楽観的なIEAーWEOレポート、非在来型シェール・ガスへの大きな期待だが

皆さん、今年最大の問題についてです。

1)2009年11月、国際エネルギー機関IEAは「2009WEOレポート」を出しました。その日本語サマリーは、いつものように基本的に楽観的ですが、今回特に気になるのは「シェール・ガス」という非在来型天然ガスが、今後大幅に増産可能、心配ない、と述べていることです。資源の「質」が考慮されない、EPRの視点を全く欠くのです。「地球は有限、資源は質が全て」という発想がないようです。

2)このIEAレポートについて、事務局長の田中伸男氏が日本で11月、プレスセンターでご講演、質疑を入れて一時間、それが全てインターネットに公開されています。また関連してのご意見、youtubueでも見られます。

いずれも、とても参考になります。例えばCO2排出権について、マネーゲームに温暖化を利用したいヨーロッパに応えてか、CO2に値段をつけよ、というご見解は驚きです。
そして「石油ピーク」について、需要ピーク、供給ピークという表現で「ピーク」に言及されますが、基本的に「需要サイド」の見解、「需要は満たされる」というエコノミストの信条が吐露されます。その為には「供給が可能」でなければならないとなりますが、それには最近、アメリカでは非在来型の「シェール・ガス」の生産が増えていると楽観的です。
しかしこれは、実際には減退が激しく、初年度で6~70%も減退するようです。故に生産は極めてコスト高となり、ガス価格の高値安定が不可欠となります。

3)さらに本質的には、エネルギー資源論からEPR(EROIと同意義)的に「シェール・ガスはエネルギー損失」となるのです。これについて興味ある見解をご覧下さい。これは「錬金術の逆」と皮肉って批判しています。
しかし「自分で考えない日本」です。IEAの見解など国際機関の言うことを、そのまま受入れます。疑いもなく信じるのです。そしてもう政府機関などは楽観論を展開しています。
このように国際機関の主張は、鳩山政権、25%削減の主張の根拠になり、IEAの見解はそのまま日本の温暖化、エネルギー戦略、政策となるのです。

4)講演会場で、日本を代表する経済紙の記者が、「石油ピーク」について質問されてます。私の知っている方でしたが、その返答が上記なのです。このようにしたて日本社会は「未来への理念」を構築できない、ブレ続ける、「石油ピーク」など認めない、となるようです。
しかし「地球は有限、資源は質が全て」です。藁をも掴みたい気持はわかりますが、EPRすら考えない楽観論では国は危ないのでは。太平洋戦争時代の二の舞だけは避けたいもの、「神風は吹かない」のです。
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by tikyuu_2006 | 2010-01-05 21:13 | エネルギー、環境
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