カテゴリ:これからの日本( 83 )

民主党経済成長戦略の「非現実」:加速度的に接近する危機を意識せよ

成長願望に応えてか、鳩山政権は積極的な経済政策を掲げます。しかし「地球は有限、資源は質が全て、指数関数的な無限成長は無いものねだりなのです。それをわかり易く解説した記事が、新しいメディアである「日本ビジネスプレス(JB Press)」に出ています。下記です。

「民主党経済成長戦略の「非現実」:加速度的に接近する危機を意識せよ」
掲載して人気第一位。投稿者は「もったいない学会」の会員で評議員、30代の気鋭の大学準教授です。どうぞご覧を!

鳩山政権、日本のリーダが、何がわかっていない?それはエネルギー問題が全くわかっていない、文明のかたちは、エネルギーで決まる、何故? エネルギーが無ければ、何も動かない、何も作れないから!
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by tikyuu_2006 | 2010-01-19 13:38 | これからの日本

総理を「鳩ポッポ」にしないために

鳩山総理を鳩ポッポという人はいるそうな、たとえば前財務大臣の藤井さん? 世論支持率も下降気味だが、総理を「鳩ポッポ」にしないためには、ご本人が、1)本物の理念を持つことです。 それには自分で学ぶ、勉強するしかないのです。

先ず「低エネルギー社会」を目指すこと、脱炭素ではなく。 温暖化で25%CO2削減は、一見格好はよいが、したたかな国際力学、社会では、影響力は殆どないのです。東大工学部ご出身の秀才、どうしてそんなことがわからないのでしょう。25%二酸化炭素削減で、国民にどんな負担があるか、説明も相談もしないで、ただ海外で話すのでは、鳩ぽっぽ、といわれても仕方ない?

2)「地球は有限、資源は質が全て」、EPR(Energy Profit Ratio:エネルギー利益率)を理解する。 そして3)温暖化の科学もお忘れなきように。ボンボンかもしれませんが、鳩山さんは逸材、政治家にしては欲がなく真面目な人、国民が上手に育てるべきでは!?
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by tikyuu_2006 | 2010-01-11 08:58 | これからの日本

IPCCの温暖化危機論を自然科学から考える

2009年のコペンハーゲンCOP(締約国会議:Conference of Parties)15、結果論ですが日本のみが大きく国益を損ずることなく終り、ホッとしています。

関連して、3件の見解です。


1)本来、地球温暖化論はエネルギー問題そのものです。が、IPCCのみ話題とされIPCCコンピュータ・モデルが基とするIIASA(国際応用システム分析研究所)エネルギーモデルの科学合理性は話題にすらないようです。
私は以前より、IIASAエネルギーモデルそのものに問題がある、と繰返していますが、メディアは勿論のこと、大学、エネルギー専門家すら全く無関心、ただひたすらにIPCCからスタートするようです。不思議なことです。

これについては改めて、拙ホームページをご覧下さい。
http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/oil_depletion/aspo_oil_peak.html

2)そして「低エネルギー社会ー日本の科学技術も改革が求められる」もご参照を。

3)次は、アラスカ大学, 国際北極圏研究センターの赤祖父俊一先生による「クライメートゲート事件とコペンハーゲン会議」です。

More:クライメートゲートとIPCC
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by tikyuu_2006 | 2009-12-24 10:28 | これからの日本

新政権への提言:「石油ピークと人類未来」 もったいない学会 会長

鳩山政権への提言である:「石油ピークと人類未来」 2009年11月 もったいない学会 会長 石井吉徳

(1)エネルギー:石油ピーク、EPR、低エネルギー社会
「地球は有限、資源は質が全て」、エネルギーが「文明のかたち」を決める。それはエネルギー無しに何も動かず何も作れないからである。今石油文明が限界に来ている。
石炭、原子力、太陽、風力発電ですら石油が頼りである。この文明の生血、石油の生産が需要に追いつかなくなる、それが「石油ピーク」である。
これは食料ピーク、現代農業は肥料、農薬、機械など全てに石油、天然ガスが欠かせない。そして農作物が消費者に食品として届くまでの流通、加工に石油が更に使われる。

合成化学原料も石油、天然ガスである。 車、飛行機、船も流体燃料で動くから、石油ピークはグローバリゼーションを直撃する。つまり「石油ピークは食料ピーク、そして文明ピーク」なのである。
しかし社会はそうは思わない人が大勢である。まだ石油はある、新エネルギーも技術によって、さらにメタンハイドレート、水素エネルギー、海洋エネルギー、宇宙太陽発電など技術開発で可能という。だが、それは「質」を考えていない。

