この非在来型では、大量の水が化学物質と一緒に圧入される。わずかの割れ目を開いて、水とともに天然ガスを生産する。

3)シェールオイル・ガスの減退は早い、低EROI=EPRで環境問題も
(下図米Bakkenの例)
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http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/

●IEAはガス資源は膨大と、楽観論を展開するが、そう単純ではない。生産の初期減退は激しく、掘削井の数は増える、そして当然、地下水、水源は汚染される。家庭の水道の栓に火をつければ、ガスが燃える。
「新エネルギー」というエネルギーなどない。
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by tikyuu_2006 | 2010-08-05 10:06 | エネルギー、環境

間違いだらけの「太陽エネルギー推進論」

間違った太陽エネルギー推進論の典型、その一例です。

地球に届く太陽エネルギーの量は太陽の出す量のごく一部というものの、それでもなお膨大で一秒間で176兆キロジュール(42兆キロカロリー)といわれている。他方、世界中で化石燃料や原子力など種々のエネルギー源を使って生活しているが、そこで使用されている年間のエネルギー量は地球に届く太陽エネルギーの約1時間分と同じといわれている。となれば太陽エネルギーは、量の点から見ればまったく問題はないことになる。残る問題は経済性の問題と使い勝手の問題であろう

これが間違いなのです。 「質の概念」がまったくないのです。エネルギーは「質」がすべてです。石油文明の終焉にあたりこの誤解は重大です。エネルギー収支比、EPRで考えないと戦略を根底で誤ります。
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by tikyuu_2006 | 2010-07-18 08:02 | エネルギー、環境

メキシコ湾の石油事故と「石油ピーク」:オバマ演説からの視点

メキシコ湾の石油事故は、史上最悪の海洋環境破壊です。これについて、オバマ大統領は、戦争や大災害など国家的な危機の時に慣例となっている執務室からTV演説しました。(日本時間2010年6月16日)

事故そのものについては、日本でも報道されていますが、実は、これは「Easy oil」の終わり、「安く豊かな石油時代の終焉」を象徴する、文明の変換期を意味するのです。
かっての海底油田とは、大陸棚200m程度の水深で、2000mほどの掘削深度でした。それでも陸上油田よりコスト高、本質的にはエネルギーコスト高、つまりEPRは低下していました。今回のBPの場合は、水深1.6Km,海底面下3,8kmと、全く意味が違うのです。

日本では未だに、非在来型の石油がまだまだある、カナダのタールサンド、アメリカのシェールガス、石油などなど、と石油代替があると思われていますが、そうではないのです、それは以前は手も付けなかった、とだけのことです。シェールガスも、水平ボーリング、水圧破砕などの新技術を高く評価するのですが、資源の質、環境問題の視点からよく考える必要があります。

石油ピークがこのような非在来型資源開発の真因なのです。今も「石油ピーク」を忌避する、自然、地球の限界を容認しない人は多いですが、もう現実を直視しないと、資源、食糧も自給できない日本は大変なことになる。日本の未来資源などと、メタンハイドレートが喧伝されますが、これも間違いです。

メキシコ湾の油田事故は、「石油ピークを象徴」していると考えると、世界、日本の課題、人類問題の本質が透視出来ます。どうぞ、ご自分でじっくりお考えください。

大統領の演説には、「結局のところ石油は有限資源」という、重要なくだりがあります。それは・・・After all, oil is a finite resource・・・・の部分、そしてもう陸、浅海に油田を開発する場所がない、 アメリカの石油依存の体質から脱却すべきと述べます。 その全文moreをご覧ください。
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Moreオバマ演説の全文
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by tikyuu_2006 | 2010-06-27 20:16 | エネルギー、環境

もう一つのスリーマイル島?

メキシコ湾の油井事故、もう一つのスリーマイル島か。石油生産ピークを加速するのか?

