NHKとエネルギー、環境問題:まず有限地球観の理解を

NHKが年末年始、エネルギーと環境問題についの特集番組をTV、ラジオで報道した。それについてはすでに4回、BLOGのコメントで述べたとおり、すべて一人の論客、寺島実郎氏の強い個性、主張に全面的に依存した番組だった。寺島氏の国際的な視点でのダイナミズムは流石であったが、反面ゲストの方々は、同じ経済至上主義の堺谷太一氏をのぞいて影が薄かった。むしろ結果としてそうなった、お気の毒と言うべきかも知れない。経済成長一辺倒のこの一連の企画、初めからの予定稿に合わせたに過ぎないようである。ゲストは添え物出しかなかったのか。多様性を認めようとしない、日本社会の画一的な体質が現れたにすぎない。

かくしてNHKの年末年始の特集はビジネス、マネー主義で論理深度の浅いものとなった。地球は有限である、自然にも限りがあるとも思わない、理念、哲学に乏しいいつもの環境エネルギー論だった。
環境問題も地球温暖化論の決まりきったパターンが繰りかえされ、その対策も聞きなれた技術論に終始した。エネルギーも石油ピークなど気にも留めない、技術万能となった。
昨今の日本の妙な楽観論だが、聞きたくないことは聞かない、見たくないものは見ない、深く考えない、欧米、特にアメリカの主流に沿って「分かったつもり」の風潮の典型なのかも知れない。
その結果、日本経済の無限成長願望、万能の技術となるのだが、本当に日本はそれで大丈夫なのだろうか。NHKは国民が視聴料を払わねばならない公共放送である、色々な意見に耳を傾ける必要があろう。初めに予定稿がありそれにあわせて「いわゆる有名人」を、では国民の支持は得られまい。もう市民は覚めている。

だがNHKは日本で最高のスタッフ、能力を持つ組織である、方向、理念さえしっかり見定めさえすれば大きな力となろう、今後の活躍には期待している。
私は地球物理学者である。地球は有限、自然にも限りがあるが基本理念であり、現代工業化社会の大量生産型の浪費文明が、人類の心と本質的な生存基盤を喪失させるているのではと思うのである。
技術万能のマネー社会は、新たな問題すら作りつつある。流行のバイオエタノールである。一見すると温暖化対策として未来型だが、人が車に食料が奪われる時代を招きつつある。
温暖化、代替石油などの対策技術は、問題をむしろ深刻化する可能性すらある。ジェヴォンズのパラドックスである。

最近、レスターブラウンは近い将来、穀物価格が人類が経験したことがないほどの高値になると警告し、アメリカのエタノールプラントのコーン需要も過小に見積もられていると述べている。
拝金、強者必勝の競争原理が世界各地で人心を崩壊、伝統の人のつながり、コミュニティーを分断、そして地球規模で人類の生存基盤は喪失する、と警告する人が増えている。
真実を報道するのが、公共機関NHKの本来の使命、日本の科学者、大学も人類の未来についての正しい見識を社会に展開して欲しいものである、大学とは本来そのためにある
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by tikyuu_2006 | 2007-01-06 23:59 | 新しい文明の構想
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