石油ほど質のよい優れた濃縮した資源はないのである。石炭液化もエネルギーが必要であり、資源も有限である。原子力で水素をと言う見解もエネルギー収支比、EPRで評価すべき。しかも水素は扱い困難、社会インフラを全て変えるレベルである。
長期的に太陽、風力、小水力などの自然エネルギーに期待だが、量は膨大だが濃集していないことを念頭に地域分散型で考えるが、最も重要なことは先ず脱浪費である。永遠に量的成長を望まない。

経済恐慌の真因は石油ピーク、財政投資の効果は一過性でしかない。1929年の大恐慌当時と違い資源制約が根本にある。今後、文明は「長い下り坂」に、それにどう対応するか本気で考えることである。中国、インドなどの内需拡大に期待しても、一時的、彼らの国内資源も有限だから。

(2)環境:温暖化と国際的な力学、国益
地球温暖化の危機は喧伝さるが、地球の資源制約は語られない。もう来ている石油ピークは温暖化より重大であると認識することである。そして温暖化を科学的に理解し、石油ピークのもたらす危機に備えるのである。

IPCCを絶対視するが、そのモデルは科学的なエネルギー論を欠く。IPCCのいう過去100年の地球温暖化は科学的事実であるが、その0.5℃/100年の上昇は自然現象のようである。しかも2000年 頃より気温上昇が止まり、むしろ降下ぎみである。この観測事実はIPCCの予測に反する。
過去1000年の気候変動から、今は1400~1800年頃の「小氷河期」からの回復にあるという。それに約30~50年周期の準周期変動が重なっており、今は下降気味で温暖化が止まった可能性、という科学的見解は無視できない。
IPCCのコンピュータ・モデルは計算である。それが今では「事実」にすり替わった。太陽活動の影響も無視できないと科学者は述べている。科学を尊重しない対策は国益に反する。

もう一つ重要な視点がある。地球温暖化がエネルギー問題であること。IPCCのモデルはIIASAのエネルギー予測使っている。このIIASAエネルギー・モデルが科学合理性を大いに欠くのである。楽観論に支配され、「石油ピーク」は全く考慮されていない。資源制約を考ないIPCCの論理を絶対視してはならない。
地球社会にとって資源制約こそ重大である。「低エネルギー社会」を目指すべきなのである。そうすれば自ずと脱炭素が含まれる。

(3)中央と地域:地方主権、地産地消、日本のプランB
人間は自然の恵みで生かされている。資源制約には自然と共存する科学技術、英知が必要である。未来はモノ作り技術ではなく「知恵の技術」が大切である。
究極的な社会の役割とは、人の口に食べ物を運ぶこと、である。脱石油社会の基本は「集中から分散」である。
地域主権、分散型で農漁業、自立、自存社会を目指す。流通、加工の仕組みを改革する、生産者が潤う仕組を構想する。その主役は地域・コミュニティー、地方分権も地方官僚に権力を移すだけにならないよう注意する。

そして日本の「もったいない」の心を大切にする「日本のプランB」の10カ条である。日本の自然、地勢を取り入れ、大陸でない日本を念頭において、
1)浪費、無駄しない、日本は世界6位の「海岸線の長さ大国」、大陸ではない山岳75%
2)西欧文明の終焉、脱欧入亜を目指す、アメリカ主導のグローバリズムは自壊する
3)1970年頃を目指そう、当時エネルギー消費は半分、食料自給率は60%、現在より「心は豊か」であった
4)少子化、人口減をチャンスとする、民族の生存には人口少ないほど有利、年長者も働く
5)流体燃料危機である、車社会を見直し、鉄路、公共運輸の充実、自転車を利用する
6)集中から地域分散、低密度の自然エネルギーは分散利用、評価はEPR(エネルギー収支比)
7)日本列島を有効に使う、石油依存農業の見直し、地産地消の自然農業、分散社会への知恵の技術、
8)循環社会は3R;Reduce(減量)Reuse(再利用)Recycle(リサイクル)の順、先ず減量
9)効率優先社会の見直し、集中から地域分散、自然と共存をはかる、これは60倍の雇用を生む
10)GDPの無限成長より「心豊かに」、「もったいない」、「ほどほどに」、「人のつながり」を重んじる社会


以上
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by tikyuu_2006 | 2009-11-17 11:49 | これからの日本

