朝日新聞6月17日社説に、「第三次石油危機ー投資資金を新エネルギーへ導け」とあった。本当そうだろうか、そうではなかろう。
先ず今の石油高騰は、過去のそれとは全く違う。地球の有限性が顕在化したのである。
次いで技術だが、科学合理性を欠いている。オイルサンド、深海油田の大規模開発をというが、これは「量」だけのこと、「質」がない。
そして最後に、様々なエネルギー技術が列記されているが、これには二酸化炭素の回収投棄(CCS)すら入っている。このような個々の技術の「積み重ね」は常に総合的な視点、科学合理性を欠くものである。これも第一、第二次石油ショックで経験済みだが。
そこで申し上げたい。
エネルギー・資源は「質」が全て、具体的にはエネルギー収支比、EPR(Energy Profit Ratio)で考えるのである。さもないと巨大な資金を「再び」無駄に使うことになる。
これからは「脱石油は脱浪費」、「もったいない」と思う社会を構想するのである。人は「自然の恵み」で生きている。だがこれは有限、技術で何とか、ということではない。
人類は文明の一大変革期にあるのでは。