カテゴリ:これからの日本( 83 )

電力と震災、東北電力の場合

電力と震災、東北「復興」電力物語– 2014/2/20
町田 徹 (著)
(amazonの紹介文から引用、2014)

危機において企業の生死を分かつものは、長い間育まれた企業の文化である。
危機時の緊急マニュアルの精緻さではない。

震災から三年、気鋭のジャーナリストが取り組んだテーマは、同じ大震災に
直撃されながら、東京電力と東北電力はなぜ明暗を分けたのか、である。

人類史上最悪の事故を起こした東京電力の福島第一原子力発電所と同じ太平洋
岸にあり、より震源に近く、大きな揺れと高い津波に襲われながら、3基そろって
「冷温停止」を果たしたのが、東北電力の女川原子力発電所(宮城県)である。
そればかりか、津波で集落が崩壊した地元民数百人を敷地内に受け入れた。

著者は東北電力の取材を進めた結果、戦後の電力業界再編によって生まれた
東北電力の初代会長・白洲次郎と、初代社長・内ヶ崎贇五郎という「創業者」
2人の思想に辿りつく。
吉田茂の懐刀としてGHQやマッカーサーとの折衝に当たった白洲次郎は、
只見川の電源開発で抜群の政治力を発揮する一方で、ヘリコプターや無線機の
導入に尽力した。
そのDNAは、原発の安全対策に他の電力会社から「コストがかかりすぎ」と
揶揄されるほど手厚く手当てをしていた「孤高さ」「独自の哲学」としていまなお
企業文化に刻み込まれている。

内ヶ崎は宮城県黒川郡冨谷村(現富谷町)の出身で、戦前の国策会社である
日本発送電(日発)東北支店長、東北配電副社長、社長を歴任した電力のプロ。
内ヶ崎は合併会社である東北電力の社内の「和」を重視した企業文化確立に尽力した。
「地味で愚直」な安全対策にそのDNAが残されている。

この2人のほかにも、只見川開発を指揮した平井弥之助は副社長を退任したあと、
電力中央研究所理事兼技術研究所長時代に、東北電力の社内委員会メンバーとして
女川原発の敷地を海抜15メートルとする案を推進した。その正しさは2011年3月11日に
津波に耐えたことで実証された。

東京電力の福島第一原子力発電所の事故以降、電力会社への批判・疑念は厳しい。
原発再稼働への反対の意見も多い。では、電力会社はすべて悪なのだろうか。

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by tikyuu_2006 | 2014-09-08 17:04 | これからの日本

「石油文明が終わる、3・11後、日本はどう備える」、信濃木崎夏期大学

21世紀は「地方の時代」と言われます。私はその典型のような「信濃木崎夏期大学」で、去る2012年8月1日集中講義をする機会がありました。
風光明媚な長野県安曇野、北アルプスを望む大町市、その木崎湖畔の学堂で大正6年から毎年、今年で96年目となる夏期大学、周辺の小中学校、教育委員会、大町市の方々が、ボランティアで運営される大学は素晴らしい、とてもさわやかな地域の活動でした。私もとても勉強になりました。下記です、ご参考に、
http://www6.ocn.ne.jp/~kitakyo/index.html
第96回 信濃木崎夏期大学・石井吉徳先生の講座
http://3rxt0.blog24.fc2.com/blog-entry-788.html
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この講座はその後、毎日新聞で大きく取り上げられました、2012年8月4日「特集ワイド」、「原発の呪縛、この国は何処へ行こうとしているのか」で、タイトルは「自然は有限、脱浪費を」と大見出し、内野雅一さんが逗子の自宅までインタビューして下さいました、 
http://oilpeak.web.fc2.com/pdf_files/mainichi012826.pdf

しかし信濃木崎夏期大学の次年度、2014年は東大、一丸節夫名誉教授による「環境三題:大気と海・生命・原子力発電」、つまりIPCCの地球温暖化危機説と原子力推進、核融合論のセットだった由。
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by tikyuu_2006 | 2014-08-06 14:03 | これからの日本

日本の科学技術戦略を想う

「わかったつもりは無知に劣る」-戦略なき日本の科学技術

これは言わば講演録、「もったいない学会」の総合タイトル「エネルギー・資源・文明危機下の戦略なき日本を乗り越える未来戦略について」にて話した内容(2014年6月6日東京大学工学部2号館)を基にしています。
http://www.mottainaisociety.org/index.html

私の現代文明的な危機論、日本の危うさについての警告
その要は「地球は有限、資源は質が全て」、私の年来の主張です。資源に乏しいにもかかわらず、本質的な危機感を欠き、最近では日本近海にメタンはイドレートが豊富、海底には熱水鉱床がある、海流エネルギーがあるなどと楽観論が展開される昨今、膨大な国費が使われています。 
これも有限地球観がないからでしょう、石油ピークも理解せず、シェール革命だ経済成長だと暢気な楽観論だが、もう真剣に自分で考える、欧米追従は終わりにすべき時なのでは。

