カテゴリ:新しい文明の構想( 75 )

人を捨てるのは「もったいない」

日本社会は人を捨てている。
60歳定年のことである。いわゆる団塊の世代のことである。まだまだ働ける、やる気のある人を日本社会は定年60歳で捨てている。その一方で少子化を心配する日本のリーダー達、何かがおかしい。
最近、NPOなどでも講演をよく頼まれる、「石油ピークは農業ピーク、そして文明ピーク」と述べ、それは技術開発の問題ではないもっと本質的なことである、原理原則的に脱浪費が欠かせない、人口は少ないほど良い、とのべると年配者から強い反応がある。

地球は有限、自然にも限りがある、と私の思考の原点を説明し、1970年ころはエネルギー消費量は今の半分、人口は1億人、食料自給率は60%、日本人の心は今より豊であったという私の思想をのべると、その意図、意味はという質問である。
この1970年を目標とするは、今の経済成長至上主義、マネーが全て社会と真っ向から対立する。
だが日本は当時、それなりに確かな国であった。 リストラ、ホームレス、フリーターなどという人を粗末にする、される不安さなどはなかった。
如何であろうか、人を捨てない心の豊な社会を構想する、というのは。
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by tikyuu_2006 | 2007-01-27 16:41 | 新しい文明の構想

NHKとエネルギー、環境問題:まず有限地球観の理解を

NHKが年末年始、エネルギーと環境問題についの特集番組をTV、ラジオで報道した。それについてはすでに4回、BLOGのコメントで述べたとおり、すべて一人の論客、寺島実郎氏の強い個性、主張に全面的に依存した番組だった。寺島氏の国際的な視点でのダイナミズムは流石であったが、反面ゲストの方々は、同じ経済至上主義の堺谷太一氏をのぞいて影が薄かった。むしろ結果としてそうなった、お気の毒と言うべきかも知れない。経済成長一辺倒のこの一連の企画、初めからの予定稿に合わせたに過ぎないようである。ゲストは添え物出しかなかったのか。多様性を認めようとしない、日本社会の画一的な体質が現れたにすぎない。

かくしてNHKの年末年始の特集はビジネス、マネー主義で論理深度の浅いものとなった。地球は有限である、自然にも限りがあるとも思わない、理念、哲学に乏しいいつもの環境エネルギー論だった。
環境問題も地球温暖化論の決まりきったパターンが繰りかえされ、その対策も聞きなれた技術論に終始した。エネルギーも石油ピークなど気にも留めない、技術万能となった。
昨今の日本の妙な楽観論だが、聞きたくないことは聞かない、見たくないものは見ない、深く考えない、欧米、特にアメリカの主流に沿って「分かったつもり」の風潮の典型なのかも知れない。
その結果、日本経済の無限成長願望、万能の技術となるのだが、本当に日本はそれで大丈夫なのだろうか。NHKは国民が視聴料を払わねばならない公共放送である、色々な意見に耳を傾ける必要があろう。初めに予定稿がありそれにあわせて「いわゆる有名人」を、では国民の支持は得られまい。もう市民は覚めている。

だがNHKは日本で最高のスタッフ、能力を持つ組織である、方向、理念さえしっかり見定めさえすれば大きな力となろう、今後の活躍には期待している。
私は地球物理学者である。地球は有限、自然にも限りがあるが基本理念であり、現代工業化社会の大量生産型の浪費文明が、人類の心と本質的な生存基盤を喪失させるているのではと思うのである。
技術万能のマネー社会は、新たな問題すら作りつつある。流行のバイオエタノールである。一見すると温暖化対策として未来型だが、人が車に食料が奪われる時代を招きつつある。
温暖化、代替石油などの対策技術は、問題をむしろ深刻化する可能性すらある。ジェヴォンズのパラドックスである。

最近、レスターブラウンは近い将来、穀物価格が人類が経験したことがないほどの高値になると警告し、アメリカのエタノールプラントのコーン需要も過小に見積もられていると述べている。
拝金、強者必勝の競争原理が世界各地で人心を崩壊、伝統の人のつながり、コミュニティーを分断、そして地球規模で人類の生存基盤は喪失する、と警告する人が増えている。
真実を報道するのが、公共機関NHKの本来の使命、日本の科学者、大学も人類の未来についての正しい見識を社会に展開して欲しいものである、大学とは本来そのためにある
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by tikyuu_2006 | 2007-01-06 23:59 | 新しい文明の構想

もったいない:出来ることは目の前に―その2

石油ピークは常温で流体燃料の問題です、先ず運輸に影響が来るのです。そこで車に出来るだけ乗らない、相乗りする、短距離は歩くなど、出来ることは目の前にあります。
そしてもう一つ、石油ピークはグローバリゼーションを直撃します、船賃が上がるからです。
日本の地域で作られる生鮮食料をできるだけ買いましょう。それが地域の復活、コミュニティーの再生、人の心の繋がりを促すでしょう。
「もったいない」運動は、成長至上の拝金主義で失われた、日本の心を取り戻すきっかけとなる筈です。
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by tikyuu_2006 | 2006-12-31 10:12 | 新しい文明の構想

人類は無限に成長は出来ない、モノより心の豊かさを

地球が有限である。これは地球物理学者の私には当り前なのだが、エコノミスト、技術者、企業家などには本当にわからないようである。 だがエネルギーは質が全てEPR,資源の3原則、エントロピー法則などを理解すれれば、環境、エネルギー、資源など人類問題の原点が透視できるようになる。
繰り返す地球は有限、人類の生存基盤も無限ではない、だから「もったいない」なのだ。
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by tikyuu_2006 | 2006-12-17 23:23 | 新しい文明の構想

ピークオイル論とイースター島の教訓

(石油技術専門誌「ペトロテック」:巻頭の時評、2005年4月13日、とても分かりやすく良い内容なので、東京大学工学系 六川修一教授のご了解を得てご紹介します)

わが国の最も大きなアキレス腱であるにもかかわらず、最も理解されていないものの1つがエネルギー供給の問題である。
国際的な石油地質学者であるCampbellらが主宰 するASPO(ピークオイル・ガス研究協会)は、米国における石油生産のピーク(ピークオイル)予測を的中させたHubbert 曲線を世界の在来型石油資源に拡張し、2010年以前のピークオイル到達を予想している。
しかしながらこの石油ピーク論は少数派の理論として必ずしも社会に受け入れられてはいない。それは、これが優れた石油文明論、しかも人類には受け入れがたい現代文明論になっているからである。

すなわち、20世紀半ばに始まったばかりの石油文明が、わずか50年余にしてその生産のピークを迎えるということは、残りあと50年、すなわち、わずか1世紀あまりで現代文明の繁栄が消滅することを示唆するからである。

実はこれに類する歴史的事実が既に存在する。モアイ像で知られる南海の孤島イースター島は、豊かな森林資源を使って16世紀当時としては世界的にも優れた文明を築き上げた。しかし、その文明を支えた森林の 急激な伐採によって、17世紀初頭には、とうとう島のすべての森が丸裸になってしまい、その結果、島の生活基盤そのものが崩壊してしまったのである。

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by tikyuu_2006 | 2006-05-08 16:13 | 新しい文明の構想