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カテゴリ:自然と共存、分散型社会( 1 )

脱石油戦略、脱石油依存を考える: 日本工学アカデミー・科学技術戦略フォーラムからのメッセージ

世界経済最大の不安要因「石油」に発するエネルギー・資源、食料供給不安は「石油文明の終焉」を予感させる。多発する紛争は人類最後の石油争奪戦かもしれない。国内外の公的見解にも拘らず、石油産出国の供給余力は急速に減退しつつあり、石油の供給が需要に追いつかない「石油減耗時代」が到来しつつある。小泉総理は「脱石油戦略」、そして「もったいない」という無駄な資源、エネルギーを使わない社会をと述べている。ブッシュ大統領は一般教書において、アメリカは「石油依存症」から脱却しなければならないと強調したが、これは全人類の最大課題というべきである。だが、現実には、石油消費は増大の一途である。地球温暖化対策も一向に進まないが、深刻化する異常気象多発の中で、既にポスト京都議定書も課題となった。これには石油減耗も視座に入れる必要があるが、未だ人類は石油に代わるエネルギー源、常温で流体の燃料を持ち合わせない。本年2月G8財務相サミットも対応具体策に欠け、市場経済依存の限界を垣間見させたが、来る7月G8サミットでの中心議題とされる原油高騰・安定供給不安に、日本はどう戦略的に対応するのか。根本的には、文明史的転換期に対応可能な、真に役立つ科学技術戦略、技術革新が求められる。米国、EUも脱石油依存を軸に政策転換を模索している。中心課題は、先ず在来型エネルギーインフラによる社会の論理再構築である。そして自然・再生エネルギーの促進、国民に理解される原子力エネルギー政策などである。しかし、その基本は「脱浪費社会」である。エネルギーの殆ど全て、食料の大半を海外に依存する日本だが、最後の石油争奪戦、激動世界に如何に生きるか、海に囲まれた日本列島に住む知恵、自然との共存が問われている。欧米を中心とした産業文明の近代世界システムが崩れつつある今、我が国の伝統的自然尊重思想のもとに、新しい世界システムの構築が求められている。(2006年5月26日、日本学術会議シンポジウムの趣旨)
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by tikyuu_2006 | 2006-05-01 10:05 | 自然と共存、分散型社会