日本は温暖化危機には必要以上に敏感
二酸化炭素の地下貯蔵のCCS、排出権取引などには懸命で、企業も国費浪費のビジネスとして温暖化危機を唱えますが、これは殆ど間違い、地球はもう寒冷化していると観測データが示しているからです。基本戦略は「低エネルギー社会」とすべきです。
http://oilpeak.exblog.jp/18328015
地理学の鈴木秀夫東大名誉教授は東大駒場S26年クラス会誌に、次のように述べます、
“後輩から送られてくる論文をみると、温暖化説が多く、一方、少数意見として寒冷化の可能性説もあります。もっと重要な問題があります。温暖化が事実とした時、それは本当に人類にとって困ったことであるのか、という問いです。カナダの小麦生産は増えるでしょう。ロシアも住みやすくなるはずです。サハラ砂漠には雨が降って農業がさかんになります。東京が水没しても、その繁栄は、栃木県南部に移るということです” と。 
科学者としての自信とプライドがこのようの深い内容の文を書かせたのでしょう。今更ながら今は亡き鈴木君の慧眼に敬意を表します。

そこでエネルギー・資源についての私見を述べます
実は温暖化危機対策は原子力推進とセットだったようです。原発安全神話もそれに沿っていました。これが3.11で崩壊した。ですが、今も原発再稼動したい為政者、企業ですが、これでよいのでしょうか、本当に原発は安全なのでしょうか。
このように日本では、エネルギー・資源問題は原点で迷走するのです、日本近海に海洋資源、メタンハイドレートがとマスコミは喧伝しますが、本来これはエネルギー収支比、EPRの問題なのです。
最近、週刊東洋経済が6月21日号で特集:検証)「日本の海洋政策、国産海底資源バブルの内幕」と題する10ページ大の調査記事を出ました。担当記者が予め理念の取材に見えました。そのためでしょう、日本にはめずらしいリアリズムの優れた記事となりました。
これからは自然と共存する社会が大事、地域分散の地産地消、食とエネルギーを構想すべきです。現代の東京一極集中からの分散は、関東震災の備えとしても急務なのです。

もったいない学会とは「石油ピークを啓蒙し脱浪費社会をめざすもったいない学会」が正式名
2006年に創立し、翌年東京都NPO法人となりました。その要の思想は石油ピーク、石油文明終焉に備える脱浪費です。為政者、企業の希望する経済成長路線は有限地球でありえない、成長の限界です。
しかしこれを理解しない人は大勢ですが、実際には下図のように、石油生産限界、価格高騰は2005年ころから基本トレンドが変化している、これが石油ピークです。政府、企業の資料でなくドイツの識者グループ、EWG(Energy Watch Group)によるものです。
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「地球は有限、資源は質が全て」の意味するところ
これは言い換えると有限地球観ですが、人はそれを理解できない、更なる経済成長を目指します。資源制約も大量のマネ-ばら撒き、超緩和金融政策で凌ごうとします。一見GDPは増大しますが、国民、市民は幸せを感じていないのでは。何故か、もう少し考えてみます。
次は「99% vs Top1%」の比較、超格差社会の図です。この成長パターンの特徴をご覧くさい。過去30年間とその前の30年が、1980年頃で大きく傾向が異なるのです。
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これはアメリカの例ですが、1947年から1979年までは、最上位20%と最下位20%は同じように成長しました。だが1980年頃を境として大きな様変わり、トップ1%のみ成長しそれ以外の99%は停滞しています。これが現代の超格差社会です。日本も同様な傾向と見られます。

何故そうなったかですが、現代の石油文明は石油で支えられますが、その石油が生産ピークを迎えている、アメリカ政府が経済の成長政策を取っているからです。つまり文明を支える資源に限界が来ているので、トップ1%しか成長させられない、99%の犠牲の基にトップ1%が潤うように政策展開されている、アメリカのウォール街、金融社会を成長するマネー社会を推進、その結果の超格差社会なのです。
そのための権力構造維持に金融機関、FRB,ワシントンと回転ドアーのように人が動かす人事政策を行っていると言われます。それを詳細に述べる「The Price of Inequality」、ノーベル経済学賞を受賞したエコノミスト、J.Stiglitz著2013年、500ページのペーパバックの大作は必見です。
日本も同様の政策を安倍政権が取っています、いわゆるアベノミックスですが、その基本原理はアメリカの模倣、安倍さんの家庭教師・エコにミストは浜田宏一内閣官房参与、イエール大学名誉教授だからです。

首都圏の一極集中は日本国家の大問題
今の日本の「国のかたち」の脆弱性は世界に類が無い。いずれ来る間東大震災に備えないと国家存亡の危機を迎えます。
1923年の関東大震災では、東京の災害が良く語られますが、次の写真のように鎌倉由比ガ浜は大変な災害でした。
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震源は鎌倉の西南40kmほどの相模トラフだったからです。つまり湘南は東京より震源に近かったのです。
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日本は地震災害列島なのです。
ミュンヘン再保険会社(http://www.fdma.go.jp/html/new/pdf/1512_tiiki_2.pdf)による世界の危険指数では、東京・横浜ゾーンは桁違いに危険だという。2位がアメリカのサンフランシスコ、そして3位はロスアンゼルス、アメリカ西海岸は地震多発地帯だからですが、その次にまた日本、大阪・神戸・京都、4位というのです。
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これを忘れないこと、地球物理学者の寺田寅彦は、天災は忘れた頃にやってくる、と警告します。東京一極集中から地域分散、自然と共存の日本列島文明を構想するのです。
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無限の経済・GDP成長を求めて暴走するのでなく、国民の幸せを優先する、いずれ来る関東大震災に備えとしても、地方分散が真の未来型、天皇も京都が安全と思います。

生態学者A.ロトカ:「エネルギー豊富なとき栄えるのはエネルギー最大消費の生物種、乏しいとき生存するのは最小消費種のみ」、といっています。 これからは低エネルギー社会、脱浪費の地方分散・分権の未来型が望まれます。それが自然と共存、再生エネルギー・シフト戦略なのでしょう。つまり地産地消です、そして農業は有機の立体農業が望ましいのでは。
以上が私の考える、望ましい「未来日本、その国のかたち」です。