温暖化防止で世界のリーダーシップは取れない: 赤祖父俊一

「温暖化防止で世界のリーダーシップは取れない」、アラスカ大学国際北極圏研究センター 赤祖父俊一

新しい首相や大統領は、前任者、また、前々任者との異なりを明確にするため、前任者が無視したこと、または、できなかったことを選んで、主な政策としたい。オバマ米大統領は子供でも知っている気候変動(温暖化)を取り上げて、それを示した。ブッシュ前大統領がそれを無視して、世界の「悪者」にされていたからである。しかし、米国の石炭発電は早急には止められないので、これは単に旗揚げに役立っただけである。さらにオバマは、ブッシュがアフガニスタンの問題を取り上げず、イラクで失敗したということで、イラクから撤退しアフガニスタンを重視したが、アフガニスタンは「オバマのベトナム」と言われている。
現在、クリントン前々大統領ができなかった保健問題を取り上げ、温暖化問題への努力は後回しである。いずれにせよ、新任者は、前任者ができなかったと言われる問題を解決するのが容易でないことを、失敗してから学ぶようである。

民主党は、前首相の15%は「恥ずかしい目標であった」とし、炭酸ガス(CO2)の中期(2020年)目標として1990 年比25%削減を国際公約する方針を掲げ、日本が重大な国際的問題のイニシアティブを取るとしている。残念ながらこれが国際政策としても学問的にもほとんど無意味の公約であることを述べるのが、本稿の目的である(more)。
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by tikyuu_2006 | 2009-09-23 09:37 | これからの日本

民主党は大丈夫?:マニフェストにもなかった「日本の未来」

2009年8月30日は、日本の歴史に残る日でした。民主党の大勝は、自民のオウンゴール、敵失のため、などと言われますが、長年の日本の構造が変る兆し、明治以来の中央集権の崩壊と前向きに捉えたいものです。この「静かな革命」は、皮肉にも経済恐慌がもたらしたのでは。蔓延する格差、茫漠とした未来への不安が本当の原因だったのでは。何れにせよ確かなこと、国民は変革を求めたのです。

民主党のマニフェストも物足りませんでしたが、せっかく国民が自ら勝取った変化です。新しい理念で新政権に期待したいものです。
しかし国民の明確な要求、願望がありません。革命とすれば、奇妙な革命です。これでは、いずれ振子が逆に振れかねません。
茫漠とした不安の原点は明らかです。今の深刻な経済危機、雇用不安でしょうが、その真因は「石油ピーク」と思います。 これは「食料ピーク、文明ピーク」なのです。いま本当に必要なこと、それは石油文明の終焉に備えることです。

この選挙期間中、常に疑問に思ったことです。政産官学の意見、各党マニフェストにも、これが全くありませんでした。最も重要なことが全く話題にもならなかったのです。メディアの常連評論家にも、本当の問題がわかってないようです。 
どうぞ政治家の皆さん、私の「日本のプランB」をお読みください。日本の未来がみえてきます。
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by tikyuu_2006 | 2009-09-01 04:08 | これからの日本

民主も自民も大丈夫?:マニフェストにもなかった「日本の未来」

2008年8月30日は日本の歴史に残る日でした。民主党の大勝は自民のオウンゴール、敵失のため、などと言われますが、長年の日本の構造が変る兆し、明治以来の中央集権の崩壊と、前向きに捉えたいものです。この「静かな革命」は、いまの経済恐慌がもたらした、格差、茫漠とした不安が原因でしょうが、何れにせよ確かなのは、それは国民が社会の変革を求めたからでしょう。

民主党のマニフェストも物足りませんでしたが、せっかく国民が自ら勝取った変化です。新しい理念で新政権に期待したいものです。
しかし国民の明確な要求、願望がありません。革命とすれば、奇妙な革命です。これでは、いずれ振子が逆に振れかねません。
茫漠とした不安の原点は明らかです。今の深刻な経済危機、雇用不安でしょうが、その真因は「石油ピーク」と思います。 これは「食料ピーク、文明ピーク」なのです。いま本当に必要なこと、それは石油文明の終焉に備えることです。

この選挙期間中、常に疑問に思ったことです。政産官学の意見、各党マニフェストにも、これが全くありませんでした。最も重要なことが全く話題にもならなかったのです。メディアの常連評論家にも、本当の問題がわかってないようです。 
どうぞ政治家の皆さん、私の「日本のプランB」をお読みください。日本の未来がみえてきます。
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by tikyuu_2006 | 2009-09-01 04:08 | これからの日本