石油開発の歴史上、最大の海洋石油事故、汚染は広大な範囲に広がりつつある、生態系の破壊は想像もつかない。 とても技術では、止められそうにない。シュワルツネッカーは、カルフォニア沖の油田開発に待ったをかけたとか。
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by tikyuu_2006 | 2010-05-07 20:06 | エネルギー、環境

楽観的なIEAーWEOレポート、非在来型シェール・ガスへの大きな期待だが

皆さん、今年最大の問題についてです。

1)2009年11月、国際エネルギー機関IEAは「2009WEOレポート」を出しました。その日本語サマリーは、いつものように基本的に楽観的ですが、今回特に気になるのは「シェール・ガス」という非在来型天然ガスが、今後大幅に増産可能、心配ない、と述べていることです。資源の「質」が考慮されない、EPRの視点を全く欠くのです。「地球は有限、資源は質が全て」という発想がないようです。

2)このIEAレポートについて、事務局長の田中伸男氏が日本で11月、プレスセンターでご講演、質疑を入れて一時間、それが全てインターネットに公開されています。また関連してのご意見、youtubueでも見られます。

いずれも、とても参考になります。例えばCO2排出権について、マネーゲームに温暖化を利用したいヨーロッパに応えてか、CO2に値段をつけよ、というご見解は驚きです。
そして「石油ピーク」について、需要ピーク、供給ピークという表現で「ピーク」に言及されますが、基本的に「需要サイド」の見解、「需要は満たされる」というエコノミストの信条が吐露されます。その為には「供給が可能」でなければならないとなりますが、それには最近、アメリカでは非在来型の「シェール・ガス」の生産が増えていると楽観的です。
しかしこれは、実際には減退が激しく、初年度で6~70%も減退するようです。故に生産は極めてコスト高となり、ガス価格の高値安定が不可欠となります。

3)さらに本質的には、エネルギー資源論からEPR(EROIと同意義)的に「シェール・ガスはエネルギー損失」となるのです。これについて興味ある見解をご覧下さい。これは「錬金術の逆」と皮肉って批判しています。
しかし「自分で考えない日本」です。IEAの見解など国際機関の言うことを、そのまま受入れます。疑いもなく信じるのです。そしてもう政府機関などは楽観論を展開しています。
このように国際機関の主張は、鳩山政権、25%削減の主張の根拠になり、IEAの見解はそのまま日本の温暖化、エネルギー戦略、政策となるのです。

4)講演会場で、日本を代表する経済紙の記者が、「石油ピーク」について質問されてます。私の知っている方でしたが、その返答が上記なのです。このようにしたて日本社会は「未来への理念」を構築できない、ブレ続ける、「石油ピーク」など認めない、となるようです。
しかし「地球は有限、資源は質が全て」です。藁をも掴みたい気持はわかりますが、EPRすら考えない楽観論では国は危ないのでは。太平洋戦争時代の二の舞だけは避けたいもの、「神風は吹かない」のです。
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by tikyuu_2006 | 2010-01-05 21:13 | エネルギー、環境

「二酸化炭素による地球温暖化説は誤り」:赤祖父俊一アラスカ大名誉教授

二酸化炭素による地球温暖化説は誤りー排出権取引は日本を衰退させるという見解である。アラスカ大学のオーロラ研究で名高い赤祖父俊一博士は、過去百年の0.6度ほどの気温上昇は科学的な事実だが、その大部分0.5度程度は自然現象とかねてより主張されている。

それを最近、「週間ダイアモンド誌」に寄稿された。これはIPCCを絶対視する日本への警世の書となっている。特に排出権取引で、膨大なお金を海外に支払うのは国益に反する、海外から日本を見るとハラハラすることばかり、と言われる氏が淡々と語る「温暖化論」は説得力がある。

地球物理学者から見れば、太古から自然、気候は大きく変動しており、今の温暖化傾向はかっての小氷期からの回復過程と考えられる、との科学的な見解は傾聴に値する。
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by tikyuu_2006 | 2009-08-02 10:29 | エネルギー、環境

IPCCは科学的とは限らない、赤祖父俊一氏の気候変動についての見解

赤祖父俊一氏の温暖化予測(現代化学2009年5月別刷)はIPCCとかなり違い、小氷期からの回復過程の上に数十年の準周期変動が重なった、図のような傾向にあるという。今は温暖化は止まり、むしろ下降傾向、2008年の気温は赤の一点と矢印で示したところにある、との見解は注目に値する。
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今後の温暖化対策、国際的な交渉に、このような自然科学的な見解は、大いに参考にすべきではなかろうか。

今、日本に最も必要なこと、それは「真の科学」である。それには欧米追従は止め、「自分で考えること」である。

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by tikyuu_2006 | 2009-06-12 00:04 | エネルギー、環境