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by tikyuu_2006 | 2014-07-16 06:11 | これからの日本

坂本龍一対談(上)原発神話をぶっ壊せ (下)心を開かせる伝え方

【坂本龍一×東京新聞】 
対談<上>原発神話をぶっ壊せ  (2013年12月26日 東京新聞)
 「これからの震災・原発と報道」をテーマに、坂本龍一さん(61)と本紙記者約100人が対談を行った。19日に東京新聞(東京都千代田区)で開かれ、デモ、環境問題、被災地支援などについて約2時間、活発な意見を交換した。  

-先ほど、坂本さんが話した「間違った、誤解したイメージを持つ読者へのアプローチ」というのが一番の悩み。見せ方、語りかけ方はどうやっていけばいいのか。  深刻な問題をしかめっ面で言われると、大事な問題でも心を閉じてしまう。伝え方によって受け取る側はずいぶん変わる。同じ内容でも、昔ながらの市民運動型がたくさんある。事故前に原発の集会に行ったことがあるが、僕も引いてしまった。紙面もそうかもしれない。同じ内容を伝えるのでも、相手が心を開くような伝え方を、僕もいつも心がけている。  たとえば、デモについても、気持ちを一番訴えたい人たちは誰か。福島の人たちでしょ。でも、ほとんどデモに参加できない。今はサウンドデモ(2)というのがあるが、福島のじいちゃん、ばあちゃんたちが入れるような形を考えないと。  フランスやドイツ、米国のデモのやり方は参考になる。2003年のイラク侵攻前日に世界中で大きなデモがあって、ロンドンで200万人、ニューヨークで50万人が集まった。僕も参加したけど、ものすごく気楽に歩いている(3)。本当にぶらぶら歩いているだけで気が抜けてしまうけど、乳母車を押して参加した人もいた。いろいろな人が勝手気ままに主張して、多様性がある。  
-本紙に足りないものは。  「左翼紙」などというくくりで見られてしまって、真剣に読んでくれない人がいると損。書き方や見せ方、アプローチのやり方に気をつけないと。「正しいことを言っているんだから聞けよ」という態度だとダメですね。従来の市民運動にもそういう人が多く見られ、僕も嫌だなと思う。  
-原発推進派は、再処理工場さえうまくいけば問題が解決すると信じている人が大半。誤ったビジネス優先の報道を信じ込んでいるな、と感じる。  人は信じたい方を信じる。資本主義社会で、貧乏と金持ちの道が分かれていたら、金持ちの方を選ぶ。昨日と同じように仕事したいと思えば、同じように電力を供給せよとなる。「電力=原発」という神話は、あれだけの原発事故の後も根強い。それを皆さんの力でぶっ壊してほしい。人類史上最悪の原発事故がまだ収束していない。  少しは社会が変わるかと期待したが、前より悪くなりつつある。官邸前のデモに出てくる人の数は減ったかもしれないが、出てこないだけであって、関心が薄くなったということはない。非常に強い関心を持っているが、声を発しない人はたくさんいる。  
-各地でお母さんたちが、子どもを守ろうと会をつくった。その続きで福島の親子に関心を持って、特定秘密保護法の問題にも関心を持ち始めた。でも、一人一人はどうやって声を上げていいのか分からない。  本当に小さい、いろいろな根は地方にもたくさんある。そういう人たちがデモに行くかというと、行っていないかもしれない。関心が薄くなっているわけではなくて、問題意識は保持したまま、新しい生活をつくっていくことを一生懸命やっている人はけっこういる。小さい話でもそういうものを取材してもらえれば、勇気になるかもしれない。  -官邸前デモが盛り上がった理由は、変えられるという手応えがあったと思う。ところが、総選挙を経て、政権が代わって、変わるという感じが全くなく、むしろ逆。そういうときにどうやって説得力を持って語るか。  自分たちは言っているつもりでも、届いていない現実がある。原発の危険性を正しく理解していない人が、まだまだいると思う。だから「電力=原発」じゃないんだということは、繰り返し言わないといけない。リスクや悪い面ばかり言うと人間は暗くなっちゃうから、良いビジョンを示す。十年、二十年後、日本がこっちに行くとこうなるよ、とビジョンを示せば行きたくなる。そのために今どうすればいいか。  
-原発を今すぐ止めなければという意見があるが、原発関連で生きている人たちに大きな影響がある。その手当てまで考えないと、説得力がない。  雇用の問題は大きい。福島から出たくても出られない最大の悩みは雇用。避難先で職があるかどうか分からないし、実際にないケースが多い。だから、お父さんだけ福島に残るケースも多い。青森県六ケ所村も、今や再処理工場になんらかの形でかかわっている人が村の九割。一度あきらめると、推進派になる精神は理解できる。  
-新潟では、政府や東電が、柏崎刈羽原発を再稼働させたいと思っている。  再稼働は新潟の話で、自分には関係ないと思っている都民は多い。福島だってそう。でも、原発事故が起きれば、その電力の恩恵を受けていないのに被害を受ける。それはちゃんと書いて、都民に知らせた方がいい。  都知事選で自民党の息のかかった知事になれば、推進派は都合がいい。原発推進でない都知事になった方がいいと思うが、難しいですよね。でも、必ず脱原発派が出るだろうから、僕は応援したい。

