コメからエタノール燃料:賢愚の狭間で揺れる日本

5月15日夜のクローズアップ現代、疲弊した稲作農業を助けるため、米を家畜飼料、車の燃料にいう話であった。
一見良さそうである、日本の米を収量の多い品種に変え、豚などに食べさせる米作を振興する、豚は旨い不味いといわない、とあった。
その根底はエタノール向けのトウモロコシなど、穀物価格高騰がある。車に食料を食べさせる奇妙な動きを、米を作れない農家の救済策に導入しようというのが今回のクローズアップ現代の主題であった。

だが、これは根本で間違っている。まず石油ピークの認識がない、現代農業が石油漬けであることに一言も触れなかった。おそらくご存じないのであろう。これでは駄目である。短期的な対症療法に過ぎない。国家百年の計とはならない。食料は人間生存の根幹である、時々の流行に振り回されてはならないのであって、短期的便法と、基本理念そして戦略とを峻別すべき。NHKのクローズアップ現代は、まじめな良い番組だが、定番の家庭教師に安住しすぎるのでは。問題の本質は車社会にある、もうアメリカを見習ってならない、お分かりか?

私事になるが、このようなことが気になるのは、今は亡き義父、久宗壮の薫陶による。長年、岡山県津山の片田舎で立体農業、今の言葉でいう里山農業を推進し、戦後の全国愛農会の創設にも尽くした義父は、常に日本には真の農業政策も国策もないと嘆いていた。賀川豊彦に師事し、立体農業の実践を通じキリスト教的な農業伝道に一生を捧げた。
序ながら、いま皆さんが食するシイタケなどの人工栽培キノコ類は、義父の発明、発案による。だが特許などは一切申請もせずに、キリスト教伝道の一環として日本のみならずアジア、南米にまで只で指導行脚をした。損得で考えない、そんな馬鹿な人もいるのである。私もそれに近いが。
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by tikyuu_2006 | 2007-05-16 10:50 | エネルギー、環境
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