オバマの巧妙な戦略と日本の対応: アラスカ大学 赤祖父俊一

オバマ米大統領は巧妙な戦略家である。次々と政策を発表して、国内外の人々を魅了している。前大統領と異なることを世界中の誰にでもわかるように一言で示したいのであろう。彼は世界中の子供まで知っている地球温暖化に取り組むと発表した(もっとも「地球温暖化」という言葉を使わず「気候変動」と言った。一般市民には両者の区別は難しい)。それを聞いた世界中の人々は「ブッシュ前大統領と異なる」という印象を持った。カウボーイ的ブッシュ前大統領は地球温暖化を無視したため、世界の悪者にされていたからである。日本では「オバマは京都議定書に参加するのではないか」と期待したようである。
 オバマはその「気候変動」に対処する対策の一声として「自動車の効率を改良せよ」と述べた。これはすなわち、

・石油の輸入を少なくする。省エネになる。
・したがって米国の石油輸入の大赤字が軽減できる。
・長年放置してきた大気汚染が軽減できる。
・米国の自動車会社を国民の税金で再建し、トヨタのハイブリッド車より優秀なものを作る口実ができる。
・彼はデトロイトの自動車労働組合の大きな支持があったのでそれに応えられる(国民の多くのGMなど潰れてもよいと思っている)。


まさに一石二鳥、一石四鳥である。すなわち炭酸ガスなどは優先する問題ではないのであるが、これらをもって炭酸ガス放出の軽減になると胸を張って言える。
 ところが実際は米国の発電の50パーセント以上は石炭に頼っており、ハイブリッド車の電池は石炭発電に頼るしかない(原子力発電に切り替わるまで)。オバマは太陽電池、風力発電、その他もろもろの電源を開発せよと言っているが、米国の大電力消費を賄えるはずがない。いずれにせよ予算がない。

 したがって、石炭発電、炭酸ガス放出を続けなければならない。しかし、これを批判されれば、オバマの地球温暖化に取り組むということが矛盾してくる。板挟みになった環境保護局(EPA)は炭酸ガスを「汚染ガス」と認定し、炭酸ガスは健康に有害であるとした。これについて日本のメディアは「ついに米国は地球温暖化問題に真剣に取り組むことになった」と鬼の首を取ったような報道ぶりであると聞く。もともと他の国のことで騒ぐことはない。
 
 米国のメディアの反応は適当な日本語が考えつかないので「ニヤニヤしている」とでも表現しようがない。これは社会戯評の漫画によく表れている。ついでではあるが、ゴア前副大統領は日本では救世主として取り扱われているが、温暖化についての米国での戯評はジョーク程度に取り扱われている。
 このような日本の反応は極めて異常という他はない。日本の人たちの教育程度は炭素や炭酸ガスを敵視するほど低いのか。もし地球の大気中に炭酸ガスがなかったら、地球では海底火山で最下等の生物しか育たなかったはずである。植物は大気中の炭酸ガスを吸収して光化学作用による炭素の四つの腕に太陽エネルギーを捕獲し、我々の食糧を生産してくれているのである。植物がなければ地球表面は海と砂漠だけである。
 
ついでではあるが、オバマ政権は京都議定書に参加しない立場のようである。以前から中国とインドの参加なしには意味がないと発言しており、中国では中国を世界の工場にして何を言っているかと全く取り合わないので時間の無駄であろう。
 
 日本の若い優秀なレポーターでこんなことが見抜けない者はいないはずである。しかし、日本の大新聞の多くは全く空想に近い(しかも極めて不正確な)温暖化による大災害の記事で新聞を売りまくっているので、彼らは正確な報道ができないのであろう。新聞社は日本人一億を総馬鹿にしても儲けたいのか。
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by tikyuu_2006 | 2009-04-26 18:37 | これからの日本

「リチウムイオン電池車と家電買い替え」が話題だが: ジェヴォンズのパラドックス?