(2)【サウンドデモ】  脱原発イベントでは、おなじみになった新しいデモの形。音楽機材や巨大スピーカーを搭載した車からダンスミュージックを流したりバンド演奏をする。それに合わせてデモ参加者が踊る。若者が関わりやすくなった、と評価する声もある一方、高齢者には入っていきにくい面もある。

(3)【歩くデモ】  坂本さんは「気楽に参加できるデモ」の大切さを語っている。イラク戦争開戦直前の2003年3月、米ミズーリ州コロンビアで行われた平和行進では「おしっこをかけるため、ブッシュ(前大統領)を捜しています」と書かれた“服”を愛犬に着せる参加者の姿も見られた。
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/sakamoto/list/131226_2.html

◆対談<下>心を開かせる伝え方 (2013年12月26日 東京新聞)
 「これからの震災・原発と報道」をテーマに、坂本龍一さん(61)と本紙記者約100人が対談を行った。19日に東京新聞(東京都千代田区)で開かれ、デモ、環境問題、被災地支援などについて約2時間、活発な意見を交換した。  
-2020年に東京五輪が開かれる。安倍晋三首相の汚染水の「コントロール発言」(4)もあって決まった。どう評価する?  全く評価していない。本末転倒だと思っている。福島の原発事故でまだたくさんの人が避難している。それをほったらかしておいて、東京で五輪。五輪の経済効果という話があるが、どれほどのものなのか。ロンドン、北京での収支を見て、誰がもうかっているのかということも、ちゃんと教えてほしい。もうかるのはこういう会社だけだよ、ということも、きちんと言ってあげた方がいい。  昨今、ちょっとした標語に踊らされる傾向にあるように思う。「アンダーコントロール」なんて言葉だけで、海外メディアも黙った。情けない。(日本では)汚染水は随分と追及し、特定秘密保護法についても随分痛烈なことを書いているが、メディアといっても経済原則で成り立っている。コマーシャリズムからの影響は逃れられないという事実は、いつも感じている。  
-ミュージシャンは強いネットワークで、自分たちでできることにすぐ取り組んでいるように見える。  僕が2000年ごろから、環境問題について発言するようになったら、「坂本は気が狂った」と散々言われた。実はそのころ、ひそかに自然エネルギーを推進するアーティストの会をつくった。今でこそ100人くらいになったが、最初は2人だけ。賛同するミュージシャンが増えたのは、本当にうれしい。  でも、そういうつながりは別にミュージシャンだから得意ってわけじゃないと思う。社会的なことに関心があって発言するアーティストは限られていて、まだ広げる余地はある。  
-政治で野党が乱立し、どこも脱原発を主張。選挙で自民・公明が勝つのは目に見えていた。  今の選挙制度のマジックでもある。自民・公明が多数派だと思っている人やメディアもあるけど、「おまえらはマジョリティー(多数派)じゃないぞ」という声を上げたい。  一番のマジョリティーは投票しなかった人。選挙で政権を取れば何でもやれるけど、その結果、改憲や軍備増強につながると考えると、大きく影響を受けるのは投票に行っていないであろう若い世代や、選挙権のない子どもたち。知らぬ存ぜぬでいるうちに、そういう動きが起こり、将来自分に返ってくるぞ、というのはたくさん書いてもらった方がいい。  
-野党の乱立は脱原発運動がセクト(分派)化したのが原因と思う。  小さなセクト主義でやっていけるうちは日本はまだまだ平和だなとも思う。海外の国では強圧的な政権がやってきたときは、そんな小さなことを乗り越えて、抵抗してきた。日本もいずれ、そうしないといけない状況になりますよ。報道の皆さんも覚悟して携わっていただきたい。  
-原発は「トイレなきマンション」。小泉純一郎元首相が原発即ゼロを主張する根拠でもある。国が最終処分場の候補地選定に乗り出すことになった。  そもそも地殻が不安定な日本で、長期にわたる安全な中間貯蔵も果たしてできるのか疑問。どうしたらいいか分からないけど、日本だけの問題ではないのでは。  しかし、日本で出した核のゴミを他国に持って行くのは非常に非倫理的。一方で、日本に置いておくのは世界にとっても危険。いい答えがないけど、世界には、日本より地震が少ないところはある。国際的なルールを決めて、各国で話し合って進めるのがいいと思う。  
-ドイツでは子どものときから、環境教育として節電意識を学ばせようとしている。大人になって意識を変えるのは難しい。  大人になってから意識を変えるのは難しいってのは分からない。大人の方が、こうやったら結果がどうなるか、理詰めで理解できる。電気をじゃぶじゃぶ使っていれば、CO2(二酸化炭素)が増えてその結果どうなるか、分かる。「だったらやめよう」となる。僕はそうだった。  
-坂本さんは「東京新聞が行っている環境への取り組みを教えてほしい」と話したそうだが、現在、東京本社のビルでは、電球の発光ダイオード(LED)化、トイレのエアタオルの使用中止や外壁の遮熱塗装を施し、12年度は、09年度比で温室効果ガスを五百トン(約20%)削減した。風化しないように取り組みたい。  さっき通された役員室は28度だった。すぐに22~23度にしてほしい(笑)。  
-震災の年は十数%を節電した。その後も2~4%ずつ減っているが、編集局ではテレビや電気ポットの消し忘れもある。震災前に戻ってきている。  一人一人の努力も必要だが、人間の努力も限界がある。技術で省エネできることはどんどんやった方がいい。快適な方を選択して、結果が良くなるような技術の使い方を考えればいい。  
-被災者の心の傷は癒えていない。音楽家として今後、被災者を元気にするために、どんな音楽をつくっていきたいか。  岩手県の陸前高田では被災直後に避難所になった体育館で昨年12月、無料コンサートをやった。福島では三年連続で作曲家の大友良英君と夏にコンサートをやった。  どういう曲を作るかと言われると難しいですね。どういう曲、それは自分にうそをつかない音楽を作ることだと思うんですよ。もしかして、自分の音楽で元気になってくれる人がいるかもしれないけど、変に「これで元気にしてやろう」なんて不遜なことは考えてはいけないと思う。  
-本紙のメンバーと話した感想は。  実際にこれだけの記者の顔を見るのは初めてだけど、報道姿勢というのは想像していた通りでした。もうちょっと暗い人たちかなと思っていたけど、意外に明るくてうれしかった。  ニュースを見るのも気が重くなるような嫌なことは多い。報道する側も胃が痛くなるかもしれないけど、受け取る側を考えて、拳を振り上げず、心に届くように気をつけて、これからも記事を書いてください。

