「The Last Oil Shock」 (日本訳、地球最後のオイルショック): 読売新聞書評

「地球最後のオイルショック」、David Strahan著の読売新聞書評(08年7月27日朝刊)である。原著名は「The Last Oil Shock 2007」、以前、原文で読んだが良い本であった。 

読売新聞の書評---------------------------------------
脱石油の道筋模索 地球環境の未来に対していかなるビジョンが示されるのか。鳴り物入りで開催された洞爺湖サミットだったが、2050年までにCO2排出量を50%削減 するというあまりに遠大な目標を確認するだけで終わった。 片やCO2の元凶、原油の価格上昇が止まらない。投機的資金の流入が原因とメディアは解説するがこれは単なるマネーゲームの結果ではない。根本の原因は石油の供給需要バランスが劇的に変化しているからだ。皆が、原油の消費量が埋蔵量の半分を超える点、すなわちピークオイルがいつ到来するのかに怯(おび)えている。

産油国は埋蔵推定をひた隠すが、様々なデータはその時が刻一刻近づいていることを示す。本書の記述は常に実証的だ。油田発見数の減少。産油国の新規生産投資の後退。米国では1970年以降、産出量が減少の一途だ。既にピークアウトを迎えている国。米国、クウェート、イラン、インドネシア、ロシアなど60か国以上。一方、新興国は必死に石油を求める。これこそが真の、そして最後のオイルショックである。

では石油の後は何か。風力? 太陽光? 原子力? 現在の水準を維持するにはいずれも途方もない大転換が必要だ。米国内の自動車を燃料電池に切り替えた場合に必要な電力を、風力発電で賄おうとすればノースダコタ州の面積の80%(約15万平方キロ)に風車を設置しなければならず、太陽光ならマサチューセッツ州の面積(約2万7000平方キロ)以上の電池パネル、原発なら433基が必要だ。そもそもこれらの建設に何十年もかかる。それでも著者はパラダイムシフトの方策を提言する。

代替エネルギーを模索しつつ、ともかく消費を減らすこと。地球温暖化論者も、それに対する懐疑論者もそろそろ本音を言ったらどうなのか。地球の危機は気候問題ではない。2050年には確実になっていること。それは石油の枯渇だ。CO2削減の真の目的もここにあると。高遠裕子訳。◇David Strahan=調査報道で定評のあるジャーナリスト、ドキュメンタリー・フィルム製作者。
以上----------------------------------------

ようやく書評として、「石油ピーク」が日本の新聞にも出るようになったが、まだ本当にわかっていないのでは、「石油ピーク」を「石油の枯渇」と勘違いしているから。 この違いは、本質的なのである。 そして、 「石油最終争奪戦」はもう来ている。
原理的だが、2つのことを理解すると、全てが見えてくる、それは「地球は有限」、「資源は質が全て」である、だが日本はこれを知らない。
現代はもうマネー本位制ではない、石油本位制、エネルギー本位制である。 そのインデックスがEPR(Energy Profit Ratio、いま文明が変わりつつある。
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by tikyuu_2006 | 2008-08-04 06:50 | エネルギー、環境
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