リチウムイオン電池で走る自動車が二酸化炭素を出さない究極のエコカーをと言われますが、本当にそうでしょうか。何故ならその「資源は有限」、鉱山活動の一種ですから広範な「環境破壊」を伴うからです。先ず「リチウムを求めて」を覧ください、そして下記なども。

電池とは「一次エネルギー源ではない」こともお忘れ無く。 いま経済浮揚として15兆円のエコ自動車、省エネ家電補助などと、懸命ですが、EPR(Energy Profit Ratio)による科学的評価が不可欠と思います。科学合理性を欠く膨大な財政支出は、後世に更なる借金と環境破壊が残るだけとなるからです。

あたかも19世紀の「石炭問題」の著者ジェヴォンズの有名な「Jevons のパラドックス」を見る思いです。このパラドックスとは、イギリスでは産業革命とともに石炭消費が伸び資源不足が心配されるようになりました。 ワットの革命的な蒸気機関はそれを効率化したのですが、石炭消費はさらに伸び、「省エネルギー技術はエネルギー消費を増やす」、「省資源はその資源消費を加速する」結果をまねきました。
これは「脱炭素では二酸化炭素排出は減らない」という、今の温暖化対策の現実にも通じるようです。「もったいない学会」は、このような理由から「低エネルギー社会」を、と推進しています。これは技術至上主義への警告といえます。

「リチウム」への動きは「ある資源の減耗から別の資源の減耗へ乗り換え」、言い換えると「石油ピークからリチウムピークへ乗り換え」にすぎないのでは、と懸念されます。
「指数関数的成長の夢」よもう一度は、「有限地球」であり得ないのです。もうそろそろ現在の「経済恐慌の真因」を理解したいものです。私の「日本のプランB」とは、そのような意味です。

More: The Trouble with Lithium
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by tikyuu_2006 | 2009-04-12 14:58 | これからの日本

現代文明の潮流が変わる:トヨタは「石油ピーク」をわかっているが、日本社会は?

経済危機、世界恐慌を恐れるのか、日本では積極財政、財政出動すべきとの意見が日増しに高まっている。だが、その先どうなるのか。膨大な借金を増やすであろう積極論、戦略も見通しもないまま、声だけは大きくなる。

10月5日のテレビ朝日の「サンデープロジェクト」、田原総一郎氏は自民党国会対策委員長に向かってそれ以上の積極論をぶっていた。そして同夜のフジテレビ、最近始まった「サキヨミ」でも同様、景気が大変とにかく積極財政をと、ただただ勇しかった。

虚の世界、マネーゲームの崩壊が皮層にあるとすれば、深層には石油減耗のもたらす石油文明の衰退、浪費型文明の終焉がある。これは現代文明の一大変革期、それすら理解しないで「わかったつもり」のマスコミ、日本の指導者、知識人の言動、評論は、冷静に思索もせずに猛進し自滅した太平洋戦争突入、その末期症状に酷似している。 最後にはただひたすらの前進を命じ、玉砕を押しつけた思考能力喪失の軍部と、冷静に考えることを恐れる現代の日本社会、マスコミと本質において変わらないのでは。
残念だが、この日本社会特有の体質、冷徹なリアリズムの欠落という現象が、この文明変動期のもっとも大事な局面で、再び露呈されつつあるようだ。 どうして日本は、いつもこうなのか。地球温暖化でも同じ現象、朝日新聞10月6日の社説、”「環境」だって票になる”、にも驚いた。その一節、

”「洞爺湖サミットで温暖化論議は一段落」と言った静けさである。 地球温暖化への対応は、21世紀の経済と社会の発展のあり方を決める重要な選択であるにもかかわらずだ・・・気候変動と言うピンチを、経済や社会の発展のチャンスに変える構想力と指導力―。現代の政治家のだれもが備えているべきである。”

とあったが、本当にそうなのかもっと多様な思考をすべきではないのか。一つのこと、画一的にしか考えられないのか。
しかしこのメディアにも、未来を憂える優れた人々はおられる、特に若いジャーナリストには、最近の一色に染めあげる奔流に抗しえないと嘆く方は少なくないが、目から鱗が落ちたと言いつつも、TV, 紙面に出せるか自信がないという。

だが冷静で合理的に思考する組織、人々もおられる。去る7月25日、豊田市での「トヨタ技術会」で講演した。最近その社内報、議事録的な報告を頂いた。当日、1500名のトヨタ関係者、トヨタ会館の大きなホールに1000名、場外300席と立ち見、そして裾野にある研究所へも中継されていた。

私の講演タイトルは「石油ピークが来た」、これはトヨタ側のご希望であった。頂いた社内報には技術会の会長、滝本正民副社長のご挨拶も。 そこで社内報全体をご覧を。石油ピークを技術系トップの滝本氏のみならず、多くの方が本質を理解された。流石世界のトヨタ、上述のメデイア、評論家諸氏とは大違いである。 その後の新聞報道によると、トヨタは09年度の車生産台数目標を1040万台から970万台へと下方修正したそうである。やはり、トヨタはわかっておられる。
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by tikyuu_2006 | 2008-10-06 00:23 | これからの日本