(4)【アンダーコントロール】  2020年夏季五輪の開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会。安倍晋三首相は福島第一原発事故の汚染水漏れについて「状況はコントロールされている」と発言し、東京五輪招致を引き寄せた。だが原発建屋からは今も地下水に混じった汚染水の流出が続く。
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/sakamoto/list/131226_3.html
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by tikyuu_2006 | 2013-12-27 23:17 | これからの日本

理念喪失:腐敗する日本の権力構造、険しいその未来

権力は腐敗する、昔からの言だが
何故腐敗するか、権力と金欲が一致してから、ローマ帝国の衰退は、貴族に金儲けを許してから、歴史の教訓、江戸時代は士農工商だった、優れた閉鎖系の叡智だったとむしろ西欧人高くが評価している、日本は文明開化で浮れ、西欧の開放系の真似、植民思想をまねた、そして韓国中国と、ついには世界を敵に回して敗戦。

アベノミックスのマネー至上の資本主義
膨張開放系、経済成長至上主義、これは有限地球で永続しない、マネー至上のバラマキは格差社会を産んでいる。これは世界の傾向、格差社会下位の若者は不幸、不満それが世界で不安定要素となっている、特に雇用喪失は心を蝕む。そこで繰返すが、地球は有限、資源は質が全てです。その判断はエントロピーの法則の理解にあります。幻想の日本海洋資源大国など見果てぬ夢をばらまいて、開放系での膨張主義を正当化してはならない。夢はいずれ覚める。

著名な自然生態学者、A.ロカの名言
「エネルギー潤沢時に栄える生物種はエネルギー浪費型、エネルギー欠乏時に生存するのはエネルギー最小消費型のみ」と言っている。教訓的、アメリカは前者、膨張主義アベノミックスも、つまり開放系思想の絶滅種、江戸文明は賢い閉鎖系だったが今は西欧模倣の絶滅種、開放系の思想に染まって久しい。西欧は植民地思想で凌いだ、それがフロンティア思想だった、それももう終る、類い希なエネルギー源、石油の時代、文明は終りつつある、その代替はない。

原子力は人類の手に負えない代物だった
永遠のエネルギー源と思った原子力エネルギーが実は厄介、危険極わまりない代物だった。総合的なインフラと廃炉から廃棄物まで考えれば、エネルギーの生産すらしないようだ、技術立国を自負する日本が史上最悪の原発事故を起した、今後は原発の意味を世界に訴えるのが、汚染を今も垂流す国の責務だ。
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In light of Wednesday's news that Japan's nuclear watchdog recommended elevating the situation at the Fukushima nuclear campus to a level-three “serious threat,” a new wave of criticism has poured in, with some experts suggesting the situation at the crippled nuclear reactor is much worst than Japan or the plant's operator, Tokyo Electric Power Co. (Tepco) is willing to admit. (Photo : Reuters via Kyodo )2013/8

原発はエネルギーを生産しているのか
こんな問いを聞けば、多くの人は何だろうと思われるでしょう。繰返しNETしているので、ご記憶の方もおられよう。ウラン資源から発電、そして最終の廃棄物処理まで、その社会インフラまでお考えいただきたい、先入観なしに。お分りになります、問いの意味が。

原発は人類の知恵だったのか
事故処理も終わっていない福島第1原発の廃炉作業について「ここに比べて作業員が動ける範囲が限定される、想像できないほど困難な作業になるのは間違いない」と >英国:原発「解体先進国」 稼働26年、廃炉に90年

「矢内原忠雄、日々のかて」より
日本社会について耐え難いもの、持って生れた黒髪を赤く染め、あるいは脱色して金髪まがいにする女性の風習です。日本人には日本人として与えられた美があります。それを捨てて、西欧人の模造をもって美であると考えるほどに、日本の婦人は精神の倒錯を来したのです。
日本社会は自由、自由、自由、日本は世界一、何でも自由な国です。神を畏れることなくして人間が自由になった国、それが今の日本です。このような社会を、サタンは最も好んで来て住むのです。

有限地球観に立つ新しい史観が求められる
かっての強い日本、成長期でも無い、閉鎖系の「もったいないの江戸社会」を参考にするが、もう人口は一億人を超す。当然、江戸そのままはなく自然系に生きる新しい叡智、知恵が必要、賀川豊彦の立体農業で一億4千万生きれる、を参考に、じっくり考えたい。

幻想と期待、リアリズム喪失で理念無しにあるく日本
それは政権か、国民か、或は疑似指導層かも分らない。何故そうなるか理由は単純、自然系の一部でしかない人類、その部分集団日本が自然を忘れマネー、技術至上主義に翻弄され朦朧と歩むかから、人間は自然閉鎖系の一部と再認識するのです。

「資源とは何か」、日本で最も理解されないこと
ミツバチ達は、沢山の花から花へと蜜を集めます。無数の蜂がそれぞれ巣に持ち帰ります。巣に集まった蜜は濃縮されています。人間が使えます。元の分散した花の蜜も、集められた巣の蜜も「量」は同じです。 自然の恵み、資源とは「濃縮が本質」なのです。
ミツバチが、分散した花の高エントロピー状態の蜜を、巣に集め低エントロピー状態にしたのです。ミツバチはその仕事のためエネルギーを使いますが、その元は太陽エネルギーです。 エントロピーを理解すると、エネルギー、環境、経済から文明まで、全てが見通せます。宇宙の誕生に始まり、自然現象において、エントロピーは常に増大します。人間社会もそうです。一方、生命現象とは、エントロピーを低く保つことです

生命が、人間、動物、植物などが有限の寿命なのどうしてか
永遠の謎ですが、物理学では明確に定義しています、「エントロピーを低く保つのが生命現象、それはいつか限界まで増大する、それが「死」であると。
「生命とは何か」原題:What is life?)は、1944年に物理学者エルヴィン・シュレーディンガーによって刊行された著作、副題は『物理的に見た生細胞』とされている。
序でながら、人間社会もエントロピーで説明出来る、と私は思っています。

東京文明の行方
1923年9月1日11時58分、関東大震災が起った。それから90年だが「天災はまた繰り返される」のか。東京一極集中は世界に類がない、文明中枢が皇居半径3Km以内、高層化で脆弱性は増大している。これはもう「東京文明」と言ってもよい、ではどうするかだが、リスクは分散するしかない。地方分権、分散、地産地消である。
「天災はまた繰り返される」のでしょうかhttp://www.shiftm.jp/show_blog_item/111

国際公約になったフクシマ収束
だが、科学技術的に全く成算はない、ウソはいつまでも続かない、オオカミと少年の喩え。国民は監視しよう、結局ツケは国民に降りかかるのだから。

「ノブレス・オブリジェ」と武士道
為政者、身分上位者はそれに応じた「徳」、義務を持つ必要が、「ノブレス・オブリジェ」というが、それは下層の庶民には要求されない行動倫理、上に厳しく下に寛容な倫理規定、江戸時代の閉鎖性社会がまとまりを保ったのはこの意識、それが武士道と思うが、今はその逆なのでは、権力と金欲が一致する利権構造の拝金主義は結果として超格差社会を産んでいる。かってローマ帝国で、貴族に金儲けを許してから社会が劣化、崩壊、そして衰退に向ったという、江戸時代の士農工商は、ノブレス・オブリジェだった。それが開放系のヨーロッパ列強の植民主義を防ぐ鎖国循環系だった、この自然共存の人の絆を重んじる社会は江戸の知恵と、むしろ欧米は評価している。

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by tikyuu_2006 | 2013-08-23 11:22 | これからの日本

世界のエネルギー問題、その本質

エネルギー問題の本質
世界のエネルギー消費の図からから分ること、それは、
1)あまりにも急激に伸びている、2)原子力はマイナー、6%くらい、3)依然として化石燃料が頼り、ということである。
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http://ourfiniteworld.com/2013/07/22/energy-and-the-economy-basic-principles-and-feedback-loops-2/


これからの結論、現代文明は持続不能
、危険な原発依存は止められる、再生エネルギーでは現代の「浪費型」は支えられない、そこで日本は日本列島で、自然と共存する道を本気で考えるしかない、となる。 
それは徹底した「低エネルギー社会」の構想である。
http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/opinions/planb.htm をご参考。
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by tikyuu_2006 | 2013-08-06 21:17 | これからの日本

日本の科学技術をどう活性するか

人間の素晴しさ思い起そう。
産業総合研究所(産総研)の元15研究所の一つ、計量研究所で、こんな話を聞いたことがある。 1Kg原器の「真球」は名人芸の手触り感触で作る、と当時の所長が話してくれた。 人間の感覚の素晴しさである、それが出来る所員は、日本に2人しかいないとも。
そして現在、一見華やかな日本の科学技術である、増大する研究予算、そして施設、組織だが、その中味、実態は淋しい。先ず「科学とは」が理解されていない、真摯に自然に学ぼう、という姿勢を欠く、「コンピュータ・モデルで実験する」という言葉すら聞かれる。今は産業総合研究所(産総研)と、15研究所が一緒くたにされ、この計量研究所も、地質調査所も無くなった、総じて個性を失い改革は失敗だったのでは。

大学も同根である、例えば東京大学大学院教授など肩書でいうが、専門分野は言わない。日本学術会議でも実質的に専門分野を無くした。これら「改革」は一見良さそうだが、根無し草の個性喪失、逆に専門分野の超細分化、理念喪失、プロジェクト研究では税金は浪費される。

総論喪失の為か、東大、京大など国際評価、ランキンでは降下傾向にある。留学生も来ない、そこでヨーロッパのガウン、角帽を模倣する、英語の講義を増やしたりするが、旨くいかない 。この知性劣化は大学だけでない、日本全体に浸透するようだ。 
そこで、これからどうする。 先ず理念、思想の重視であろう、自分で考えることであろう。 分ったつもりは無知に劣るからである。
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http://www.thinker-japan.com/thinkwar.html
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by tikyuu_2006 | 2013-08-02 08:29 | これからの日本

資源神話の国、日本

もう止めよう資源大国の幻想
最近日本は資源大国、海洋に地下に、というメディアが、それは間違、質=EPRを考えない。それを技術開発でという話も聞かれます、それも間違い、濃縮には必ずエネルギーがいる、中世の海の温度を利用し船を走らすという夢を最終的に葬ったのがエントロピーの法則でした、中世の知的レベルでは駄目です。
http://www.facta.co.jp/article/201308030.html
エネルギーは質(=EPR=EROI)が全てが、一般的な資源もそうですが、理解されない日本、専門家ですら。それを喧伝するメディア、危険な症状です。かっての敗戦当時、神風が吹くといったのと同じ。そこで再度ご参考、私のHP、年来の主張です。

http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/
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地熱資源で日本の総発電量の半分は可能、という人がいますが、それは間違いです、質が悪い、EPRが低すぎ発電に向く場所はとても限られるのです。温泉と競合します、これは一兆円産業、国民への自然の恵み、だからせめて50万Kw止まりなのです。低温の地球熱利用なら意味があります。

有限の地球で無限の経済成長はできない
アベノミックスのボロ次々と、株価下落、必需品、食料価格は円安高騰、ありもしない海洋資源の幻想、借金は世界一、地方過疎化、中央の超集権、収束しないフクシマ、人心荒廃、殺伐社会、白痴TVで絶叫するCM、その芸能人の品の無さ、相撲横綱まで狩出して不要商品の宣伝、尊敬されないねこの国は。

国際エネルギー機関、IEAの2012年レポート、いまの時点で最新、は
[ALL-time high oil prices acting as brake on global economy]
と述べ、エネルギー基盤の減耗、そしてその価格高騰が世界経済のブレーキとなっていると明快に断じている、対して日本は海洋資源大国、メタンハイドレート、原発過信など、リアリズムにかける。今の日本に必要なこと、国家、社会としての現実認識、リスク感覚なのでは。
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中世の風車から学ぶ人類の知恵
オランダの中世の風車はまだ鉄を使っていない、全て機械部分は堅い木材だった、実際にオランダで見てびっくり。ハイテクで現代の方が全てに勝る、などと思わないこと、古代から人間は知恵で生きていた。オランダのハーグで海岸のホテルに一泊、強風が水平に一定に吹くのには驚いた、成程だった。
古からの人間のエネルギー利用など、自然と共存する知恵は、著名な歴史学者フェルナン・ブローデルの名著「日常性の構造」ご参照。
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絵)サン・ファン・ボーイエン 「川べりの風車」1642

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by tikyuu_2006 | 2013-07-31 07:52 | これからの日本

「メタンハイドレートにダマされるな」(その2) 週刊文春

「メタンハイドレートにダマされるな」
初代調査委員長:緊急警告 石井吉徳東大名誉教授週刊文春2013年4月4日

「メタンハイドレートは資源ではありません」
 こう断言するのは、資源開発工学が専門の石井吉徳東京大学名誉教授だ。
 安倍晋三首相は成長戦略の一つにメタンハイドレートを位置づけ、二月の施政方針演説でも触れているが、かつて開発の基礎研究に中心的に携わっていた石井氏は、この安倍政権の方針に真っ向から異を唱える。

 三月十二日、経産省は愛知県沖の深海で実施していた次世代エネルギー資源「メタ
ンハイドレート」の産出試験で、約十二万立方メートルのメタン産出に成功したと発表しました。茂木敏光経産大臣が「思ったより出るね」と会見で発言し、新聞やテレビも「世界初の成功」と大きく報じていますが、ダマされてはいけません。
 アベノミクスの成長戦略を実現するためには大量のエネルギーが必要になります。二年前の原発事故で原子力への不安が高じたこともあり、メタンハイドレートへの期待が高まっているわけですが、メタンハイドレートは決して石油や原子力の替わりにはなりません。二十年程前に資源開発の当事者としてメタンハイドレートに携わった私は、残念ながらそう判断せざるを得ないのです。

 メタンハイドレートとは、メタンガスと水が低温高圧の状態で結びついてメタンの水和物、結晶化し、シャーベット状になった固体です。地表で点火すると燃えるため、「燃える氷」とも呼ばれています。低温高圧の条件を備えた永久凍土地帯や深海の海底面下にあり、日本近海にも大量に存在するとされています。存在自体は古くから海洋地質学者の間で広く知られていましたが、国際的にエネルギー資源としては捉えられてはいませんでした。

 日本で本格的にメタンハイドレートの調査研究が始まったのは九〇年代前半です。当時、通産省の外郭団体のエネルギー総合工学研究所で、メタンハイドレートが資源かどうかを整理するための調査委員会が立ち上がりました。東京ガスや大阪ガス、通産省の地質調査所(当時)、大学教授など、総勢四十人ほどの大きな委員会です。当時の私は、東大工学部資源開発工学科教授としてその調査委員会で委員長を務めました。委員会では「欧米に追従するだけではなく日本独自の調査研究をやろう」という見解でした。その頃、メタンハイドレートの海洋地質学的な研究が最も進んでいたアメリカのウッズホール海洋研究所にも調査団として足を運びました。

年間予算百億円の公共事業

 アメリカの研究者はそれをエネルギー資源とは見ていませんでしたが、メタンの量としては、普通のガス田と比べて地球上にはるかに大量にあることもわかりました。そうした調査を踏まえ、私は通産省に「百億円くらいのお金を使って、実用可能かどうか白黒をつけてもいいのではないか」と考え、調査レポートも提出しました。
 アメリカの研究者が否定的だったのに、私が「ひょっとして」と思ったのは、メタンハイドレートの下部では地温が高くなるため、フリーガスの可能性があると思ったからです。そうであればボーリングして普通のガス田と同じように生産できるかもしれない、その掘削調査などに、100億円程度のかけてもよいと思いました。でも結局そのようなゾーンはなかったようです。固体のままでは、そこからメタンを分離するのに相当のエネルギーが必要になります。「これはダメだな」と思ったのものです。私の中では初期の掘削で白黒はついたのです。
 
ところが、その後もメタンハイドレートの研究は毎年百億円も予算が使われる公共事業と化してしまった。政府機関や関連企業に旨味があったからでしょう。当時は全国で鉱山の閉鎖が相次ぎ、関連会社は不況に喘いでいた。そういう会社、研究者がこれに群がった。残念ながら私の教え子、東大の教員クラスもこれに加わりました。私が反対意見を述べても多勢に無勢でした。
 結局、年間予算百億円程が二十年も続き総額で二千億円規模の税金が使われたようです。日本の公共事業にはブレーキもバックギアが付いていないんですね。これが民間のプロジェクトなら、五年続けて成果がなければ中止するでしょう。
 
そもそもメタンハイドレートは通常の油田やガス田から産出される「在来型」のエネルギー源ではありません。しかもアメリカで話題になっている「非在来型」の「シェールガス」とは違い、これまでに商業生産されたためしがない。メタンハイドレートの商業生産を信じている人たちは、資源やエネルギーの「質」を理解していないのです。資源とは、効率よく採取するために濃縮されていなければならないのです。つまり、資源は「量」ではなくて「質」がすべてなのです。
 
資源かどうかの見極めは、エネルギー収支比を見ればわかります。通常のガス田ならば掘削すればガスが自噴しますが、メタンハイドレートは固体です。まずは固体からメタンガスを遊離しなければならず、そのためには相当のエネルギーが必要になる。入力エネルギーを1とした場合、油田の初期なら100の出力エネルギーがあるのに対し、メタンハイドレートはガス化にエネルギーが必要ですからエネルギー収支比は1以下、経済性がまったくないでしょう。ちなみにシェールガスの出力エネルギーは5程度とされています。

商業化など夢のまた夢

 私はこれまで大学で学生に「資源は量じゃなくて質がすべて」と繰り返し教えてきました。経産省にも、今回の産出試験の事業主体であるJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)にも教え子がいますが、やはり官僚になると官僚の論理になってしまうのでしょうか。
 
JOGMECは、二〇〇八年にカナダの永久凍土地帯で地下の浅い所のメタンハイドレート層からメタンガスを連続的に産出することに成功したとして、まるで連続生産しているかのような映像を流しました。冬の永久凍土地帯ですから浅い層であっても暖めて圧力を下げればメタンガスは出てくる。それをタンクに溜め、やぐらの上から火をつけた。いつでも実用化ができるような映像が流され、それ以来、メタンハイドレートが大きく注目されたという経緯があります。しかし、忘れてならないのは、投入したエネルギーと出力エネルギーの収支比:EPR(Energy Profit Ratio)で評価することです。
 
経産省は二〇一八年度までに商業化に向けた生産技術を確立すると言っています
が不可能でしょう。それは技術開発の問題ではない、あと五年でエネルギー収支比を飛躍的に高めることは出来ません、商業化など夢のまた夢です。地球は有限、資源は質が全て、人は自然の恵みで生かされているのです。

「メタンハイドレートにダマされるな」(その1) 週刊文春記事
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by tikyuu_2006 | 2013-04-13 14:45 | これからの日本

日本人が日本列島で生きる道

1)エネルギー問題、その本質
先ずエネルギーの質、EPR=EROI=EROEIの理解、

シェール革命などと浮かれないこと、
先ずご覧を、
シェールガス開発と環境汚染、水道の蛇口が燃える
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そして、
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次図は、石油資源量と回収コスト。IEAによる「世界エネルギー見通し2008」から、
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上の2図は共にTullet Prebon:2013, 「perfect storm: energy, finance and the end of growth」

2)外資に食い荒らされる日本の国土
過疎化する地方、周辺の島々、外国人が安く土地を買える、しかも強固な日本の土地所有権、そして森林などの登記、地図はあいまい、世界の国々では外国人は土地は買えない。 外資買収に見る、日本の甘過ぎる土地制度

そこで、東京財団の政策提言など、
失われる国土~グローバル時代にふさわしい 「土地・水・森」の制度改革を~
空洞化・不明化が進む国土にふさわしい強靭化対策を〜失われる国土
外資買収に見る、日本の甘過ぎる土地制度

3)日本人は日本列島でどう生きるか
当たり前ですが、日本人存在の究極的な拠点とは日本列島です。
http://www.mottainaisociety.org/index.html
http://www1.kamakuranet.ne.jp/oilpeak/
社会イノベーション」としての「日本のプランB」

●エネルギーで決まる文明のかたち
●地球は有限、加工貿易立国型の終焉
●もう自分で考えよう日本人、社会、国家
●地震大国で原発大国、安全神話で3.11
●海岸線長100m以上の島が6,852の列島
●日本も森、大地を奪われてはならない
●最後は食料、海外依存より自給率向上
●立体農業で1億4000万人が生存可(賀川豊彦)

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by tikyuu_2006 | 2013-02-22 13:23 | これからの日本